婚約破棄でいいんですね?

すずまる

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ー 伍 ー 『あの後』とまさかの展開

いよいよお強請り令嬢達が来ますのね

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 詳しく聞こうかとも思ったのですが体調不良による欠席や先触れを伝える使者がちらほらと見え始めましたのでお父様は「すまないがエミリー・アレストス嬢のことはちょっと気を付けて様子を見てくれないかな。親や兄の陰に隠れている印象しかなかったから余計に気になるんだ…」とだけ言い残し執務室へ戻っていきましたわ。

 セッティングも滞りなく終わり、今日のホステスを務める私はお茶会に備えてアルとルナが食事を取る席で軽食をいただきましたの。

「アル、今日はお母様はお庭でお客様を招いてお茶会を催すことは覚えているわね?」
「うん」
「アルとルナも参加できればいいけどまだちょっと早いから大人しく部屋で遊んでいてね」
「もちろんわかってるよ」
「あ、でももうすぐファルおじさんが来てくれるから遊んで貰うといいわ」
「ファルおじさんはおちゃかいにくるんじゃないの?」
「お茶会の後に私やお祖父ちゃまとお話をするために来るのよ。でもその前にアルとルナと一緒に遊びたいって言ってたから早く来てくれることになったの」

 もちろん嘘ですけれどもね。
 ファルガルドが早く来るのはアル達の遊び相手もして貰うけれども、というか本人はそれが第一の目的みたいですけれども、ちょっとご令嬢方の本性というものを見極める勉強をさせるために呼んだのです。

「ファルおじさんがきてくれるならたのしくおるすばんできるね!それにぼくおべんきょうでわからないとこをファルおじさんにおしえてもらうんだ~」

 ……え?勉強を教える?ファルが?あのファルが?

 そんなことを思っていると私の背後から「お前、今失礼なこと考えただろ」と呆れたようなファルガルドの声がして、思わず肩が跳ねてしまいましたわ。

「ファルおじさん!おはよう!」
「おはようアル!今日はかぁ様のお茶会が終わるまでた~っぷり遊ぼうな!」
「うん!ぁ、あとね、ぼくファルおじさんにおべんきょうもおしえてほしい!」
「まかせとけ!…ってミリア、お前また『教える?出来るの?』とか思ってるだろう」

 ぁ、ファルにまで私が考えてることが解るなんて…私ってそんなにわかりやすくなったのかしら?ちょっと落ち込んでしまいそうだわ。

「まぁ、たしかに俺は勉強は現在進行形で苦手だしお前と違って覚えるのに時間もかかるけど、だからこそどうすれば解るかっていうのをわかりやすく説明出来るんだ」
「ファルおじさんのせつめいはすごくわかりやすくてたのしいんだよ!」

 なんだかファルから『エッヘン』という声が聞こえてきそうな程に胸を反らしていますが、それは自慢?自慢なの?自慢していいことなの?

「……そ、そうなのね」

 まぁもう暫くは『楽しくお勉強』が我が家の教育方針ですし、何よりファルがアルに尊敬してもらえるのも今のうちでしょうから良いことにしましょう。そう思っているとアルがくるっと振り返り…

「でもファルおじさん、かぁさまに『おまえ』っていっちゃダメだよ。かぁさまはワルモノじゃないんだから!」

 …と『メッ』ってしたの♡ 可愛い…

「ぁ、ごめん。つい何て言うか、男友達みたいにその…」

 あぁ、学生時代はそういう気安さが男女ともに好かれてはいましたものね。

「っていうか『ワルモノ』?」
「あぁ、うちにはルナもいるからある程度大きくなるまでは乱暴に聞こえる言葉は話さないようにしてるの。でもほら、こないだの豊穣祭の時の…あの人達を取り調べるときに『お前』って使ったからその言葉はワルモノ相手にしか使っちゃダメって言ってるのよ」
「なるほどな~。それよりお茶会までまだ2時間ほどあるんじゃなかったか?俺はその間の子供達との過ごし方やお茶会後のことを先に話し合う必要があるかと思って早く来たんだが…」
「えぇ、そうよ。だから早めに来てくれて助かるわ」

 ちゃんと予定を組んで周りの人達の不安を減らすなんて、気が回るようになったのね。

「さっき門の前でエミリーがうろちょろしてたぞ。それも馬車は帰したのか乗ってきてないのか、とにかく、なんというか…うろちょろしてた」


 ――――――え?
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