どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

吸血鬼

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「だってだって。こっちはずっと好きなのに。なのに。再会した時に僕の存在全否定されたら、とか。軽蔑した目で見られたらどうしよ、とか。そういうのばっかぐるぐるして」
「けど凪は雫とか理久と仲良くしてたから。だったら、僕も受け入れてもらえるかもしれないとか思っちゃったんよ」
そう言って、僕から離れる。
「なぁ、吸血鬼って、人間の生き血を啜って生きる穢れた種族なんよ。人間を餌にしてるんよ。餌にすることでしか生きられないんよ。それでもまだ、過去に友達だったからまだ仲良くしてとか言ってええの?」
そう闇奈は言った後、急に言葉をなくした。
僕の返答を待っているのだろうか。
「僕は、闇奈が吸血鬼だろうがなんであろうが仲良くするよ。実際、理久は悪魔だし。きっと僕以外と契約してたら敵対する可能性だってあっただろうし」
僕の中で浮かんだ言葉を必死に刻む。
「ただ、他の人間の血を吸うのはやめてほしい。だってそうしたら討伐対象になってしまうじゃないか。僕は、友達が死ぬところは見たくないから。だったら僕の血を吸えばいい」
死んでほしくないんだ。
死んでほしくなくて。
だって、僕の友達なんだもの。
僕の中の何かがいう。
「どうせ吸血鬼なら、血を吸う限りずっと生きてくれるから、永遠に一緒にいてくれるとか思ってるんでしょ?ほんと浅はかで自分本位のクソ野郎だなぁ」
くすくす、と嘲るようなことしながら。
「そのくせしてカッコつけてるんじゃないよ。必死に一緒にいてくださいって縋りなよ。そのお綺麗な顔を歪ませて。必死に懇願しなよ。その方が相応しいよ」
うるさい。
「ほらほら、地べたに這いつくばって。誰か一緒にいなきゃまともに生きることもできない。自己肯定感なんてとうに死んじゃったんだからさぁ」
ケラケラケラケラ。
怪物同士傷を舐め合ってればいいじゃん、なんて。
そんな声をシャットアウトする。
目の前の闇奈の瞳はうるうるしていて、とても綺麗だと思った。
「空腹なら早く飲んじゃいなよ。きっとスッキリするよ。気持ちよくなれるよ。僕の全部喰らっちゃっていいからさ」
そう闇奈にいう。
だって、空腹が一番辛いじゃないか。
昔から拷問としても使われるとよく聞くし。
きっと辛いだろうと思って。
人の国に伝わる吸血鬼の伝承。
人と同じ姿をして。
瞳は赤く染まり。
犬歯が異常に発達している。
その瞳で。
その声で。
その匂いで。
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