どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

僕は

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雪が一番この家で偉いのだ。
「我々の家には雪だけで良かったのに。家の面汚しが。自分の身分を弁えろ」
父の冷たい声を思い出す。
雪には一切出さない声。
「良いか、今日はちゃんとしろよ?お前の立場を弁えておけよ」
母も冷たい目でこちらを見下ろす。
父がそんなことを言う。
その視線から逃れるように、
「そんなのわかっとるから安心してほしいわ。ちゃんと血影家のものとして...」
そう言った。
そういおうとした。
ちゃんと血影家のものとして振る舞うよって。
息子って認めてくれなくても良いから。
誕生日はお祝いしてほしいって。
でも、父の言葉は冷たかった。
「いや、お前の席はあそこだよ。何、血影家の一員として振る舞えると思っているんだ。勘違いもほどほどにしろ」
そう言って指で示されたのは。
使用人達が座っている席だった
誕生日会には主催者席と招待席。
使用人席がある。
父さん達の座るのは主催者席。
とても豪華な主催者席。
一番豪華な場所だ。
本革で作られた赤い椅子。
美しい木の机。
上には赤いカーペットが引かれている。
その上に豪華な料理の数々が乗っている。
そりゃあ本日の主役が座る場所なのだから当然だろう。
逆に一番しょぼければそれはそれで問題だろうし。
綺麗なチョコレートケーキの乗った席。
チョコレートクリームの上に赤く輝く苺が乗っている。
他にも雪の好きな物ばかりが並んでいる。
豪華なローストビーフ。
チキンの丸焼きにサラダ。
とても豪華で素敵な席。
主役が座るにはふさわしい席。
僕は主役として数えられていなかったみたいだけど。
僕も一緒の誕生日に生まれたはずなのにな。
僕なんていらなかったのか。
そっか。
誕生日に知りたくなかったな。
ずっと目を背けていたから今気づいてしまった。
誕生日まで目を背けていたのがいけなかったんだろうな。
もっと早く気づいていれば良かったのに。
大人しく従っておいた方が良いというのは何となくわかった。
従う以外なかったから。
あぁ、もっと早く気づいておけば良かったな。
そしたら、もっと苦しまなくて済むのに。
二人の視線がキツかったから。
涙も出なかった。
泣いたりなんかしたらもっと酷い目に遭う気がして。
雪はどうすれば良いか分からずに立っている。
オロオロとしながら。
状況を段々と理解してきたのか。
少しずつ血の気が引いていって。
顔が青くなっている。
少しだけ呼吸が荒くなっている。
まだパーティーは始まっていないのが唯一の救いだった。
始まって入れな僕も雪も本気でどうすれば良いのかわからないから。
困ってしまって泣き出して。
もっと怒られてしまうだろうから。
そしたら雪にとっても苦しくなるだろうから。
僕だけで良かった。

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