どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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二章 美空ミカエル

勇者の剣

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代々勇者のみしか扱えず、更に、使用者の精神力が高くなければ精神を乗っ取られる。
精神を乗っ取られたものは最後、魂も取り込まれ、エクスカリバーの養分と化す。
人よりも命を奪ったこの武器は伝説から姿を消した。
どこかに封印されている。
そんな噂も囁かれていた。
童話の中では英雄の使う最高の武器だとか。
そういうデメリットの話は一切されていないものなんかも存在するが。
実際はただの呪具だ。
最低最悪の。
「...、間に合ったか。ていうか、颯太がエクスカリバーを使うなんてな。俺は美空だと思っていたけど」
目の前に奏多が現れて、そう言う。
奏多にしては珍しく、汗だくだ。
そういえば、奏多は相手の強さがわかるんだっけ。
だから戦闘狂になったんだって理久が言っていた気がする。
でも、奏多の相手をするには弱すぎて。
汗ひとつかかなくて。
「つまんないんだよな。みんな俺より弱くてさ。自警団みたいな事をすれば強い奴と戦えると思ったのにそんな事なくて」
そう言っていたのを覚えている。
その奏多が汗をかいている。
つまり、今の颯太は。
「...、ミカエル。今のお前に敵意は無いんだよな?なら、今は良い。凪を連れて行け。今のあいつは飲まれかけてる」
奏多はそういう。
視線は颯太に固定しながら。
警戒しているみたいだ。
「まだ死にたくないだろ?ここは俺に任せとけ。こういう時のために俺がいるんだ」
奏多の言葉に、ミカエルは僕を連れて逃げ出した。
僕はミカエルの手に引かれて何処かへと連れられていく。
「先輩!待って!待ってよ!」
颯太の声が後ろから聞こえる。
けれど、僕らは振り返らずに走った。
走って逃げることしかできなかった。

美空と一緒に剣を掴んだ。
それぞれ別の剣を。
どちらも同じ見た目に見えたけど、掴んだ瞬間に変化するらしい。
そんなの信じられなかったけど、とりあえず掴んだ。
強くなりたかったから。
先輩を取り戻すためだから。
剣を掴んだ瞬間、目の前は別の空間に変化していた。
一瞬視界が黒く染まって、そこから別の世界へ。
こんな風に変化するなんて知らなかったから意外だった。
ただ、歩くことにした。
歩き続けることにした。
目の前には光があったから、そこに向かって走った。
そこから脱出できると思ったから。
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