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チュートリアル
10.反転の目醒め 後編
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10.反転の目醒め 後編
ムギュゥ!
「――――ッ!!?」
伊織がこともなげに俺の身体の、胸を右手で揉みし抱いた瞬間――――これまで経験したことのない刺激が身体を貫いた。
男だったら身体の一部を触られたに過ぎなかったのに、なのに……触れられた場所から雷みたいな未知の感覚が襲ってくる。
「なんでも突然女に性別が変わっちゃった男はさ、最初に自分の胸を揉んで自分が女になったことを知るのが黄金パターンらしいわね。あなたは縛られていて、自分で揉めないみたいだからあたしが揉んであげたけど、これで現実を認識できたかしら?」
揉み揉みと、俺の胸をこね回し続ける伊織。
その容赦ない手の動きに反応して、呼吸が勝手に合わせはじめる。
空気が抜けるように、全身から力も抜けて、喉の奥から変な声が零れそうになるのを必死で飲み込む。
疼きを抑えようとして身体を強張らせるが、それが余計に胸の感覚を意識して感じ取ってしまう。
「もし、正直に話してくれるんなら、すぐに元の身体に戻してあげるんだけどなー。悪い条件じゃないでしょ? ……というか、他に選択肢なんて無いと思うんだけど?」
執拗なまでに胸だけを集中的に揉み上げてくる伊織の手は、絞るように、潰すように、乱暴極まりないというのに。体は更に熱く、痛いはずなのに……キュッと、大切な何かを捻られているような感覚が、深くて知らない部分から溢れてくる。
「それにしても……どうして性別が変わったくせに、男から女になったクセして、あたしより大きいのよ! 不公平よ! 偽物なのに、本物よりも立派だなんて……なんで無転換者のあたしが劣等感を感じなきゃならないのよ!」
伊織はさらに乱暴に胸を揉み続ける。伊織の瞳は涙目になっており、顔は羞恥とも怒りとも知れない興奮状態で紅潮していた。
「い、いいかげんに、し……ろ……」
とても男だったと思えない少女の声が自身の口から零れ落ちる。
身体も暖かくなってきて、昂ぶりが止められない。
まさか……この伊織から乱暴に胸を揉まれている行為そのものを、気持ちよいものだと身体が受け入れ始めているのか?
これは本気でヤバイ! このままだと、俺の身体はまったく違うモノに変えられてしまうと、瀕死になっている男としての自分が警笛を鳴らしていた。
はやく、なんとかしてこいつから逃げないと!
俺は縛られている体をくねらせて、伊織から逃れようと身をよじる。しかし、
「逃がさないわよ!」
伊織は寝技のごとく、足を絡めてきた。
「うふ、うふふふふふ。いったい、この肉袋にはナニが詰まっているのかしら? このまま絞り尽くしてしまえば、少しは小さくなってくれるのかな?」
駄目だこいつ……。すでに伊織は正気とは思えない目と笑みを浮かべていやがる。
そもそも当初の目的はどうなっているんだよ! 俺から何かを聞き出したかったんじゃないのか?
それを……人の胸を、ゴムボール使った握力トレーニングなんかと勘違いしてんのか――くぅッ!
喉の奥から、甘くてとろけた、自分ではない吐息があふれ出す。
「もう……これ以上は、たえ……ら……あぅ!」
このまま……俺は伊織にされるがまま揉まれ尽くされてしまうのか?
外からの刺激と、内側からの誘惑に挟まれて……限界が近づいていたそんなとき、
「ちょっと待ったあああああああ!」
突如として、第三者の声が割り込んできた。
俺と伊織が我に返って、声の聞こえた方向を見る。
部屋の窓が開け放たれ、はためくカーテンの向こうから風が吹きつけてくる。
その窓から身を乗り出して、部屋に侵入してきた人物は――。
「紅葉!」
幼馴染の庭咲紅葉であった。
学校から急いで帰ってきたのだろう。肩で息を切らし、相当疲労しているみたいだった。
「ぜえ……ぜえ……や、やあ、こう――ッて、えええええ! なになに? これってどういうこと! なんで伊織ちゃんが女装して、荒野が女の子になっているの!」
「あたしは女装じゃないわよ! どうして木枯くんが女になったことを一発で見抜いて、あたしが無転換者の女の子って見破れないのよ!」
伊織は本気でキレていた。
「お、お前……。運動部の人たちにお仕置きされてたんじゃ……」
「お仕置き? そういうプレイされているのは荒野の方じゃないかな? ねえねえ、ボクも混ざって良い?」
「「混ざんな!」」
俺と伊織が声を重ねて怒鳴ると、紅葉は愉快そうに笑った。
「キシシシ。冗談冗談。ちょっと運動部の練習や試合に付き合わされただけだよ。どれもサクッと終わらせてきたんだけど、その後で正式に部活に入ってくれって頼まれちゃって、断るのが大変だったよ」
両手の指よりずっと多い部活数だった気がしたけど……それをサクッと短時間で済ませてきたのか?
