どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

些細な事でも嬉しくて

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全く明るくなかった。
お茶会の席に俺らはいた。
凪と向かいあっている。
昨日の今日に顔を合わせて。
ケーキを焼いたから試しに食べて欲しいと言われたから。
生クリームケーキが出てくるんだろうなと思った。
一番最初にそれかぁ、とも思ったけれど。
だって俺、格好も全然違うのに。
そこには触れなくて。
それも優しさなのかな。
それとも、無関心なだけなのかな。
そう思ってしまう自分もいる。
でも聞く勇気もないから聞かないけど。
そっか、楽しみだな、なんて言う。
全然いつも通りの俺なんだろうな。
ドレスを着ていかなくて正解だったなぁ。
これで咲になりきる事なんて出来ないし。
もしかしたら、咲の所為にしてしまったかもしれないし。
パーティーのケーキが生クリームケーキだと知って。
闇奈の為に焼かれるケーキの試食会と知って。
髪を短くすればいつもの俺の格好になるしし。
それでも全く反応が変わらなくて。
ちょっとは気にしてくれれば良いのに。
気にする事もないし。
だから、
「今日の俺、どこか違くない?」
なぜか、いらついたから。
そう気づいたら言ってしまった。
凪がその言葉に対して少し首を傾げた。
「そう?」
凪はなんて事もないように言った。
どこが変わっているのかわからないとでもいいたげに。
そうかよ。
いくら雑でも。
飾るのを止めても。
どんな事をしたって。
反応が変わらなかったのは俺なんて見ていなかったからかよ。
俺なんて見ていないから。
興味がないから。
変わった所で気づかなかったんだ。
「そ、そう?今日結構変えたかな、と思ってたのに」
そう俺が言う。
けれどそれに対しても凪は何にも言ってくれなくて。
一生懸命アピールしたのに。
それでも凪は何も言ってくれなくて。
それが直く嫌で仕方が無くて、口に出した。
「なんで俺の事呼んだんだよ。理久や闇奈の方が良かったんじゃないのか」
だって、そうじゃん。
俺じゃなくたって良いじゃん。
どうして俺なの。
どうして俺を呼んだの。
そしたら傷つかずに済んだかもしれないのに。
「良いよ。だから呼んだんでしょ。咲じゃダメなら他の人呼んでる」
そう凪が言う。
そう言った後、少し考えるそぶりをしてから、
「そういえば僕、そんな呼ぶ相手いないから」
なんて笑う。
本当に俺の心をかきます天才だ。
それだけの仕草だけでも。
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