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第六章
第171話 ポージングにらめっこ・1 ~尽くしたい系巨乳VS柔軟性抜群少女~
昼休み。二年B組の教室には、A組から柚木杏がやってきていた。
「大山寺さん、お昼ご飯はどうされますか?」
「んー、あんま食欲無ぇや。口ん中痛ぇからな」
セックスだけして振った女子にビンタされて頬の内側を歯で切った茂徳は、きっちり口内炎ができていて一日経っても患部が痛み続けていた。
クズ行為やらかしたらまあこのくらいの報いは受けるよなと、自業自得は認めつつもけろっと開き直っており反省の様子は見られない。
「実は私、大山寺さんの分のお弁当も作ってきたんです。お口の中を怪我していても優しい食べ物を中心に作りました」
(何でこんな準備いいんだこいつ)
茂徳はちょっとぞっとした。
傍から見ていた当真は、頬杖突いて鼻で笑う。
(グイグイ行くなぁ柚木ちゃん。せっかくできた彼氏とすぐ別れて次の恋に必死って感じか? これは茂徳にとっちゃいいお灸かもな。そういや輝也も柚木ちゃんのこと気になってる感じあったな。ライバルが茂徳じゃ厳しいかもしれんが)
そうしていると当真の彼女である目黒冬香が弁当を持ってやってきた。
「当真君、一緒にお弁当食べましょう」
「おう、そうするかー」
当真はでれっとだらしない表情になり、周りに見せつけるように冬香と昼食を共にした。
昼休みの終わり際。杏が自分の教室に戻ると、茂徳は安心して肩の力を抜いた。
「お疲れ茂徳。どうようちの部のアイドル、おっぱいマネージャーの柚木ちゃんは」
「……駄目だな。あれは重い女だ。気軽にヤれる感じじゃねーし、ヤったら絶対に後々面倒なことになる」
相手していてかなり疲弊した様子を茂徳は見せていた。
重い女というフレーズを聞いてピクっとしたのは悠里である。普段は男子のこういう下品な話は耳からシャットアウトしている悠里だが、他人のことといえど今気にしていることを言葉にして言われるとついそれが耳に入ってしまう。
自分の恋愛観が重いという自覚はあった。それで孝弘ともすれ違う羽目になり、心が落ち着かない状態は続く。
(帰る時に話そう、ちゃんと……)
それでも今すぐに話す勇気はなく、後に伸ばす悠里であった。
部活の時間。リリムはリボンを手に新体操の練習に励んでいた。
しなやかに舞いピンクのリボンで螺旋を描く姿は、さながら小さな妖精のよう。
演技を終えたリリムに、部員一同は拍手を贈った。
「恋咲先輩、初心者だったのが今やすっかり上手くなりましたねー」
「フフン、ボクってば天才肌だから、大体何でもできちゃうんだよねー。さあさあみんなもっと褒めて褒めてー」
鼻高々で調子に乗ってるリリムは、腰に手を当て薄い胸を張った。
すると丁度そこで、リリムの脳内に声が響く。
『リリム、部活が終わったらゲームを始めるぞ。準備しておけ』
『りょーかい』
ルシファーからの業務連絡に、こちらもテレパシーで返答。
「梢ちゃん梢ちゃん、この後いいことあるかもよ?」
リリムにそう話しかけられると、河内梢は何のことだかわからず首を傾げた。
そして部活後。
「ようこそ愛天使領域へ。私は愛の天使、キューピッドのルシファー」
「ボクはアシスタントのリリムちゃんでーす」
今日のリリムのコスチュームは、部活から着たままのピンクのレオタード。決して手抜きではない。ちゃんと意味のあるチョイスである。
ルシファーも体操選手風のタンクトップとタイツ姿で、男らしい肉体美を惜しげもなく見せつけている。
「それでは今回の参加者をご紹介致しましょう。赤コーナー男子、二年B組テニス部、大山寺茂徳! 同じく女子、二年A組野球部マネージャー、柚木杏Fカップ! 青コーナー男子、一年A組将棋部、大井一馬! 同じく女子、一年A組新体操部、河内梢Bカップ! こちらのペアで、ゲームを行って頂きます!」
「いやいやいや、何この状況」
ルシファーがマイク片手にアナウンスすると、真っ先にツッコんだのは梢である。
「ていうかあたし着替え中っ!」
そう、梢はレオタードから制服に着替えている最中に召喚され、下着姿でここにいるのだ。
上は白と水色のストライプ、下はシンプルなグレーの無地という不揃いな下着の組み合わせである。
チャラ男の茂徳からはいやらしい視線を向けられ、リリムほど小さくはないが比較的薄い方な胸を手で覆った。
(え、待って、もしかして大井君もあたしを……)
はっとした梢は共に召喚された想い人、大井一馬の方を見てみる。同級生女子の下着姿に、果たして彼は一体どんな反応をしているのか。
ドキドキしながら様子を窺ってみれば、一馬は無言無反応無表情。思春期男子とは思えぬ白けた反応に、梢は肩を落とした。
(何で!? いくら胸小さくたってちょっとくらい反応したりするよね!?)