「……ところで、荒野。これはひょっとしてピンチってやつなのかな?」
紅葉は部屋の惨状を一瞥しただけでざっと理解してくれたみたいだ。
「ああ、見ての通りだよ。早いとこ手を貸してくれ」
こういうとき、以心伝心の利く、付き合いの長い幼馴染という存在は助かる。
「うんうん、分かっているよ、荒野。さてさて伊織ちゃん。ボクの荒野になんてうらやま……じゃなくて、恥ずかしい目に遭わせてくれたね」
紅葉がベッドを足場にして部屋に踏み入ってくる。こういうのは子供の頃から窓を渡って、互いの部屋に出入りしてきた幼馴染ゆえの特権だ。
「な、なによ! やる気?」
形勢が不利になったことで焦った伊織が、俺を盾にするように背中に隠れる。
「さあて、それじゃ――覚悟してもらおうか!」
ベッドを踏み台にして紅葉が跳んだ。天井ギリギリまでの高さから、アクロバティックな空中回転を描いて俺の目の前に着地する。
よし! これで紅葉が伊織を取り押さえてくれるなり、俺を縛っている縄を解くなりしてくれれば、一気に形勢逆転し……て、
「へ?」
間の抜けた声が俺の口からもれた。紅葉はターゲットとして伊織を捕らえるでもなく、縄を解くでもなく、いきなり俺のスカートをめくり上げたからだ。
一瞬、時間が停止したかのように感じた。
紅葉が手放すと、スカートがフワリと元に戻る。
紅葉はしゃがみ込んだまま動こうとせず、どこか沈痛な面持ちと非常に落胆した声色で……。
「……男物の、トランクスのままでした」
「違ってたらどうだってんだ!」
縛られた両足で放った蹴りが、紅葉の顔面を直撃した。
ムギュゥ!
「――――ッ!!?」
伊織がこともなげに俺の身体の、胸を右手で揉みし抱いた瞬間――――これまで経験したことのない刺激が身体を貫いた。
男だったら身体の一部を触られたに過ぎなかったのに、なのに……触れられた場所から雷みたいな未知の感覚が襲ってくる。
「なんでも突然女に性別が変わっちゃった男はさ、最初に自分の胸を揉んで自分が女になったことを知るのが黄金パターンらしいわね。あなたは縛られていて、自分で揉めないみたいだからあたしが揉んであげたけど、これで現実を認識できたかしら?」
揉み揉みと、俺の胸をこね回し続ける伊織。
その容赦ない手の動きに反応して、呼吸が勝手に合わせはじめる。
空気が抜けるように、全身から力も抜けて、喉の奥から変な声が零れそうになるのを必死で飲み込む。
疼きを抑えようとして身体を強張らせるが、それが余計に胸の感覚を意識して感じ取ってしまう。
「もし、正直に話してくれるんなら、すぐに元の身体に戻してあげるんだけどなー。悪い条件じゃないでしょ? ……というか、他に選択肢なんて無いと思うんだけど?」
執拗なまでに胸だけを集中的に揉み上げてくる伊織の手は、絞るように、潰すように、乱暴極まりないというのに。体は更に熱く、痛いはずなのに……キュッと、大切な何かを捻られているような感覚が、深くて知らない部分から溢れてくる。
「それにしても……どうして性別が変わったくせに、男から女になったクセして、あたしより大きいのよ! 不公平よ! 偽物なのに、本物よりも立派だなんて……なんで無転換者のあたしが劣等感を感じなきゃならないのよ!」
伊織はさらに乱暴に胸を揉み続ける。伊織の瞳は涙目になっており、顔は羞恥とも怒りとも知れない興奮状態で紅潮していた。
「い、いいかげんに、し……ろ……」
とても男だったと思えない少女の声が自身の口から零れ落ちる。
身体も暖かくなってきて、昂ぶりが止められない。
まさか……この伊織から乱暴に胸を揉まれている行為そのものを、気持ちよいものだと身体が受け入れ始めているのか?
