21 / 75
第二章 孤立の城
第十五集 趙英の危惧
しおりを挟む
すっかりと陽も落ち、満天の夜空が広がる。
風もない穏やかな夜である。
官軍の軍営は所狭しと灯された篝火が明るく照らして敵の侵入を許そうとしないが、軍営の外は真逆に夜の闇に包まれている。
その闇の向こうから絶えず聞こえる虫の声に紛れて、時折聞こえる獣の声と草を踏み分ける音が、見張りの兵士たちの肝を冷やしていた。
張郃に連れられた一行は、そんな軍営の中で夏侯淵と徐晃に引き合わされた。周囲には配下の兵士たちが数十人ほど取り囲んでいる。
「策の内容は分かった……。しかしその中心となる者に全てが託されるってわけだ。どうもこの目で見ないと心配で仕方がねぇな」
夏侯淵が顎鬚をさすりながら、ぶっきらぼうな濁声で苦言を呈した。その返答を予想していた様に、張郃は背後に立つ趙英に目くばせをすると、徐晃に向けて声をかける。
「徐将軍。それでは彼女と手合わせをお願いできるか?」
夏侯淵と同様の疑問を抱いていた徐晃は、特に悩むでもなく承諾した。
「いいだろう」
そう一言だけ言って頷くと、ゆっくりと立ち上がる徐晃。
かつては李傕配下の楊奉の下にいた将であるが、長安を荒廃させた李傕・郭汜の暴挙、そして冷遇される後漢皇帝を見かね、長安から皇帝を連れ出すよう進言したのが、この徐晃であった。
曹操が皇帝を保護した際に、徐晃もまた曹操軍の配下として仕える事となったわけだが、以来その才を遺憾なく発揮して名を上げた名将である。
間者を用いた情報戦を重要視し、常に失敗した時の対策を講じてから戦いに臨むなど、将としては堅実な用兵に定評があるが、百五十斤(約三五キロ)を超える大斧を愛用するなど武功の鍛錬にも余念がない武人でもあった。
「それでは、お手合わせを」
丁寧に包拳礼をした徐晃に、前に進み出た趙英もまた包拳礼で返す。
張郃の背後で見守る緑風子と呼狐澹は、ほとんど心配する事もなく事の成り行きを見守っている。
微笑みながら拳を上げて構えを取る徐晃に対し、趙英は視線を外さぬまま一向に構えようとはしない。
両者が睨み合ったままいると思った次の瞬間に、徐晃が一気に踏み込むとその拳を突き出す。
拳は趙英の眼前で止まった。
その勢いが風圧となり、趙英の髪を揺らす。
周囲の兵たちは騒めき、趙英が反応すら出来なかったと呟く者もいたが、徐晃はそう思っていなかった。武功の心得が無い者でも反応できる程度の速度に加減しており、常人ならば手で防御しようとしたり、或いは顔を伏せたりするものである。だが趙英は、拳を見つめたまま瞬きひとつしなかった。呼吸すら全く乱れていない。
「何ゆえに避けなかった?」
今の一手に対する趙英の対応で、徐晃は相手が相当な使い手であると理解していた。答えを既に分かっていながら、あえて訊いた徐晃に対し、趙英は落ち着いた様子で答える。
「初めから拳を止めるおつもりでしたでしょう? 踏み込みで分かります」
徐晃は一歩下がると再び包拳礼をして謝罪する。
「大変失礼をした。それではこちらも本気で行かせてもらおう」
「ご指南お願いいたします」
そう言って趙英もまた包拳礼を返し、今度は双方が構えを取った。
先に動いたのは今度は趙英の方であった。周りの兵たちの目にはその踏み込みの予備動作がほとんど見えず、次の瞬間には徐晃の懐へ飛び込んだ趙英の姿があった。
趙英の手刀が徐晃の首元の手前で止まっていた。その手首を徐晃がガッチリと掴んで止めていたのである。
趙英は右手を掴まれたまま、空いた左の掌底で腹部を狙うも、徐晃もそれに対応して右膝を持ち上げて趙英の掌底を受け止める。
片足立ちになった徐晃の隙を見て取った趙英は、その左足を掬おうと左足で足払いを狙うが、徐晃はその動きを読んで趙英の左足が浮いた瞬間、右足を一歩前に出すように即座に下ろして防御する。ここで一歩前に出た事により、徐晃は右肩を趙英の懐に入れる形となる。
趙英がしまったと思うが早いか、徐晃は左手で掴んだままの趙英の右手首をそのままに、右手で趙英の右腕を掴み、趙英の体を背負うように空中に投げ飛ばした。
