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四章 雪闇ブラッド
とある昔話を
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その存在感で。
誰構わず魅了して。
その血を一滴残らず吸い取ってしまう。
それが吸血鬼。
しかも、眷属にすることも可能。
そのため、こんな逸話も残っている。
とある村があった。
その村には特に変な噂もなくて、変な障害だとかもなくて。
別になんら普通の村と変わらない、平和な村だった。
村人たちは平和に過ごしていた。
作物を作ったり。
何か作ってみたり。
そんな村。
ある日、旅の貴族が村へとやってきた。
その貴族は男と女とメイドの三人組。
見目麗しいこの貴族はしばらくこの村に滞在したいと言うので心優しい村人達は許可を出した。
それが大きな間違いだと言うことも知らずに。
美味しい食事を幾ら出したところで貴族達は一口も口に入れない。
困ったような笑みを浮かべるだけだ。
けど貴族達は妙に医学に精通しているので。
村の医者よりもはるかに優れた技術で村人を救って見せた。
そのおかげで村人達の信用は簡単に掴めたようで。
こぞって村人達はその病院へと駆け寄った。
けれどある日、村の中でも病弱で、寿命が残り僅かな少年が病院へと訪れた。
その時担当したのは女で。
その少年はその女に恋をしていた。
そりゃそうだろう。
その女はとても美しくて、それに優しかったのだから。
少年はどんな手を使っても生きたいと女に言った。
けれど女は首を振って、
「死ぬのは生き物の寿命が尽きるから。私に出来るのはあくまで延命だけよ」
そう返した。
だから少年はそれならと女の前で手首を切った。
少年は女の目の前で死んでやるつもりだった。
死んで命を散らしてやるつもりだった。
どうせ死ぬなら死場所くらい選ばせてくれと。
それが女の化けの皮を剥ぐことに繋がるなんて。
血が飛ぶのをみた瞬間、女の瞳は獣のように変化して、少年の腕にしゃぶりついた。
ごくごくごく、と。
その化け物となった女を見て、少年は歓喜した。
だって自分にしか見せてない姿だと思ったから。
だから少年は言った。
自分もその化け物にしてくれと。
誰構わず魅了して。
その血を一滴残らず吸い取ってしまう。
それが吸血鬼。
しかも、眷属にすることも可能。
そのため、こんな逸話も残っている。
とある村があった。
その村には特に変な噂もなくて、変な障害だとかもなくて。
別になんら普通の村と変わらない、平和な村だった。
村人たちは平和に過ごしていた。
作物を作ったり。
何か作ってみたり。
そんな村。
ある日、旅の貴族が村へとやってきた。
その貴族は男と女とメイドの三人組。
見目麗しいこの貴族はしばらくこの村に滞在したいと言うので心優しい村人達は許可を出した。
それが大きな間違いだと言うことも知らずに。
美味しい食事を幾ら出したところで貴族達は一口も口に入れない。
困ったような笑みを浮かべるだけだ。
けど貴族達は妙に医学に精通しているので。
村の医者よりもはるかに優れた技術で村人を救って見せた。
そのおかげで村人達の信用は簡単に掴めたようで。
こぞって村人達はその病院へと駆け寄った。
けれどある日、村の中でも病弱で、寿命が残り僅かな少年が病院へと訪れた。
その時担当したのは女で。
その少年はその女に恋をしていた。
そりゃそうだろう。
その女はとても美しくて、それに優しかったのだから。
少年はどんな手を使っても生きたいと女に言った。
けれど女は首を振って、
「死ぬのは生き物の寿命が尽きるから。私に出来るのはあくまで延命だけよ」
そう返した。
だから少年はそれならと女の前で手首を切った。
少年は女の目の前で死んでやるつもりだった。
死んで命を散らしてやるつもりだった。
どうせ死ぬなら死場所くらい選ばせてくれと。
それが女の化けの皮を剥ぐことに繋がるなんて。
血が飛ぶのをみた瞬間、女の瞳は獣のように変化して、少年の腕にしゃぶりついた。
ごくごくごく、と。
その化け物となった女を見て、少年は歓喜した。
だって自分にしか見せてない姿だと思ったから。
だから少年は言った。
自分もその化け物にしてくれと。
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