下着姿見られた挙句にこれで、梢は始まる前から既に涙目。
「てか恋咲先輩は何しれっとそこにいるんですか!? 髪の毛赤いし!」
「へへーん、ボク、実はキューピッドだったのだー。赤髪のボクもカワイイでしょー」
リリムは人間に扮しての日常生活では髪を黒く染めているが、キューピッド活動をする際には本来の赤い色に戻している。
一方で脱衣ゲームへの参加二度目となる杏は、ルシファーにペコリと頭を下げていた。
「あ、お久しぶりですルシファーさん。その節はお世話になりました」
「前回は残念な結果となってしまい申し訳ございませんでした」
「い、いえ、あれは牧野先輩が暴力的な人だと気付けなかった私が悪いんです。ルシファーさんが謝る必要はありません」
「ですが私がキューピッドとしての使命を果たしきれなかったことは事実。そこで今回貴方が新しい恋をされたとお聞きし、前回のお詫びも兼ねて再び恋愛成就に協力させていただくことと致しました」
ルシファーは紳士的な態度で物腰柔らかに応じる。
だが納得いかないのは茂徳である。
「ちょっと待て、何だよ恋愛成就って」
「このゲームでは、勝ったペアはカップル成立となります。ただしこれは脱衣ゲーム。負けたペアの女子は全裸になります」
「やっぱりそれなんですね……」
前回同様脱がされると知って、杏は溜息。その隣で茂徳は、額に汗を浮かべていた。
(なるほどこいつが噂の脱衣キューピッド……俺は信じちゃいなかったが、マジでいやがったとはな。ちっ、ヤれるだけならいいがカップル成立は勘弁願いたいぜ)
「が、頑張りましょうね大山寺さん」
「お、おう……」
やる気を出している杏を見て、茂徳はげんなりした。
だがその一方で、もう一人の男子である一馬は無表情のままルシファーの方を見て挙手している。
「すみません、こんなことをしている場合ではないのですが……」
「残念ながら、このゲームの決着がつくまでここからは出られません。さて、今回のゲームはポージングにらめっこです。では早速ルール説明を致しましょう。このゲームでは、こちらのカードを使います」
ルシファーの右手に青い裏面のカードの束が、左手に赤い裏面のカードの束が現れる。カードの大きさはトランプ四枚分程度。結構大きめである。
ルシファーは赤の方をリリムに手渡すと、今度は自分とリリムの前に手品で使うような丸テーブルを出現させた。見た目は体操選手なのにやってることはマジシャンと、見る者を困惑させる。
「青は男子用、赤は女子用です。まずこの山札の上から二枚を引きます。カードは魔法により自動で操作されるためプレイヤーが山札に触れる必要はありません」
シファーとリリムの前のテーブルに置かれたカードは独りでに動き出し、山札と合わせて正三角形になるような位置取りで置かれた。
「山札の一番上から引かれて左下に置かれたカードをA、山札の二番目から引かれて右下に置かれたカードをBとします。ここでAのカードだけを表に向けます」
Aのカードは自動で捲られるが、その後ルシファーとリリムはそれを手に取って四人の参加者に絵柄を見せた。
どちらのカードにも、五頭身程度のピクトグラムで描かれた人物がポーズをとったイラストが描かれていた。ルシファーのものはエイエイオーと言わんばかりに右腕を突き上げたポーズ。リリムのものは足を揃えて右手で敬礼し左手は腰に当てたポーズ。
「さて、ここでプレイヤーはAかB、どちらかのカードを選び、それに描かれたポーズをとって頂きます。では私はBを選びましょう」
「ボクはAで」
ルシファーの宣言と共にBのカードが自動で捲られ、ルシファーはその絵柄を見せる。こちらに描かれていたのは、両腕両脚をピンと伸ばした倒立姿勢。誰が見てもAより遥かに難易度の高いものだ。