投げ上げられた趙英は、右手を掴んでいた徐晃の左手が離れた瞬間、今度はその右手で徐晃の左手を掴み、引き寄せるようにして再度飛び込もうとする。趙英は飛び込む勢いを利用して左手で掌底を叩きこむ構えを見せた。徐晃もまたそれを見越して同じく空いた右手で掌底を打ち出す。
互いに内力の籠った掌底が空中でぶつかり、弾けるような激しい音が響いた。
徐晃は衝撃で一歩あとずさり、趙英は再び飛ばされた後、空中で回転するように体勢を立て直し、砂煙を巻き上げて着地する。
ここまでの五手が、わずか一呼吸の内に行われた。
勝負は全くの互角。
両者睨み合って再び構えを取ると、夏侯淵が膝を打って制した。
「そこまで! もう充分だ。まさか徐将軍を相手に一歩も引かんとはな」
趙英と徐晃は互いに黙ったまま笑みを零すと同時に包拳礼をした。周囲の兵士たちから感嘆の溜息と共に、自然と拍手が沸き起こる。
「では策は計画通りでよろしいので?」
張郃は不敵に笑いながら問うと、夏侯淵は呵々大笑して頷いた。
その作戦とは、食料が困窮している藍田に、民の為という名目で食料を運び入れる事。相手の警戒を解いて油断させるため、城内に入るのは女性のみという条件を付けるという物であった。
その後の準備は、近くの村から協力者となる娘を集める事であったのだが、事は予想以上に簡単に進んだ。
血の気の多い男たちは率先して志願兵となって功を挙げ、先鋒の切込み部隊に選抜されたり部隊長に出世するなどするが、徴兵となるとそうでない者が大半となる。特に歩兵ともなれば、元は争いが苦手な男がほとんどである。
しかし逆に女子となると、儒教社会に於いて戦場に出る事は不文律として許されず、徴兵される事もない。戦働きに憧れる男勝りで血の気の多い娘は、むしろ余っていると言えた。
しかも人質に取られている藍田の民の中に友人知人がいる者もいれば、賊軍によって家族が殺された者もいる。更に官軍には食糧配給の恩まであるのだ。
或いは命の危険があるかもしれないと言われても、自ら志願する娘たちは数十人に上り、わずか二日で作戦には充分な数が集まったのである。
さて趙英であるが、策の実行を渋っていた最大の理由に直面していた。
ずっと男装で過ごしていた者が、女性物の服と髪型にする事になるわけだ。最後に着たのは子供の頃の事であり、むしろ女装するような気恥ずかしさを感じていたのである。
天幕の外で趙英の着替えを待っている緑風子と呼狐澹。天幕の中では趙英の弱々しいボヤキと、作戦に参加する村娘たちの笑い声が聞こえていた。
作戦の中核であり、武勇を以って知られる勇将・徐晃と女だてらに互角の勝負をするほどの達人。その上に男装の麗人である趙英が、服の着付けにほとんど慣れていないという事で、気恥ずかしそうに指南を乞うてきたわけだ。
当然のように娘たちは面白がって群がり、張郃が用意させた服の中から可愛らしい物を選んでは趙英に着せ、口々に騒ぎながら髪結いや化粧を施していったのである。
しばらくして天幕が開けられ、すっかり精神を擦り減らした趙英が出てくると、緑風子と呼狐澹が同時に振り向く。その瞬間、呼狐澹は肩を震わせて噴き出す。
普段の趙英は、長い髪を頭上で縛って後ろに流しただけの男性によく見る髻で、その服も上は交領の短衣(襟を交差させて帯で結ぶタイプの、裾が腰のあたりまでの上着)、下は動きやすい胡袴(革ズボン)といった出で立ちで、化粧っ気もまるでない物である。
一方で今の趙英はというと、髪は双髻(いわゆるお団子ツインテール)に纏められ、これ見よがしに頭飾りが光っている。
服は絹で出来た桃色の襦裙(薄く短い上着と、長い巻きスカートを腰帯で留めたツーピースドレス)を足元まで引きずっている。化粧も白粉から紅までかなり厚く施されていた。
しかしながら十歳頃の成長期から練功に励んだ趙英は、女性としては骨格も立派に育ち、細身ではあるがその分だけ体脂が少ないため、首から肩、そして腕にかけて、しなやかな筋肉が浮き出ており、胸も非常に平坦だ。ともすれば上半身裸で出歩いても、道行く人には少年と思われて見とがめられなそうな体格である。
その少年のような体格と、芸妓のような華やかな服飾の不釣り合いが、本人の危惧していた通りの滑稽さを生んでいた。後ろで控える娘たちも肩を震わせている。
「ど、どうだ……?」
