どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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二章 美空ミカエル

助けたいって

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今すぐ行かなきゃ。
そして、先輩を助けなきゃ。
僕の感情はそれ一色になっていた。
それだけだった。
ここから出られなくなったらどうしようだとか。
この世界は何なのかとか。
そういう疑問なんて吹き飛んでいた。
どのくらい走っただろう。
ひたすら走って、光の先にたどり着けそうなところまできた。
すると、光が急に激しく光り始めた。
思わず目を瞑って、光が収まるのを待った。
すると、目の前に現れたのは先輩だった。
僕を見ながら微笑んでいる。
赤と青の瞳が僕を見つめている。
アテネじゃなくて僕を。
僕を見ていたんだ。
「颯太、大丈夫だよ。僕の事は気にしなくて」
そう言って、微笑んで、僕を抱き締めて、囁く。
気にしなくて良いなんてどうして?
どうしてそんなこと言うの?
「僕はずっと颯太と一緒だから」
ずっとここで暮らそう?そしたら楽しいよ、なんて。
僕にとって都合の良すぎる事を囁くから。
嘘みたいで、夢だってわかってるのに。
甘い誘惑に身を委ねたい、なんて思う。
『精神が強くなければ、聖剣は掴み取れない』
そんな事を思い出した。
こう言う欲望に従順じゃダメって意味だろうか。
でも、僕はこのままでいたい。
アテネの事だって全部放り出して、先輩と共に。
でも、少しだけ、聞いてしまおうか。
「...、美空の事は...?ミカエルは、良いんですか?それに、外の事だって」
どうせ、良いなんて言わないでしょ。
そこまであなたは僕の想像通りに動かないでしょ。
なんて、思いながら聞く。
「全部全部どうでも良いよ。颯太といられればそれで」
そう言って笑う先輩。
その答えをどこか望んでいたくせに、脳がおかしいと叫ぶ。
先輩はこんな人じゃないって。
でも、それでも良いじゃないか。
先輩は、僕じゃなくてアテネが好きだから。
全部どうでも良いなんて言わない。
「それにさ、もう死ぬのも生きるのも全部どうでも良いんだ。あぁ、颯太。僕と心中しようよ。一緒に死のう?何なら僕が颯太を...」
「そこから先は言わないでください」
思わずそう遮ってしまった。
先輩は、誰かと一緒に死のうなんてしない。
一時期、先輩は確かに逃げたがってた。
僕と出会った頃なんてまさにそうだった。
けど、今はそうじゃなかったはずだ。
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