「基本的にはAのポーズが気に入らない、或いは難しくてできない場合にBを選ぶということになりますが、Bは隠されている以上、当然Aよりも都合が悪いものが出る可能性もあるということです。さて、ポーズについてですが、これはペアの二人が向き合ってとって頂きます」
そう言うと二人の前のテーブルが消え、ルシファーとリリムは互いに向き合う。リリムは早速、カードに描かれたポーズを笑顔で可愛く再現。ルシファーはバック宙返りでスタイリッシュに逆立ちした。
「注意点を一つ。ポーズをとる際は自分のパートナーから見てカードと同じポーズになるようにします。例えば私の場合こうするのが正解となります」
ルシファーは手で歩くようにして百八十度向きを変え、リリムの方に顔を向けた。カードのピクトグラムには所謂ニコちゃんマーク的な顔が描かれており、どちらの方向に顔を向けるかもはっきりと指定されているのだ。
綺麗な倒立姿勢で不敵に微笑みリリムと向き合うルシファーは、説明を続ける。
「二人ともポーズをとった状態が確認されたら、それを維持した状態で十秒待ちます」
音声アナウンスが流れ、テンカウントを刻む。ちなみにこちらはリリムがあざと可愛い媚び声で録音したものだ。
「十秒が経った時点で、私が男子、リリムが女子のポーズを5点満点で採点致します。採点基準は主にポーズの再現度と、崩すことなく維持できた時間です。ペアの合計点がスコアとなり、両ペアにはそれを競い合って頂きます。負けたペアの女子は、服を一回分脱がなければないません。脱ぐ部位はトップス、ボトムス、ブラジャー、ショーツの四ケ所。最初の一回目では上半身をブラジャー一枚になるまで脱がなければなりません。四回負けて全裸になった時点でゲーム終了。服が残っていた側の勝利です」
「待って、今あたし下着だけなんだけど!?」
「このゲームは身体の柔らかい河内さんには有利ですからね、ハンデということにしておきましょう」
「ええー……恋咲先輩どうなってるんですかこれ!?」
「ボク知らないよ! ルシファー先生の判断だし!」
理不尽にハンデを突き付けられて、梢は溜息が出た。
「では早速始めましょうか」
ルシファーは逆立ちしたまま羽ばたいて宙に浮かび上がると、空中で体を水平回転させて姿勢を戻し足で着地。続けて魔法で四人の参加者を移動させた。
立ち位置はルシファーから見て右から杏、茂徳、一馬、梢の順。パートナー同士向き合う形となるため、男子はわざわざ後ろを向かなければ相手側の女子を見ることはできない状態である。
「まずは赤コーナー、大山寺茂徳、柚木杏ペアから」
茂徳と杏の前には、山札を載せた丸テーブルが出現した。二枚のカードがそこから自動で移動し、それぞれ表向きと裏向きで置かれる。カードの右上隅には、それぞれAとBの文字が現れた。
杏のAは、片足立ちして残りの手足を伸ばした、バレエのアラベスクのポーズ。
茂徳のAは、座った状態で腰を折り曲げて尻で立ち全身でVの字を作るポーズ。
「それではお二人、AとBどちらかを選んで下さい」
「大山寺さん、お昼ご飯はどうされますか?」
「んー、あんま食欲無ぇや。口ん中痛ぇからな」
セックスだけして振った女子にビンタされて頬の内側を歯で切った茂徳は、きっちり口内炎ができていて一日経っても患部が痛み続けていた。
クズ行為やらかしたらまあこのくらいの報いは受けるよなと、自業自得は認めつつもけろっと開き直っており反省の様子は見られない。
「実は私、大山寺さんの分のお弁当も作ってきたんです。お口の中を怪我していても優しい食べ物を中心に作りました」
(何でこんな準備いいんだこいつ)
茂徳はちょっとぞっとした。
傍から見ていた当真は、頬杖突いて鼻で笑う。
