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四章 雪闇ブラッド
助けてくれるなんて
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必死に息を整えているようだ。
凪の手に布が握られていた。
俺と一緒に回収したのだろう。
「本当に無茶するね!僕が慌てて魔法使えたから良いものの…」
凪がいた。
俺を抱えている。
きっと風を使って俺の落下衝撃を和らげたのだろう。
凪に迷惑をかけた。
また出来損ないの振る舞いをした。
「どうして雪様はこんな事も出来ないんですか?」
幼少期の言葉が甦る。
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい…」
体を丸めて必死に謝る俺を見て、凪は驚いているように見えた。
俺を見捨てないで。
俺が出来損ないだからって、冷たい瞳を向けないで。
凪はため息を吐く。
その動作一つで震えが止まらなくて。
指先まで冷たくて。
何だか吐き気がした。
凪が手をこちらに向ける。
その動作一つでもビクッとする。
だって、叩かれたら痛いから。
これはあなたの為だとか、そういう言葉とともに振るわれる暴力はとても痛くて、悲しい気持ちになるから。
けれど凪の手は、俺を叩くのではなくて。
俺の頭を優しく優しく撫でてくれたのだ。
こんな事されたこと無いから驚いて固まってしまった。
「ごめん、きつい言い方だったかも。咲が死んだらって思って怖かったんだ」
凪が言う。
謝るべきなのは俺の方だ。
なのに凪は申し訳なさそうな顔をして。
「僕さ、お母さんとお父さんが苦しんでるとこ見ちゃってさ。今にも死んじゃいそうっていうか。あの後助かったんだろうけど。…、相当、酷かったんだ。だからあんなのもう見たくなくて」
そう凪は言う。
「でもさ、おかしいよね。昔まで魔族と人間は争ってて、今もまだ争いは続いてるのに。見たく無いなんて」
そう言って笑った。
その笑顔は何だか寂しそうで。
「そんな事無い」
そう反射的に言ってしまった。
俺の手はすでに血で汚れているし。
魔物だろうが人間だろうが見境なく殺してきたのに。
それでも凪のその気持ちを否定する事が出来なかった。
もしも。
もしも凪が元の場所に戻ったら。
次俺らが会うのは戦場で、殺し合うかもしれないのに。
だから今俺を殺した方が楽なのかもしれないのに。
なのに。
「俺、凄い素敵だと思う。それに、今回のは俺が悪かったから…。急に取り乱しちゃってごめん」
そう返す。
凪はどういたしまして、と言って片づけを始めた。
俺も手伝おうとするとそこで待っててと言われる。
「手伝わなくていいよ。それより怪我とかしてない?」
そう凪が言う。
凪が受け止めてくれたから打撲や骨折などの怪我はないけれど。
立ちあがろうとすると少し足が痛んだ。
見てみると切り傷があった。
凪の手に布が握られていた。
俺と一緒に回収したのだろう。
「本当に無茶するね!僕が慌てて魔法使えたから良いものの…」
凪がいた。
俺を抱えている。
きっと風を使って俺の落下衝撃を和らげたのだろう。
凪に迷惑をかけた。
また出来損ないの振る舞いをした。
「どうして雪様はこんな事も出来ないんですか?」
幼少期の言葉が甦る。
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい…」
体を丸めて必死に謝る俺を見て、凪は驚いているように見えた。
俺を見捨てないで。
俺が出来損ないだからって、冷たい瞳を向けないで。
凪はため息を吐く。
その動作一つで震えが止まらなくて。
指先まで冷たくて。
何だか吐き気がした。
凪が手をこちらに向ける。
その動作一つでもビクッとする。
だって、叩かれたら痛いから。
これはあなたの為だとか、そういう言葉とともに振るわれる暴力はとても痛くて、悲しい気持ちになるから。
けれど凪の手は、俺を叩くのではなくて。
俺の頭を優しく優しく撫でてくれたのだ。
こんな事されたこと無いから驚いて固まってしまった。
「ごめん、きつい言い方だったかも。咲が死んだらって思って怖かったんだ」
凪が言う。
謝るべきなのは俺の方だ。
なのに凪は申し訳なさそうな顔をして。
「僕さ、お母さんとお父さんが苦しんでるとこ見ちゃってさ。今にも死んじゃいそうっていうか。あの後助かったんだろうけど。…、相当、酷かったんだ。だからあんなのもう見たくなくて」
そう凪は言う。
「でもさ、おかしいよね。昔まで魔族と人間は争ってて、今もまだ争いは続いてるのに。見たく無いなんて」
そう言って笑った。
その笑顔は何だか寂しそうで。
「そんな事無い」
そう反射的に言ってしまった。
俺の手はすでに血で汚れているし。
魔物だろうが人間だろうが見境なく殺してきたのに。
それでも凪のその気持ちを否定する事が出来なかった。
もしも。
もしも凪が元の場所に戻ったら。
次俺らが会うのは戦場で、殺し合うかもしれないのに。
だから今俺を殺した方が楽なのかもしれないのに。
なのに。
「俺、凄い素敵だと思う。それに、今回のは俺が悪かったから…。急に取り乱しちゃってごめん」
そう返す。
凪はどういたしまして、と言って片づけを始めた。
俺も手伝おうとするとそこで待っててと言われる。
「手伝わなくていいよ。それより怪我とかしてない?」
そう凪が言う。
凪が受け止めてくれたから打撲や骨折などの怪我はないけれど。
立ちあがろうとすると少し足が痛んだ。
見てみると切り傷があった。
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