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四章 雪闇ブラッド
こんな俺じゃだめですか
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「当然、俺がわがままを言うことの意味くらいわかってます。王位継承権一位、ですもんね。でも、それでも。嫌なものは嫌だって言えるようになりたかったから」
己についていた糸を断ち切るように。
そっと首に手を当てた。
美空自身に絡まっていた糸を解くように。
それくらい僕の事が大事だと。
大切だと語る瞳は僕以外を映していなかった。
それくらい熱烈に僕を求めているとでも言いたげだった。
美空の瞳には僕が返事に困っているように映ったのか分からないけれど。
美空は慌てて言葉を付け足した。
取り繕うように。
なんとか言葉を濁して、真実を覆い隠すかのように。
「別に付き合って欲しいとか、そう言うのじゃないですよ。別に無理して付き合って欲しいわけじゃないですし。ただ、好きって伝えたかっただけで。一緒にいれさえすれば…」
そう言い訳するかのように僕に言う。
少し耳の先を赤ながら。
でも。
そう言って僕をまっすぐに見つめる。
「けれど、俺があなたを。凪先輩を愛しているって事だけをちゃんとわかってて欲しいです・それだけはどうか覚えていて欲しいんです」
美空の本心は分からないけれど、僕は。
その言葉が本当だってことだけを思って。
答えるために言葉を紡いだ。
「ねぇ、美空。美空は僕とずっと一緒にいたいの?」
そう首を傾げて問う。
言葉の真意を問うために。
慎重に言葉を選んで。
間違えたらそれで終わるような気がしたから。
美空はこくりと頷く。
「ずっと一緒にいたいんです。もう、離れたりなんてしたくない」
同意と言う事だろう。
そっか。
美空は僕とずっと一緒にいたいのか。
そう思ったら、自然と言葉が溢れてきた。
僕も美空と一緒にいたい。
そう思ってるからだろうか。
「大丈夫だよ、美空。僕は美空とずっと一緒だよ。付き合うだとか。そう言うのは抜きにしても。僕らは友達なんだから。離れるなんて事はない」
離れるなんてこと、したくないよ。
離れるという単語に、美空は少し肩を揺らした。
友達という単語に少し顔を歪めた。
悲しげに。
嫌とでも言いたげに。
でもすぐ元に戻るものだから。
元に戻してなんもなかったとでも言いたげな顔をするものだから。
僕は続きを紡いた。
「もしも。もしも僕が美空から離れたり。あり得ないけどさ。消えちゃったりしたら。僕の事を迎えに来てよ。死んでくれって事じゃなくてさ。うーん…。とにかく一緒にいるってこと!」
最後は若干投げやりになってしまったけれど。
不死である僕には、死ぬなんて単語は無いに等しい。
だって死ぬことがないのだから。
仮に死ぬのなら、あの塔での日常で僕は何度死んだのだろう。
今元気に生きているのが不死である証拠なのだ。
ついでに僕が化け物である証拠。
こんなのと一緒で良いのかなんて言葉はもはや蛇足とも言えるし。
美空に失礼とも言えるだろう。
だからこそあり得ないから。
死なない怪物が自身の死の後のことを語るなんて。
でも、もしも死んでしまったら。
己についていた糸を断ち切るように。
そっと首に手を当てた。
美空自身に絡まっていた糸を解くように。
それくらい僕の事が大事だと。
大切だと語る瞳は僕以外を映していなかった。
それくらい熱烈に僕を求めているとでも言いたげだった。
美空の瞳には僕が返事に困っているように映ったのか分からないけれど。
美空は慌てて言葉を付け足した。
取り繕うように。
なんとか言葉を濁して、真実を覆い隠すかのように。
「別に付き合って欲しいとか、そう言うのじゃないですよ。別に無理して付き合って欲しいわけじゃないですし。ただ、好きって伝えたかっただけで。一緒にいれさえすれば…」
そう言い訳するかのように僕に言う。
少し耳の先を赤ながら。
でも。
そう言って僕をまっすぐに見つめる。
「けれど、俺があなたを。凪先輩を愛しているって事だけをちゃんとわかってて欲しいです・それだけはどうか覚えていて欲しいんです」
美空の本心は分からないけれど、僕は。
その言葉が本当だってことだけを思って。
答えるために言葉を紡いだ。
「ねぇ、美空。美空は僕とずっと一緒にいたいの?」
そう首を傾げて問う。
言葉の真意を問うために。
慎重に言葉を選んで。
間違えたらそれで終わるような気がしたから。
美空はこくりと頷く。
「ずっと一緒にいたいんです。もう、離れたりなんてしたくない」
同意と言う事だろう。
そっか。
美空は僕とずっと一緒にいたいのか。
そう思ったら、自然と言葉が溢れてきた。
僕も美空と一緒にいたい。
そう思ってるからだろうか。
「大丈夫だよ、美空。僕は美空とずっと一緒だよ。付き合うだとか。そう言うのは抜きにしても。僕らは友達なんだから。離れるなんて事はない」
離れるなんてこと、したくないよ。
離れるという単語に、美空は少し肩を揺らした。
友達という単語に少し顔を歪めた。
悲しげに。
嫌とでも言いたげに。
でもすぐ元に戻るものだから。
元に戻してなんもなかったとでも言いたげな顔をするものだから。
僕は続きを紡いた。
「もしも。もしも僕が美空から離れたり。あり得ないけどさ。消えちゃったりしたら。僕の事を迎えに来てよ。死んでくれって事じゃなくてさ。うーん…。とにかく一緒にいるってこと!」
最後は若干投げやりになってしまったけれど。
不死である僕には、死ぬなんて単語は無いに等しい。
だって死ぬことがないのだから。
仮に死ぬのなら、あの塔での日常で僕は何度死んだのだろう。
今元気に生きているのが不死である証拠なのだ。
ついでに僕が化け物である証拠。
こんなのと一緒で良いのかなんて言葉はもはや蛇足とも言えるし。
美空に失礼とも言えるだろう。
だからこそあり得ないから。
死なない怪物が自身の死の後のことを語るなんて。
でも、もしも死んでしまったら。
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