(グイグイ行くなぁ柚木ちゃん。せっかくできた彼氏とすぐ別れて次の恋に必死って感じか? これは茂徳にとっちゃいいお灸かもな。そういや輝也も柚木ちゃんのこと気になってる感じあったな。ライバルが茂徳じゃ厳しいかもしれんが)
そうしていると当真の彼女である目黒冬香が弁当を持ってやってきた。
「当真君、一緒にお弁当食べましょう」
「おう、そうするかー」
当真はでれっとだらしない表情になり、周りに見せつけるように冬香と昼食を共にした。
昼休みの終わり際。杏が自分の教室に戻ると、茂徳は安心して肩の力を抜いた。
「お疲れ茂徳。どうようちの部のアイドル、おっぱいマネージャーの柚木ちゃんは」
「……駄目だな。あれは重い女だ。気軽にヤれる感じじゃねーし、ヤったら絶対に後々面倒なことになる」
相手していてかなり疲弊した様子を茂徳は見せていた。
重い女というフレーズを聞いてピクっとしたのは悠里である。普段は男子のこういう下品な話は耳からシャットアウトしている悠里だが、他人のことといえど今気にしていることを言葉にして言われるとついそれが耳に入ってしまう。
自分の恋愛観が重いという自覚はあった。それで孝弘ともすれ違う羽目になり、心が落ち着かない状態は続く。
(帰る時に話そう、ちゃんと……)
それでも今すぐに話す勇気はなく、後に伸ばす悠里であった。
部活の時間。リリムはリボンを手に新体操の練習に励んでいた。
しなやかに舞いピンクのリボンで螺旋を描く姿は、さながら小さな妖精のよう。
演技を終えたリリムに、部員一同は拍手を贈った。
「恋咲先輩、初心者だったのが今やすっかり上手くなりましたねー」
「フフン、ボクってば天才肌だから、大体何でもできちゃうんだよねー。さあさあみんなもっと褒めて褒めてー」
鼻高々で調子に乗ってるリリムは、腰に手を当て薄い胸を張った。
すると丁度そこで、リリムの脳内に声が響く。
『リリム、部活が終わったらゲームを始めるぞ。準備しておけ』
『りょーかい』
ルシファーからの業務連絡に、こちらもテレパシーで返答。
「梢ちゃん梢ちゃん、この後いいことあるかもよ?」
リリムにそう話しかけられると、河内梢は何のことだかわからず首を傾げた。
そして部活後。
「ようこそ愛天使領域へ。私は愛の天使、キューピッドのルシファー」
「ボクはアシスタントのリリムちゃんでーす」
今日のリリムのコスチュームは、部活から着たままのピンクのレオタード。決して手抜きではない。ちゃんと意味のあるチョイスである。
ルシファーも体操選手風のタンクトップとタイツ姿で、男らしい肉体美を惜しげもなく見せつけている。
「それでは今回の参加者をご紹介致しましょう。赤コーナー男子、二年B組テニス部、大山寺茂徳! 同じく女子、二年A組野球部マネージャー、柚木杏Fカップ! 青コーナー男子、一年A組将棋部、大井一馬! 同じく女子、一年A組新体操部、河内梢Bカップ! こちらのペアで、ゲームを行って頂きます!」
「いやいやいや、何この状況」
ルシファーがマイク片手にアナウンスすると、真っ先にツッコんだのは梢である。
「ていうかあたし着替え中っ!」
そう、梢はレオタードから制服に着替えている最中に召喚され、下着姿でここにいるのだ。
上は白と水色のストライプ、下はシンプルなグレーの無地という不揃いな下着の組み合わせである。
チャラ男の茂徳からはいやらしい視線を向けられ、リリムほど小さくはないが比較的薄い方な胸を手で覆った。
(え、待って、もしかして大井君もあたしを……)
はっとした梢は共に召喚された想い人、大井一馬の方を見てみる。同級生女子の下着姿に、果たして彼は一体どんな反応をしているのか。
ドキドキしながら様子を窺ってみれば、一馬は無言無反応無表情。思春期男子とは思えぬ白けた反応に、梢は肩を落とした。
(何で!? いくら胸小さくたってちょっとくらい反応したりするよね!?)