白粉を塗った上からでも分かるほどに赤面して引き攣っている趙英の質問に、緑風子と呼狐澹は笑いを堪えながら答える。
「やっぱり、少し詰めた方が……」
「あと肩に何か掛けた方が……」
「悪かったな!」
天幕の中の娘たちも同意見だったらしく、三人のやり取りを聞いて声を上げて笑っていた。
風もない穏やかな夜である。
官軍の軍営は所狭しと灯された篝火が明るく照らして敵の侵入を許そうとしないが、軍営の外は真逆に夜の闇に包まれている。
その闇の向こうから絶えず聞こえる虫の声に紛れて、時折聞こえる獣の声と草を踏み分ける音が、見張りの兵士たちの肝を冷やしていた。
張郃に連れられた一行は、そんな軍営の中で夏侯淵と徐晃に引き合わされた。周囲には配下の兵士たちが数十人ほど取り囲んでいる。
「策の内容は分かった……。しかしその中心となる者に全てが託されるってわけだ。どうもこの目で見ないと心配で仕方がねぇな」
夏侯淵が顎鬚をさすりながら、ぶっきらぼうな濁声で苦言を呈した。その返答を予想していた様に、張郃は背後に立つ趙英に目くばせをすると、徐晃に向けて声をかける。
「徐将軍。それでは彼女と手合わせをお願いできるか?」
夏侯淵と同様の疑問を抱いていた徐晃は、特に悩むでもなく承諾した。
「いいだろう」
そう一言だけ言って頷くと、ゆっくりと立ち上がる徐晃。
かつては李傕配下の楊奉の下にいた将であるが、長安を荒廃させた李傕・郭汜の暴挙、そして冷遇される後漢皇帝を見かね、長安から皇帝を連れ出すよう進言したのが、この徐晃であった。
曹操が皇帝を保護した際に、徐晃もまた曹操軍の配下として仕える事となったわけだが、以来その才を遺憾なく発揮して名を上げた名将である。
間者を用いた情報戦を重要視し、常に失敗した時の対策を講じてから戦いに臨むなど、将としては堅実な用兵に定評があるが、百五十斤(約三五キロ)を超える大斧を愛用するなど武功の鍛錬にも余念がない武人でもあった。
「それでは、お手合わせを」
丁寧に包拳礼をした徐晃に、前に進み出た趙英もまた包拳礼で返す。
張郃の背後で見守る緑風子と呼狐澹は、ほとんど心配する事もなく事の成り行きを見守っている。
微笑みながら拳を上げて構えを取る徐晃に対し、趙英は視線を外さぬまま一向に構えようとはしない。
両者が睨み合ったままいると思った次の瞬間に、徐晃が一気に踏み込むとその拳を突き出す。
拳は趙英の眼前で止まった。
その勢いが風圧となり、趙英の髪を揺らす。
周囲の兵たちは騒めき、趙英が反応すら出来なかったと呟く者もいたが、徐晃はそう思っていなかった。武功の心得が無い者でも反応できる程度の速度に加減しており、常人ならば手で防御しようとしたり、或いは顔を伏せたりするものである。だが趙英は、拳を見つめたまま瞬きひとつしなかった。呼吸すら全く乱れていない。
「何ゆえに避けなかった?」
今の一手に対する趙英の対応で、徐晃は相手が相当な使い手であると理解していた。答えを既に分かっていながら、あえて訊いた徐晃に対し、趙英は落ち着いた様子で答える。
「初めから拳を止めるおつもりでしたでしょう? 踏み込みで分かります」
徐晃は一歩下がると再び包拳礼をして謝罪する。
「大変失礼をした。それではこちらも本気で行かせてもらおう」
「ご指南お願いいたします」
そう言って趙英もまた包拳礼を返し、今度は双方が構えを取った。
先に動いたのは今度は趙英の方であった。周りの兵たちの目にはその踏み込みの予備動作がほとんど見えず、次の瞬間には徐晃の懐へ飛び込んだ趙英の姿があった。
趙英の手刀が徐晃の首元の手前で止まっていた。その手首を徐晃がガッチリと掴んで止めていたのである。
趙英は右手を掴まれたまま、空いた左の掌底で腹部を狙うも、徐晃もそれに対応して右膝を持ち上げて趙英の掌底を受け止める。
片足立ちになった徐晃の隙を見て取った趙英は、その左足を掬おうと左足で足払いを狙うが、徐晃はその動きを読んで趙英の左足が浮いた瞬間、右足を一歩前に出すように即座に下ろして防御する。ここで一歩前に出た事により、徐晃は右肩を趙英の懐に入れる形となる。
趙英がしまったと思うが早いか、徐晃は左手で掴んだままの趙英の右手首をそのままに、右手で趙英の右腕を掴み、趙英の体を背負うように空中に投げ飛ばした。
