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四章 雪闇ブラッド
第一話
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朝、目が覚めたら赤い飲み物を喉に流し込む。
その後うがいをして着替え。
鏡に映るつまんなそうな赤い瞳にあの子と同じに切った前髪。
ちょんちょんと二つ耳みたいにはねたアホ毛。
そんな自分を見つめながら、溜息を吐く。
眼鏡を取り、顔にかける。
毎日のルーティン。
飽きるほど飲んだ赤い飲み物は、命綱のようなものだから。
一日でも欠かしたら僕らの命は終わる。
こんな飲み物一つで繋がれるなんて、なんて自嘲気味に笑って見せる。
まだ寝ている雪を起こしに行く。
雪は朝に弱い。
それも仕方がない。
僕はまだしも、雪は濃いのだから。
だから朝が弱いのも当然。
それでも起きなければいけないから起こすのだ。
「えぇ…、もう起きんの…?まだ寝てても良くない…?まだ眠いんだけどー」
「遅刻したいならまだ寝ててもええよ。僕はもう行くけどな」
そう言うとガバリと飛び起きて、
「はいは~い!!今!今起きましたっ!!」
と言った。
さすがに初めての所を置いて行かれるのは不安なのか。
白い髪が太陽に反射してキラキラしている。
片目は長い髪で隠されている。
まぁ、髪の下にも眼帯をつけて、見えないようにしているけど。そんな雪には濃度を濃くした物を渡す。
雪は濃いのじゃないとだめだ。
だって、僕の体と雪の体は違うから。
嬉しそうに喉を鳴らしながら飲む雪に、
「お前、凪に会ったらどないする気?どうせ下らん事しかしないんやろうけど一応聞いとくわ」
「ん~…、喰う。あれ的な意味で」
なんてにやりと笑い、八重歯を覗かせる雪に、
「却下」
そんなの許可出さないに決まっているのに。
こいつはいつも懲りないんだからとため息一つわざとついてみる。
そんな僕をニヤニヤしながら見つめる雪。
「特別に闇奈も混ぜてやってもいいよー?ま、初めては俺がもらうけど。あぁ、闇奈は童帝だから刺激の高い話は無理か。ゴメンね☆」
高等スキル煽り発動、とでも言いたげに言葉を紡ぐ雪。
その口をどうやって塞げるか、言い合いで一度も勝った事ないからな、なんて思った。
「…、お前も同じやん。え、ブーメランかなんか?」
「俺のは純愛だよ。闇奈と一緒にしないで欲しいなぁ。チャンスなんていくらでもあったし?」
「僕もそしたら同じになるんとちゃう?僕も似たようなもんやったし」
そんな低レベルな言い争いをしていれば、そろそろ時間が近くなってしまったから。
あぁもう、と言いながら雪の支度を手伝ってやる。
時計の針が残酷に時を刻む。
あぁもう、初日から遅刻は絶対したくない!!
そんなことを思いながら雪を整えてやる。
雪を連れて外へ出る。
ドアを開けて、飛び込んできた光に目を細めながら。
朝日いっぱいの外へ。
日に弱い蝙蝠二匹飛び出した。
その後うがいをして着替え。
鏡に映るつまんなそうな赤い瞳にあの子と同じに切った前髪。
ちょんちょんと二つ耳みたいにはねたアホ毛。
そんな自分を見つめながら、溜息を吐く。
眼鏡を取り、顔にかける。
毎日のルーティン。
飽きるほど飲んだ赤い飲み物は、命綱のようなものだから。
一日でも欠かしたら僕らの命は終わる。
こんな飲み物一つで繋がれるなんて、なんて自嘲気味に笑って見せる。
まだ寝ている雪を起こしに行く。
雪は朝に弱い。
それも仕方がない。
僕はまだしも、雪は濃いのだから。
だから朝が弱いのも当然。
それでも起きなければいけないから起こすのだ。
「えぇ…、もう起きんの…?まだ寝てても良くない…?まだ眠いんだけどー」
「遅刻したいならまだ寝ててもええよ。僕はもう行くけどな」
そう言うとガバリと飛び起きて、
「はいは~い!!今!今起きましたっ!!」
と言った。
さすがに初めての所を置いて行かれるのは不安なのか。
白い髪が太陽に反射してキラキラしている。
片目は長い髪で隠されている。
まぁ、髪の下にも眼帯をつけて、見えないようにしているけど。そんな雪には濃度を濃くした物を渡す。
雪は濃いのじゃないとだめだ。
だって、僕の体と雪の体は違うから。
嬉しそうに喉を鳴らしながら飲む雪に、
「お前、凪に会ったらどないする気?どうせ下らん事しかしないんやろうけど一応聞いとくわ」
「ん~…、喰う。あれ的な意味で」
なんてにやりと笑い、八重歯を覗かせる雪に、
「却下」
そんなの許可出さないに決まっているのに。
こいつはいつも懲りないんだからとため息一つわざとついてみる。
そんな僕をニヤニヤしながら見つめる雪。
「特別に闇奈も混ぜてやってもいいよー?ま、初めては俺がもらうけど。あぁ、闇奈は童帝だから刺激の高い話は無理か。ゴメンね☆」
高等スキル煽り発動、とでも言いたげに言葉を紡ぐ雪。
その口をどうやって塞げるか、言い合いで一度も勝った事ないからな、なんて思った。
「…、お前も同じやん。え、ブーメランかなんか?」
「俺のは純愛だよ。闇奈と一緒にしないで欲しいなぁ。チャンスなんていくらでもあったし?」
「僕もそしたら同じになるんとちゃう?僕も似たようなもんやったし」
そんな低レベルな言い争いをしていれば、そろそろ時間が近くなってしまったから。
あぁもう、と言いながら雪の支度を手伝ってやる。
時計の針が残酷に時を刻む。
あぁもう、初日から遅刻は絶対したくない!!
そんなことを思いながら雪を整えてやる。
雪を連れて外へ出る。
ドアを開けて、飛び込んできた光に目を細めながら。
朝日いっぱいの外へ。
日に弱い蝙蝠二匹飛び出した。
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