下着姿見られた挙句にこれで、梢は始まる前から既に涙目。
「てか恋咲先輩は何しれっとそこにいるんですか!? 髪の毛赤いし!」
「へへーん、ボク、実はキューピッドだったのだー。赤髪のボクもカワイイでしょー」
リリムは人間に扮しての日常生活では髪を黒く染めているが、キューピッド活動をする際には本来の赤い色に戻している。
一方で脱衣ゲームへの参加二度目となる杏は、ルシファーにペコリと頭を下げていた。
「あ、お久しぶりですルシファーさん。その節はお世話になりました」
「前回は残念な結果となってしまい申し訳ございませんでした」
「い、いえ、あれは牧野先輩が暴力的な人だと気付けなかった私が悪いんです。ルシファーさんが謝る必要はありません」
「ですが私がキューピッドとしての使命を果たしきれなかったことは事実。そこで今回貴方が新しい恋をされたとお聞きし、前回のお詫びも兼ねて再び恋愛成就に協力させていただくことと致しました」
ルシファーは紳士的な態度で物腰柔らかに応じる。
だが納得いかないのは茂徳である。
「ちょっと待て、何だよ恋愛成就って」
「このゲームでは、勝ったペアはカップル成立となります。ただしこれは脱衣ゲーム。負けたペアの女子は全裸になります」
「やっぱりそれなんですね……」
前回同様脱がされると知って、杏は溜息。その隣で茂徳は、額に汗を浮かべていた。
(なるほどこいつが噂の脱衣キューピッド……俺は信じちゃいなかったが、マジでいやがったとはな。ちっ、ヤれるだけならいいがカップル成立は勘弁願いたいぜ)
「が、頑張りましょうね大山寺さん」
「お、おう……」
やる気を出している杏を見て、茂徳はげんなりした。
だがその一方で、もう一人の男子である一馬は無表情のままルシファーの方を見て挙手している。
「すみません、こんなことをしている場合ではないのですが……」
「残念ながら、このゲームの決着がつくまでここからは出られません。さて、今回のゲームはポージングにらめっこです。では早速ルール説明を致しましょう。このゲームでは、こちらのカードを使います」
ルシファーの右手に青い裏面のカードの束が、左手に赤い裏面のカードの束が現れる。カードの大きさはトランプ四枚分程度。結構大きめである。
ルシファーは赤の方をリリムに手渡すと、今度は自分とリリムの前に手品で使うような丸テーブルを出現させた。見た目は体操選手なのにやってることはマジシャンと、見る者を困惑させる。
「青は男子用、赤は女子用です。まずこの山札の上から二枚を引きます。カードは魔法により自動で操作されるためプレイヤーが山札に触れる必要はありません」
シファーとリリムの前のテーブルに置かれたカードは独りでに動き出し、山札と合わせて正三角形になるような位置取りで置かれた。
「山札の一番上から引かれて左下に置かれたカードをA、山札の二番目から引かれて右下に置かれたカードをBとします。ここでAのカードだけを表に向けます」
Aのカードは自動で捲られるが、その後ルシファーとリリムはそれを手に取って四人の参加者に絵柄を見せた。
どちらのカードにも、五頭身程度のピクトグラムで描かれた人物がポーズをとったイラストが描かれていた。ルシファーのものはエイエイオーと言わんばかりに右腕を突き上げたポーズ。リリムのものは足を揃えて右手で敬礼し左手は腰に当てたポーズ。
「さて、ここでプレイヤーはAかB、どちらかのカードを選び、それに描かれたポーズをとって頂きます。では私はBを選びましょう」
「ボクはAで」
ルシファーの宣言と共にBのカードが自動で捲られ、ルシファーはその絵柄を見せる。こちらに描かれていたのは、両腕両脚をピンと伸ばした倒立姿勢。誰が見てもAより遥かに難易度の高いものだ。
「基本的にはAのポーズが気に入らない、或いは難しくてできない場合にBを選ぶということになりますが、Bは隠されている以上、当然Aよりも都合が悪いものが出る可能性もあるということです。さて、ポーズについてですが、これはペアの二人が向き合ってとって頂きます」
そう言うと二人の前のテーブルが消え、ルシファーとリリムは互いに向き合う。リリムは早速、カードに描かれたポーズを笑顔で可愛く再現。ルシファーはバック宙返りでスタイリッシュに逆立ちした。
「注意点を一つ。ポーズをとる際は自分のパートナーから見てカードと同じポーズになるようにします。例えば私の場合こうするのが正解となります」
ルシファーは手で歩くようにして百八十度向きを変え、リリムの方に顔を向けた。カードのピクトグラムには所謂ニコちゃんマーク的な顔が描かれており、どちらの方向に顔を向けるかもはっきりと指定されているのだ。
綺麗な倒立姿勢で不敵に微笑みリリムと向き合うルシファーは、説明を続ける。
「二人ともポーズをとった状態が確認されたら、それを維持した状態で十秒待ちます」
音声アナウンスが流れ、テンカウントを刻む。ちなみにこちらはリリムがあざと可愛い媚び声で録音したものだ。
「十秒が経った時点で、私が男子、リリムが女子のポーズを5点満点で採点致します。採点基準は主にポーズの再現度と、崩すことなく維持できた時間です。ペアの合計点がスコアとなり、両ペアにはそれを競い合って頂きます。負けたペアの女子は、服を一回分脱がなければないません。脱ぐ部位はトップス、ボトムス、ブラジャー、ショーツの四ケ所。最初の一回目では上半身をブラジャー一枚になるまで脱がなければなりません。四回負けて全裸になった時点でゲーム終了。服が残っていた側の勝利です」
「待って、今あたし下着だけなんだけど!?」
「このゲームは身体の柔らかい河内さんには有利ですからね、ハンデということにしておきましょう」
「ええー……恋咲先輩どうなってるんですかこれ!?」
「ボク知らないよ! ルシファー先生の判断だし!」
理不尽にハンデを突き付けられて、梢は溜息が出た。
「では早速始めましょうか」
ルシファーは逆立ちしたまま羽ばたいて宙に浮かび上がると、空中で体を水平回転させて姿勢を戻し足で着地。続けて魔法で四人の参加者を移動させた。
立ち位置はルシファーから見て右から杏、茂徳、一馬、梢の順。パートナー同士向き合う形となるため、男子はわざわざ後ろを向かなければ相手側の女子を見ることはできない状態である。
「まずは赤コーナー、大山寺茂徳、柚木杏ペアから」
茂徳と杏の前には、山札を載せた丸テーブルが出現した。二枚のカードがそこから自動で移動し、それぞれ表向きと裏向きで置かれる。カードの右上隅には、それぞれAとBの文字が現れた。
杏のAは、片足立ちして残りの手足を伸ばした、バレエのアラベスクのポーズ。
茂徳のAは、座った状態で腰を折り曲げて尻で立ち全身でVの字を作るポーズ。
「それではお二人、AとBどちらかを選んで下さい」
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