婚約破棄されたので、隠していた力を解放します

ミィタソ

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この世界で生きていくには

二十三話 交渉

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「それで、俺たちに何の話だ?」

 ギルドの幹部であるガルシアは、私をじっと見つめながら問いかけた。

 年の頃は四十代後半、がっしりした体格に鋭い眼光を持つ男。元は高名な冒険者だったらしいが、今はギルドの運営側に回っている。

「王宮が私を”裏切り者”として処罰しようとしています」

 私は率直に話を切り出した。

「で、それが俺たちに何の関係がある?」

「王宮が個人の排除を目的として、ギルドに圧力をかけるようになれば、いずれ冒険者全体に影響が及びます」

「……なるほどな」

 ガルシアは腕を組み、少し考える素振りを見せた。

「確かに、貴族どもが好き勝手にギルドを利用するのは気に食わねえが、だからって俺たちがあんたを助ける義理はねえだろ?」

「ええ、もちろんです」

 私は静かに頷いた。

「だからこそ、私からもギルドにとって有益な提案をさせていただきます」

「……提案?」

「ギルドの力をさらに強めるための協力をいたしましょう」

「……面白えな。詳しく聞こうか」

 ガルシアの目が鋭くなる。

 私はゆっくりと言葉を続けた。

「王宮はギルドを警戒しながらも、完全には支配できていません。それは、ギルドが王国だけでなく、他国とも取引を行う独立的な組織だからです」

「まあ、そうだな」

「しかし、貴族の中にはギルドを利用しようとする者も少なくない。彼らの意向に従えば、ギルドは徐々に王宮の支配下に置かれてしまうでしょう」

「……それは避けてえな」

 ガルシアの表情が険しくなる。

「そこで、私は貴族社会の内部情報を提供できます。彼らがどんな思惑でギルドに関与しようとしているのか、その裏事情を明かすことができるのです」

「ほう……?」

「さらに、私がギルドの庇護下に入ることで、王宮はますます慎重にならざるを得なくなります。貴族たちは”ギルドが私を守った”と知れば、安易に介入できなくなるでしょう」

「なるほどな……」

 ガルシアはしばらく沈黙したあと、ニヤリと笑った。

「いいだろう。ギルドとして、あんたの保護を受け入れる」

 その言葉に、私はほっと息をついた。

「ただし、ギルドの利益を損ねるような真似をしたら、その時は容赦しねえからな?」

「もちろんです」

 こうして、私は正式に”ギルドの庇護下”に入ることになった。
 ふふっ、王宮に対抗するための、一歩目は成功ですね。
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