投げ上げられた趙英は、右手を掴んでいた徐晃の左手が離れた瞬間、今度はその右手で徐晃の左手を掴み、引き寄せるようにして再度飛び込もうとする。趙英は飛び込む勢いを利用して左手で掌底を叩きこむ構えを見せた。徐晃もまたそれを見越して同じく空いた右手で掌底を打ち出す。
互いに内力の籠った掌底が空中でぶつかり、弾けるような激しい音が響いた。
徐晃は衝撃で一歩あとずさり、趙英は再び飛ばされた後、空中で回転するように体勢を立て直し、砂煙を巻き上げて着地する。
ここまでの五手が、わずか一呼吸の内に行われた。
勝負は全くの互角。
両者睨み合って再び構えを取ると、夏侯淵が膝を打って制した。
「そこまで! もう充分だ。まさか徐将軍を相手に一歩も引かんとはな」
趙英と徐晃は互いに黙ったまま笑みを零すと同時に包拳礼をした。周囲の兵士たちから感嘆の溜息と共に、自然と拍手が沸き起こる。
「では策は計画通りでよろしいので?」
張郃は不敵に笑いながら問うと、夏侯淵は呵々大笑して頷いた。
その作戦とは、食料が困窮している藍田に、民の為という名目で食料を運び入れる事。相手の警戒を解いて油断させるため、城内に入るのは女性のみという条件を付けるという物であった。
その後の準備は、近くの村から協力者となる娘を集める事であったのだが、事は予想以上に簡単に進んだ。
血の気の多い男たちは率先して志願兵となって功を挙げ、先鋒の切込み部隊に選抜されたり部隊長に出世するなどするが、徴兵となるとそうでない者が大半となる。特に歩兵ともなれば、元は争いが苦手な男がほとんどである。
しかし逆に女子となると、儒教社会に於いて戦場に出る事は不文律として許されず、徴兵される事もない。戦働きに憧れる男勝りで血の気の多い娘は、むしろ余っていると言えた。
しかも人質に取られている藍田の民の中に友人知人がいる者もいれば、賊軍によって家族が殺された者もいる。更に官軍には食糧配給の恩まであるのだ。
或いは命の危険があるかもしれないと言われても、自ら志願する娘たちは数十人に上り、わずか二日で作戦には充分な数が集まったのである。
さて趙英であるが、策の実行を渋っていた最大の理由に直面していた。
ずっと男装で過ごしていた者が、女性物の服と髪型にする事になるわけだ。最後に着たのは子供の頃の事であり、むしろ女装するような気恥ずかしさを感じていたのである。
天幕の外で趙英の着替えを待っている緑風子と呼狐澹。天幕の中では趙英の弱々しいボヤキと、作戦に参加する村娘たちの笑い声が聞こえていた。
作戦の中核であり、武勇を以って知られる勇将・徐晃と女だてらに互角の勝負をするほどの達人。その上に男装の麗人である趙英が、服の着付けにほとんど慣れていないという事で、気恥ずかしそうに指南を乞うてきたわけだ。
当然のように娘たちは面白がって群がり、張郃が用意させた服の中から可愛らしい物を選んでは趙英に着せ、口々に騒ぎながら髪結いや化粧を施していったのである。
しばらくして天幕が開けられ、すっかり精神を擦り減らした趙英が出てくると、緑風子と呼狐澹が同時に振り向く。その瞬間、呼狐澹は肩を震わせて噴き出す。
普段の趙英は、長い髪を頭上で縛って後ろに流しただけの男性によく見る髻で、その服も上は交領の短衣(襟を交差させて帯で結ぶタイプの、裾が腰のあたりまでの上着)、下は動きやすい胡袴(革ズボン)といった出で立ちで、化粧っ気もまるでない物である。
一方で今の趙英はというと、髪は双髻(いわゆるお団子ツインテール)に纏められ、これ見よがしに頭飾りが光っている。
服は絹で出来た桃色の襦裙(薄く短い上着と、長い巻きスカートを腰帯で留めたツーピースドレス)を足元まで引きずっている。化粧も白粉から紅までかなり厚く施されていた。
しかしながら十歳頃の成長期から練功に励んだ趙英は、女性としては骨格も立派に育ち、細身ではあるがその分だけ体脂が少ないため、首から肩、そして腕にかけて、しなやかな筋肉が浮き出ており、胸も非常に平坦だ。ともすれば上半身裸で出歩いても、道行く人には少年と思われて見とがめられなそうな体格である。
