どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

あなた以外なんて

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僕と美空の身分には大きな違いがある。
美空は僕を凄く慕ってくれているけれど。
そんな彼にだって婚約者はいるだろう。
風の噂で聞いたことがある。
金髪で、紫色の瞳で。
とても小さくて可愛らしい少女らしい。
可愛らしくて愛らしい少女。
それが美空の婚約者。
僕は美空に迷惑をかけたくない。
...、それに。
それに。
好きでいてくれるのは今だけだろうと思っているから。
人の気持ちは移ろうものだから。
それがわかっているから。
美空とは、美空の呪い関係で仲良くなっただけ。
少なくとも僕はそう記憶している。
だから、どうせ変わってしまうと思ってる。
今仲良くしているのも。
僕が特殊な呪い子だから。
特殊な体質ゆえに、いくらでも使える魔力が珍しいから。
お年頃ゆえの憧れと似たようなものがあると思った。
尊敬してくれてたりするんだろうと、心のどこかで思っている。
けれどそれが好意に繋がるなんて思えなくて。
そもそも僕らは男同士だし。
それに、王族は男同士なんて一番嫌がるだろうと思ってたから。
…、颯太は違うけれど。
だからいいのか分からなくて。
むしろダメだと思ってたのに。
そうですねって言うと思ったのに。
美空は急にムスッとして、不機嫌になった。
むしろ嫌だとでもいいたげに。
むぅ、と文句をいいたげに。
「凪先輩と恋人どうしに見えたいです。むしろ見せてたんです。...、そもそもこのフロア、そう言う所ですし」
そう美空が不貞腐れながら言う。
全部計画的だったのだろうか。
「え?つまり…?」
「凪先輩と恋人みたいに見えるのは当然です。俺がそうしたんですから」
そう美空は語る。
「俺って純粋そうに見えますか?全然違いましょ。凪先輩の事が凄く大好きなただの人です。全然考えまくってます。どうしたら凪先輩に好かれるか、とか。そういうのばっかり」
ずっとずっと考えてます。
そう、美空は言う。
だから全然純粋じゃないし、天使でもない。
そんな綺麗なものじゃないって。
「俺、凪先輩と恋人になりたいってずっと思ってます。婚約者の件は断りました。...、その分大変でしたけど」
そう美空は笑う。
満ち足りてるとでもいいたげに。
素直に喜べば良いのに。
それよりも驚きが勝った。
美空が両親の命令に抗うなんて。
そんなの僕の記憶する美空ではありえないような話なのだ。
だって、彼は誰よりも親に怯えていたはずで。
ずっと従ってきたはずで。
なのに。
不思議でしょう?と美空は言う。
「今までは両親の言うまま歌って。王位を受け継ぐ準備をして。そんな風に過ごしてましたけど。それでも俺はあなた以外と生涯を共にする気はありませんから。…、本当に。だから拒絶したんです。だって受け入れたくなかったんですもの」
そう美空が言った。
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