とあるTSFによってアンチの日常は終了してしまいました。

型抜久遠

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TSレベル【1】

24.反転者(真)×反転者(?) 後編

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24.反転者(真)×反転者(?) 後編

「――――んなあぁッ!?」

 理解……してしまった。
 男とか女とかいう間隔がずっとマヒしていたせいか、王道とも言える次の展開へのワンステップに繋がってしまった。

 紅葉は俺の狼狽ぶりに満足したのか、さらにいやらしさを増し増しにさせた笑みを浮かべながら更なる煩悩のギアチェンジを行っていた。

「だよね! 興味あるよね? なんたって荒野はつい最近まで真っ当な無転換者の男の子だったんだもんね! よかった、ちゃんと女の子の身体を意識してくれているままでホッとしたよ。反転者期間が長くなると、その辺のドキワク感が希薄になってしまうからね。で、それでそれで、昨夜あたりはベッドの上でどこまで試したのかな? ホレホレ、照れずに幼馴染であるボクに洗いざらい話してみせなよ!」
「――バ、バカヤロー!」

 ナニを試すのかというのを、思春期の想像力が活発に活動を開始してしまう。

「あ、もしかして……色々と試しちゃっているボクを想像しちゃったのかな? もう、荒野のえっちー!」

 ポッと頬を染め上げ、勝手に身悶えているかつて男であった幼馴染の姿がそこにあった。

「大丈夫だよ。女の子の身体でも、それは自分自身の身体であることに変わりは無いんだから、多少ハードなことしても、モラル的にオールグリーンなんだよ!」
「プ、プライド的にはレッドゾーンだ! ひ、人がどう反応していいか困っているのに好き勝手言いやがって! だいたい、こちとらこんな身体になって二十四時間も経っていないうえ、伊織が滅茶苦茶にした部屋の片付けや、向日葵の壊した家の修繕を済ませて、夜はそのままバッタンキューだ! んなナニしている暇なんぞあったもんじゃねえよ!」

 などと顔面を真っ赤にして弁明すると、紅葉はあからさまにガッカリとしていた。

「もう、荒野ったら。せっかく女の子の身体になったんだから、もっと素直に戸惑ったり、はっちゃけたりすればいいのに……。ボクが女の子になったばかりの頃なんて、毎日がどっきどきワックワクの連続だったんだよ」

 脳内にあるおピンク妄想を、そのまま表情に変換させる紅葉。

「……別に動揺してないわけじゃない。すでに変化した性別で三年経っている連中が順応している世の中なのに、俺だけあたふたしてたら目立つだろ」

 そもそもこっちは伊織がワクチン完成させるまでの期間限定のつもりなんだ。
 そういった救いの可能性がある分、紅葉たち他の反転者とは初期の気構えが異なっているわけなのか?

「なーるほろ。……でもさ、それってボク的には少しつまらないかもなー」

 そう告げた紅葉は悪戯っぽい舌なめずりをした。

「どういうことだよ?」
「つまり、風で回ってくれない風車は眺めていてもつまらないじゃん。だったらさ、直接突っついて動いてもらおうってことだよ」

 意図を理解して、俺の背中にゾゾゾゾっと悪寒が奔る。身の危険を感知して逃げようとしたが、すでに紅葉は蛇のように俺の懐へとにじり寄っていた。

「お、おい! 分かっているよな? 俺はこんな身体になっても、中身は男なんだからな!?」

 紅葉から距離を取ろうにも、背後のフェンスに阻まれてしまう。

「キシシシ。ボク、前にも言ったよね。身体さえ女の子していれば、それだけでボクの射程範囲なんだって――――はい、スキアリ☆」
「え……ええええええええッ!???」

 いったいどんな手品使ったんだこいつ!

 紅葉が俺の制服に触れた途端、胸に巻かれていたサラシが解けてしまった。
 圧迫から解放された胸部は一瞬で、シャツの内側から、ボタンごとはち切れんばかりに大きく膨張を起こしてしまう。

「わー……。すごいよ荒野。『ボン!』ってなったよ! まるで漫画みたいだよ」

 にやけた幼馴染にスペクタクルな感想を述べられ、俺は羞恥で顔が真っ赤なっていた。

「これが女の子になったばかりな荒野のお胸かい。おっきくて、柔らかそうで、揉みがいがありそうなお餅ちゃんだ。実にボク好みだよ」
「揉むって……おい、まさか!」

 紅葉の手がワキワキといやらしげな手つきで迫る。

 俺は無意識に男のそれとは異なる本能に身を任せるようにして、反射的に両の手で胸部のガードを試みる。

 だが、僅かに一手遅し。

 紅葉の両手は俺のガードなどスルリとかいくぐり、シャツが胸によって浮き上がっている、おへそが露わになっている下段から、急上昇するように軌道を変えてシャツの内側へと侵入。
 そのまま、紅葉は迷い無く………直に、胸を、強引にわしづかみしてきた。

「――――ッ!???」

 瞬間、強烈な感覚が全身を奔り抜ける。
 手の平から爪先まで。痛みとも痺れとも違う、紅葉の掌から放出されたの如き電流みたいな未知の感覚は、肉体の全神経に浸透していった。

「ふむふむふーむ。見た目通りの柔らかさだよ。サイズ的にはボクと同じくらいかな?」

 紅葉は指の隙間から溢れんばかりのスペックをした胸を、柔らかな弾力を堪能しながら揉みほぐしつつ、そんな感想を述べる。

「ふざけんな! 俺は〝男〟なんだぞ! たとえ、反転者の女になったとしても、心は無転換者の男子のままなんだから、こんな冗談めいたことしたって……」
「でも、今、ボクの目の前にいる荒野の〝身体〟は女の子だよ。可愛い可愛い、待ちに待ってたボク好みのヒロインなんだよ」
「ギャルゲー脳を現実で語るな!」
「いいじゃん、減るもんじゃないんだし。荒野だってボクの胸を何度も触っていたでしょ?」
「お、お前が無理矢理さわらせ――きゃひん!?」

 不意に、自分自身の口から甘い声がこぼれた。

 あれ……なんだこれ?
 昨日、伊織の奴にも胸揉まれていたけど、あの時とはまったく別物だった。
 伊織が八つ当たり気味に胸を揉み砕こうとしていた時には苦痛もセットになっていた。
 対して紅葉はというと、指先からの刺激は針のように、的確に急所となる一点を責めて快感を与えに来ている。
 伊織がパワーであるとするなら、紅葉はテクニカルと言うべきか、あきらかにこいつ……手慣れていやがる!