これは本気でヤバイ! このままだと、俺の身体はまったく違うモノに変えられてしまうと、瀕死になっている男としての自分が警笛を鳴らしていた。
はやく、なんとかしてこいつから逃げないと!
俺は縛られている体をくねらせて、伊織から逃れようと身をよじる。しかし、
「逃がさないわよ!」
伊織は寝技のごとく、足を絡めてきた。
「うふ、うふふふふふ。いったい、この肉袋にはナニが詰まっているのかしら? このまま絞り尽くしてしまえば、少しは小さくなってくれるのかな?」
駄目だこいつ……。すでに伊織は正気とは思えない目と笑みを浮かべていやがる。
そもそも当初の目的はどうなっているんだよ! 俺から何かを聞き出したかったんじゃないのか?
それを……人の胸を、ゴムボール使った握力トレーニングなんかと勘違いしてんのか――くぅッ!
喉の奥から、甘くてとろけた、自分ではない吐息があふれ出す。
「もう……これ以上は、たえ……ら……あぅ!」
このまま……俺は伊織にされるがまま揉まれ尽くされてしまうのか?
外からの刺激と、内側からの誘惑に挟まれて……限界が近づいていたそんなとき、
「ちょっと待ったあああああああ!」
突如として、第三者の声が割り込んできた。
俺と伊織が我に返って、声の聞こえた方向を見る。
部屋の窓が開け放たれ、はためくカーテンの向こうから風が吹きつけてくる。
その窓から身を乗り出して、部屋に侵入してきた人物は――。
「紅葉!」
幼馴染の庭咲紅葉であった。
学校から急いで帰ってきたのだろう。肩で息を切らし、相当疲労しているみたいだった。
「ぜえ……ぜえ……や、やあ、こう――ッて、えええええ! なになに? これってどういうこと! なんで伊織ちゃんが女装して、荒野が女の子になっているの!」
「あたしは女装じゃないわよ! どうして木枯くんが女になったことを一発で見抜いて、あたしが無転換者の女の子って見破れないのよ!」
伊織は本気でキレていた。
「お、お前……。運動部の人たちにお仕置きされてたんじゃ……」
「お仕置き? そういうプレイされているのは荒野の方じゃないかな? ねえねえ、ボクも混ざって良い?」
「「混ざんな!」」
俺と伊織が声を重ねて怒鳴ると、紅葉は愉快そうに笑った。
「キシシシ。冗談冗談。ちょっと運動部の練習や試合に付き合わされただけだよ。どれもサクッと終わらせてきたんだけど、その後で正式に部活に入ってくれって頼まれちゃって、断るのが大変だったよ」
両手の指よりずっと多い部活数だった気がしたけど……それをサクッと短時間で済ませてきたのか?
「……ところで、荒野。これはひょっとしてピンチってやつなのかな?」
紅葉は部屋の惨状を一瞥しただけでざっと理解してくれたみたいだ。
「ああ、見ての通りだよ。早いとこ手を貸してくれ」
こういうとき、以心伝心の利く、付き合いの長い幼馴染という存在は助かる。
「うんうん、分かっているよ、荒野。さてさて伊織ちゃん。ボクの荒野になんてうらやま……じゃなくて、恥ずかしい目に遭わせてくれたね」
紅葉がベッドを足場にして部屋に踏み入ってくる。こういうのは子供の頃から窓を渡って、互いの部屋に出入りしてきた幼馴染ゆえの特権だ。
「な、なによ! やる気?」
形勢が不利になったことで焦った伊織が、俺を盾にするように背中に隠れる。
「さあて、それじゃ――覚悟してもらおうか!」
ベッドを踏み台にして紅葉が跳んだ。天井ギリギリまでの高さから、アクロバティックな空中回転を描いて俺の目の前に着地する。
よし! これで紅葉が伊織を取り押さえてくれるなり、俺を縛っている縄を解くなりしてくれれば、一気に形勢逆転し……て、
「へ?」
間の抜けた声が俺の口からもれた。紅葉はターゲットとして伊織を捕らえるでもなく、縄を解くでもなく、いきなり俺のスカートをめくり上げたからだ。
一瞬、時間が停止したかのように感じた。
紅葉が手放すと、スカートがフワリと元に戻る。
紅葉はしゃがみ込んだまま動こうとせず、どこか沈痛な面持ちと非常に落胆した声色で……。
「……男物の、トランクスのままでした」
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