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四章 雪闇ブラッド
美空といると気が楽で
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参加する事はなかった。
「んーん、無い。でも、なんとなく分かるんだ。理が見せてくれた映画にそういうワンシーンがあるやつがあって。それで良いな、とか思ってたから」
だから記憶に残ってる。
だって一生縁が無いものだし。
参加したいといくら思っても参加出来ないものだから。
手に入らない位遠い物に限って、どうしようもなく欲しくなってしまうのだ。
そう言うと美空は納得した顔をした。
無踊会の実体験なんてものはない。
踊ったこともないし、参加した事もないし。
けれど、なんとなく覚えているセリフがあったから。
言ってみたくなってしまったのだ。
「僕をエスコートしてよ、王子様、一緒に預ろう?」
元気なお姫様が言う台詞。
こう言って、お姫様は王子様の手を取って踊り出す。
前に理久と見たなんの変哲のないラブストーリーだ。
当然最後は姫と王子が結ばれて終わるけど。
美空を誘う。
残念ながら現実は男が王子を誘っただけで。
ここからラブストーリーに発展するかはわからない。
発展したところで結ばれると確約しているわけでもないし。
もしも現実にもフラグがあって。
それをきちんとこなせばその分ちゃんとイベントが用意されていて。
ちゃんと結ばれる未来が保証されてたら良いのにな、なんて思ってしまう。
すると、本当に嬉しそうな顔をして美空は笑う。
その姿に、映画の中のお姫様がなぜか重なってしまって。
少し胸が痛んだ。
「喜んでエスコートさせていただきます。俺の姫」
そう美空は返して僕の手に恭しく口付けをした。
そう言う所を見るとやっぱり育ちの良さを痛感して。
それで、きっとこうやって仲良く出来るのは今だけなんだろうなと。
より一層実感してしまうのだ。
手を握って、僕を氷上で操る。
手を引いて、一緒に回ったり。
どこへ行くわけでもなく滑ってみたり。
ただ二人でなんとなく楽しく過ごす。
そうやってるだけでも癒される自分がいて。
美空といるのが楽しいなって思う。
美空が僕を慈しむような瞳で見つめるから。
その視線がくすぐったくて。
くすぐったくて仕方なくて。
そうやって二人で踊っていると近くを通いかかった二人組が何かこぼす。
普段なら聞こえなかったかもしれないが、その時は妙にはっきりと響いて。
「何あの二人。なんだかすごく自分達だけの世界にひたってる感じ。もしかしてカップルなのかなぁ」
クスクス、と蔑みや嘲笑とも取れる笑い声。
茶化すような口調。
その言葉に思わず手を離してしまった。
手を離さなくてはいけないような気がした。
だって、美空が悪く思われてしまうじゃないか。
一緒に滑って幾らか時問が経過したお陰か。
バランスを取るくらいの事は出またから。
そのまま少しだけ距離をとる。
友達くらいならおかしくない程度の距離を。
急に手を離した僕に、美空は首を傾げる。
「どうしたんですか、凪先輩。もしかして踊り疲れました?なら休憩して…」
美空が僕の事を一生懸命気遣ってくれる。
「んーん、無い。でも、なんとなく分かるんだ。理が見せてくれた映画にそういうワンシーンがあるやつがあって。それで良いな、とか思ってたから」
だから記憶に残ってる。
だって一生縁が無いものだし。
参加したいといくら思っても参加出来ないものだから。
手に入らない位遠い物に限って、どうしようもなく欲しくなってしまうのだ。
そう言うと美空は納得した顔をした。
無踊会の実体験なんてものはない。
踊ったこともないし、参加した事もないし。
けれど、なんとなく覚えているセリフがあったから。
言ってみたくなってしまったのだ。
「僕をエスコートしてよ、王子様、一緒に預ろう?」
元気なお姫様が言う台詞。
こう言って、お姫様は王子様の手を取って踊り出す。
前に理久と見たなんの変哲のないラブストーリーだ。
当然最後は姫と王子が結ばれて終わるけど。
美空を誘う。
残念ながら現実は男が王子を誘っただけで。
ここからラブストーリーに発展するかはわからない。
発展したところで結ばれると確約しているわけでもないし。
もしも現実にもフラグがあって。
それをきちんとこなせばその分ちゃんとイベントが用意されていて。
ちゃんと結ばれる未来が保証されてたら良いのにな、なんて思ってしまう。
すると、本当に嬉しそうな顔をして美空は笑う。
その姿に、映画の中のお姫様がなぜか重なってしまって。
少し胸が痛んだ。
「喜んでエスコートさせていただきます。俺の姫」
そう美空は返して僕の手に恭しく口付けをした。
そう言う所を見るとやっぱり育ちの良さを痛感して。
それで、きっとこうやって仲良く出来るのは今だけなんだろうなと。
より一層実感してしまうのだ。
手を握って、僕を氷上で操る。
手を引いて、一緒に回ったり。
どこへ行くわけでもなく滑ってみたり。
ただ二人でなんとなく楽しく過ごす。
そうやってるだけでも癒される自分がいて。
美空といるのが楽しいなって思う。
美空が僕を慈しむような瞳で見つめるから。
その視線がくすぐったくて。
くすぐったくて仕方なくて。
そうやって二人で踊っていると近くを通いかかった二人組が何かこぼす。
普段なら聞こえなかったかもしれないが、その時は妙にはっきりと響いて。
「何あの二人。なんだかすごく自分達だけの世界にひたってる感じ。もしかしてカップルなのかなぁ」
クスクス、と蔑みや嘲笑とも取れる笑い声。
茶化すような口調。
その言葉に思わず手を離してしまった。
手を離さなくてはいけないような気がした。
だって、美空が悪く思われてしまうじゃないか。
一緒に滑って幾らか時問が経過したお陰か。
バランスを取るくらいの事は出またから。
そのまま少しだけ距離をとる。
友達くらいならおかしくない程度の距離を。
急に手を離した僕に、美空は首を傾げる。
「どうしたんですか、凪先輩。もしかして踊り疲れました?なら休憩して…」
美空が僕の事を一生懸命気遣ってくれる。
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