「どうだい荒野。女の子の身体って気持ちいいでしょ?」
「そんなわけ――くはぁん! ……な、ないだろ!」

 平静を装いながら強がってみせるが、紅葉はキシシシと意地悪く笑っている。

「嘘ついてもダーメだよ。ボクには、今の荒野がどんな状態になっているのか、まるっと全部お見通しなんだよ。荒野は口では否定しているけど、なんの免疫も持っていない〝成り立て〟の身体は正直さんなのだ。ほら、ここなんて弄っちゃうと……」
「――――――ッ!!!?」

 瞬間、声にならない声が身体の奥底から込み上げられ、弾けるようにビクンと全身が答えてしまう。

「いいねいいね、やっぱり女の子になったばかりだから新鮮な反応が初々しいよ。なんだかこっちまで〝思い出して〟しまいそうだよ」
「な、なに言ってるんだ……。こんなの、ぜんぜ――ふぁあん!」
「全然、なーに? 荒野、女の反転者になってから3年間を過ごしてきたボクを舐めてもらっては困るよ」
「なんだ、と……」
「荒野が今、翻弄されっぱなしの気持ち良さはね……ボクはもう、3年前には経験済みなのさ」

 そう、現在進行形な反転者の女の子である紅葉が言った。

「だからね。これから荒野がどんな反応をしていくのか……どんな風に乱れて〝堕〟ちていくのか……今のボクには、手に取るように分かってしまえるのさ」

 反転者の紅葉は、花びらを一枚一枚剥がしていくみたいに、悩ましく、淫靡に、言葉と技でゆっくり俺を追いつめてくる。
 つまり……俺が今、体験しているような感覚を、紅葉は……この、女の子の身体を使って……その……。

「おやおや? ひょっとして今の荒野みたいにあられもなくなっているボクを想像しているのかい?」
「――ふ、ふざけるな! お前といい、伊織といい、どれだけ胸が好きなんだよ!」
「失礼だな。ボクが興味あるのは胸だけじゃないんだよ」
「嘘つけ!」
「本当だよ。たとえば……」

 紅葉は俺の胸で遊んでいた手を移動させ、ズボンの内部へ侵入させてきた。

「お、おいいい! なにやってんだバカ!」
「あー、やっぱりトランクスのままだ。駄目だよ、こーやー。これじゃ期待している紳士たちの夢が壊れてしまうよ」
「夢の前に俺が壊れそうだよアホ!」
「大丈夫だよ。同じ女の子になった反転者同士なんだし、恥ずかしいことなんてないんだよ」

 まったく大丈夫じゃないまま、満面の笑顔で下着を脱がそうとしてくる幼馴染。

「や、やめろ! おい、らめ……らめえええええええええええ!!!」

 俺は必死でズボンを掴むが、さっきまで女の子の感覚に翻弄されていたせいか、力が全然入らない。
 俺はこのまま、男としての最終防衛ラインと言っても過言ではないトランクスを、プライドごと白日の下に晒されてしまうのではないかと覚悟したとき――

「なにやってんのよあんたらああああああ!!!」

 突如として、稲妻の如き胴まわし回転蹴りを放つ人影が視界に割り込んできた。

「ギャフン!」

 顔面に踵を直撃させられた紅葉は、二昔ほど前のギャグ漫画的なセリフを残して、そのまま床をローリングしながらフェンスに激突する。

「まったく、人がちょっと目を離した隙に、さっそく木枯くんを取り込もうとするだなんて……やっぱり反転者って信用できないわね!」
「え……?」

 紅葉を蹴り飛ばした人物。それは無転換者の女の子である伊織だった。

 体育とは別人みたいな瞬発力を魅せた伊織の手にあるビニール袋。あれは購買でパンを買うと付いてくる袋なので、ついさっきまで伊織は飢えた狼群がる戦場にいたのだろう。
 そんな帰還兵の伊織は、呆気にとられている俺の頭をムンズと掴むと、その絶望的なまでに垂直を形作っている平たい胸に抱え込んだ。

「いいこと! こいつは、木枯くんは! この〝無転換者〟であるあたしが責任を持って元の男に戻すんだからね! 勝手にあんたたち反転者どもの仲間に引っ張り込むんじゃないわよ!」

 体半分がフェンスを突き破り『キュ~』と目を回している紅葉に向かって吠えてみせた。

 ……あれ? ひょっとして、助けられたのか?

 男に戻してやるという伊織の確かな遺志と宣言(※元はこいつのせいだが)と、ほのかに感じる女の子な香りによって、俺は徐々に冷静さを取り戻していく。

「い、おり……その……えっと……」

 お礼を言うべきか躊躇しつつ名前を口にする。
 だが、伊織はおよそ友好的とは言い難いキレ気味な瞳で俺を睨みつけると、

「あんたもなに好き勝手のされるがままになってんのよ!」

 そのまま――投げ捨てジャーマンスープレックスを放った。
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