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三章 雫ポイズン
鬼の双子と滑稽な詩
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ま、俺は知らないけどさ。
と双子の弟の雪は言う。
「仕方ないやろ。見てみこの書類の山に大量の負傷者!!文句の一つ言わんとやっていけへんやろ!!」
溜息ついでに不満爆発。
「俺は別に良いよ?凪の写真もらえるしさ」
そう言って雪は気まぐれ…、理久から届いた凪の写真を見せびらかす。
「あ!ずるいぞ雪ばっかり!!早よ僕にも見せるんや!!」
「ししし、やーだよっと。これは俺のだもんねー」
勝利を確信しているとでも言いたげな雪にイラっとする。
「…、あれ?何か入ってる。なになに…?闇奈、雪。今まで仕事ありがとう。これからは今送った機械に仕事させるから二人に休暇をあげよう。…だって!」
わーいっ!!と雪は嬉しそうにする。
機械は魔力を注ぐタイプだから、死ぬ気で魔力を全て放り込んだ。
「なぁ、雪。理久の奴がいる学園ってどこやったっけ」
「ん~、プリズンって書いてるよ?」
「よし、殴り込みや」
転入生はいつでも募集中という文字を見ながらそう言った。
「え、ま、待ってよ。生凪見る気?俺ら耐性無いし、写真越しにしといた方が…」
「このまま理久に取られていいん?」
「…、嫌だ」
なら決まりやと言って準備を始める。
携帯の食料を幾つも箱に投げ込んで。
八年ぶりだ。
会うのは。
そう思うと胸が不規則に鼓動を立てる。
期待しちゃダメだ。
覚えていないのは分かり切っている事実だ。
ただ、奇跡が起こるなんて淡い思いも抱いてはいけない。
絶望するのが怖い。
「行こっか闇奈。凪のとこに!」
元気な雪に連れられて外に出た。
蛇は仲間を手に入れた。
大切な仲間を。
けれどいつか失う物を。
悪魔は一時の希望を得た。
苦悩に染まる少年も足を踏み出した。
彼らの日々は普通なんて言葉では括れない。
きっとただの非日常だ。
それをわかっていても、きっと彼らは見ないふりをする。
鬼の双子は彼らの過去へと足を踏み入れた。
己を傷つける行為と知らずに地獄へと身を投じていく。
それぞれが各々の未来へと向かう一方で、世界はくるくると回っていく。
一度全人類が滅んでみたらどうなるんだろう、なんて半端少年が考えたら。
実行に移すも移さぬも彼次第。
魔王と勇者と半端の青春が今、幕を開ける。
彼らはこの籠で一体何の夢をみるのだろう。
と双子の弟の雪は言う。
「仕方ないやろ。見てみこの書類の山に大量の負傷者!!文句の一つ言わんとやっていけへんやろ!!」
溜息ついでに不満爆発。
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勝利を確信しているとでも言いたげな雪にイラっとする。
「…、あれ?何か入ってる。なになに…?闇奈、雪。今まで仕事ありがとう。これからは今送った機械に仕事させるから二人に休暇をあげよう。…だって!」
わーいっ!!と雪は嬉しそうにする。
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「よし、殴り込みや」
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「え、ま、待ってよ。生凪見る気?俺ら耐性無いし、写真越しにしといた方が…」
「このまま理久に取られていいん?」
「…、嫌だ」
なら決まりやと言って準備を始める。
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八年ぶりだ。
会うのは。
そう思うと胸が不規則に鼓動を立てる。
期待しちゃダメだ。
覚えていないのは分かり切っている事実だ。
ただ、奇跡が起こるなんて淡い思いも抱いてはいけない。
絶望するのが怖い。
「行こっか闇奈。凪のとこに!」
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大切な仲間を。
けれどいつか失う物を。
悪魔は一時の希望を得た。
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それをわかっていても、きっと彼らは見ないふりをする。
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それぞれが各々の未来へと向かう一方で、世界はくるくると回っていく。
一度全人類が滅んでみたらどうなるんだろう、なんて半端少年が考えたら。
実行に移すも移さぬも彼次第。
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彼らはこの籠で一体何の夢をみるのだろう。
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