どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

魔族の中で

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そこに服従はあっても、信頼なんてものは存在しない。
だから理久には従うけれど。
信用はしていない。
部下は僕によく言う。
「一体あの人間の子供をいつまでこの城に置いておくつもりですか?」
殺せと言外で訴えてくる。
今日だってそうだ。
「どうしてあの子供にあなたが魔法を教えているのですか?そんなことしなくても良いのに」
「あの子を置いておく必要なんてないんじゃないですか?」
そりゃあそうだ。
この反応が当然なのだ。
中には、
「あの子どもよりも私に教えた方がいいですよ。私の方が学習スピードが早いはずです。その方が有益に使えるはずです」
なんて言ってくる魔物もいる。
そんな魔物を見ると、少しだけ嫌な気持ちになる。
なら、と試しに凪と同じくらいの課題を与えたところで。
途中で嫌になって逃げ出すくせに。
君らはいつもそうだ。
昔、理久が魔法を教える前に。
少しだけ僕が担当した事がある。
努力さえすればなんとかなる。
それを実体験で知っていたから。
ついつい自分と同じことを他人も出来ると勘違いしてしまったもので。
それがダメだったみたいだ。
当然のように積み重なる課題。
「こんなの出来ると思ったんですか?頭でもおかしくなってしまったんですか?そうに決まってますよね」
そう言って逃げてく魔物達。
「それは君達が存在そのものを否定された事がないから言える事なんよ」
そう一人部屋で呟いた。
そんな思い出を思い出す。
そう考えると凪は僕の理想通りの動きをしてくれる。
僕の理想。
むしろ、僕にそっくりな形をしているように感じた。
凪と関わっているとついつい忘れがちになるが魔族と人間は争っている。
だからこうなってしまうのも仕方ないのだ。
先代が人間と結ばれたお陰で多少落ち着いてはいたが。
それは表面的に出さないだけ。
元々魔族は人間側に恨みがある。
同胞達を数多く殺された。
更に財産を奪われたもの。
大切なものを殺された。
尊厳を奪われた。
そう言った人間に恨みを持つものがこの城に集まる。
この城下町の外に出れば、人間に直接仕返しが出来るから。
己の屈辱を自分の手で晴らせるから。
その方が良いって魔物がいっぱい集まるのだ。
そう言うもの。
復讐に身を燃やすのだ。
そう言う言葉が似合うくらいに。
そいつらは復讐心を盾に暴力を振るう大義名分を手に入れた。
良かったね。
そう言う人が増えれば増えるほど戦力は増加するものだから。
人に対して暴力は、滅多な事がなければ振るわない。
振るう機会は戦争だろうと誰かは言うが、僕らで言うところの戦争なんて内輪揉めなんだから。
魔族だって内輪揉めが人間のように激しいものだから。
なくなることはなくて。
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