その少年のような体格と、芸妓のような華やかな服飾の不釣り合いが、本人の危惧していた通りの滑稽さを生んでいた。後ろで控える娘たちも肩を震わせている。
「ど、どうだ……?」
白粉を塗った上からでも分かるほどに赤面して引き攣っている趙英の質問に、緑風子と呼狐澹は笑いを堪えながら答える。
「やっぱり、少し詰めた方が……」
「あと肩に何か掛けた方が……」
「悪かったな!」
天幕の中の娘たちも同意見だったらしく、三人のやり取りを聞いて声を上げて笑っていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
【時代小説】 黄昏夫婦
蔵屋
歴史・時代
江戸時代、東北地方の秋田藩は貧かった。
そんな中、真面目なひとりの武士がいた。同僚からは馬鹿にされていたが真面目な男であった。俸禄は低く貧しい。娘二人と実母との4人暮らし。
秋田藩での仕事は勘定方である。
仕事が終わると真っ直ぐ帰宅する。
ただひたすら日中は城中では勘定方の仕事をまじめにして、帰宅すれば論語を読んで知識を習得する。
そんな毎日であった。彼の名前は立花清左衛門。年齢は35歳。
娘は二人いて、一人はとめ15歳。もう一人は梅、8歳。
さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
「たそかれ」という言葉は『万葉集』に
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」
— 『万葉集』第10巻2240番
と登場するが、これは文字通り「誰ですかあなたは」という意味である。
「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。
またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~
橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。
記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。
これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語
※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります
九州のイチモツ 立花宗茂
三井 寿
歴史・時代
豊臣秀吉が愛し、徳川家康が怖れた猛将“立花宗茂”。
義父“立花道雪”、父“高橋紹運”の凄まじい合戦と最期を目の当たりにし、男としての仁義を貫いた”立花宗茂“と“誾千代姫”との哀しい別れの物語です。
下剋上の戦国時代、九州では“大友・龍造寺・島津”三つ巴の戦いが続いている。
大友家を支えるのが、足が不自由にもかかわらず、輿に乗って戦い、37戦常勝無敗を誇った“九州一の勇将”立花道雪と高橋紹運である。立花道雪は1人娘の誾千代姫に家督を譲るが、勢力争いで凋落する大友宗麟を支える為に高橋紹運の跡継ぎ統虎(立花宗茂)を婿に迎えた。
女城主として育てられた誾千代姫と統虎は激しく反目しあうが、父立花道雪の死で2人は強く結ばれた。
だが、立花道雪の死を好機と捉えた島津家は、九州制覇を目指して出陣する。大友宗麟は豊臣秀吉に出陣を願ったが、島津軍は5万の大軍で筑前へ向かった。
その島津軍5万に挑んだのが、高橋紹運率いる岩屋城736名である。岩屋城に籠る高橋軍は14日間も島津軍を翻弄し、最期は全員が壮絶な討ち死にを遂げた。命を賭けた時間稼ぎにより、秀吉軍は筑前に到着し、立花宗茂と立花城を救った。
島津軍は撤退したが、立花宗茂は5万の島津軍を追撃し、筑前国領主としての意地を果たした。豊臣秀吉は立花宗茂の武勇を讃え、“九州之一物”と呼び、多くの大名の前で激賞した。その後、豊臣秀吉は九州征伐・天下統一へと突き進んでいく。
その後の朝鮮征伐、関ヶ原の合戦で“立花宗茂”は己の仁義と意地の為に戦うこととなる。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる