社長の奴隷

星野しずく

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社長の奴隷.20

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 藤巻さん、スタイル抜群だし・・・、顔だって結構かわいいし・・・、何よりエロい・・・。

 信楽は自分の欲望と必死に闘いながら、何とかその日の撮影を終えた。



「どう、うまく撮れた?」

 服に着替えてきた美緒は、信楽が撮影した写真をパソコンでチェックする。

「うん、まあ、こんなもんかな。最初にしてはよく撮れてるんじゃない」

「は、はあ・・・、よかったです」

 信楽はすっかり汗だくになったあちこちを、ハンドタオルで拭った。



「じゃあ、さっそく新商品アップしちゃいましょう」

 美緒は撮影したばかりの商品画像をホームページにアップロードした。

「あれ?なんかちゃんと表示されない。何でかな」

 美緒はパソコンの詳しい仕組みは分からない。

 寛成が教えてくれた簡単なルーティン作業はできるが、一旦トラブルが起きたらお手上げだ。



「信楽君、ちょっと見てくれる?」

 寛成のいない今、美緒が頼りにできるのは、ここでもやはり信楽しかいない。

「ちょっと、席変わってもらえますか」

 信楽は何やら難しい作業にとりかかり始めた。



 美緒は見ていても分からないので、作業が終わるまでの間、さっき届いた新商品のカタログを見ることにした。

 信楽はかなりの時間PCと格闘していたが、一向に作業が終了する気配がない。

 時刻はもうすぐ七時、信楽が上がる時間だ。



「う~ん、どうもウィルスに感染してるっぽいですね」

「え~っ、私何か変なことしちゃったのかな」

「いや、写真をアップしただけだから、藤巻さんがやったわけじゃないと思う。でも、今のところ原因が分からない。参ったな、このままウェブショップをオープンしてると、うちのサイトにアクセスしてきたお客さんの個人情報が盗まれちゃうかもしれない」

「そんなぁ~、どうしよう社長もいないのに。どうすればいいの~」

 美緒は既に半泣き状態だ。



「とりあえず、一旦お店を臨時休業にしますね」

「うん・・・」

 信楽はテキパキと作業をこなしていった。

「それで、ウィルススキャンして、駆除します」

「えっと、だけど、信楽君、もう帰る時間だよ」

「いいですよ、緊急事態なんですから」

「信楽君、バイトなのに、残業させちゃってゴメンなさい。私ができたらよかったのに。あの、ちゃんと、残業代は払うからね」

「大丈夫ですよ、疑ってませんから」



 美緒はただじっと待つことしかできない自分が情けない。

 私が社員なのに・・・。

 バイトの信楽君がいなかったら、どうなってたことか分からない。

 信楽君はそれから約一時間ほどかけて、無事ウィルスを駆除し、ホームページは元通りの状態に戻った。



「あ、ありがとう!!信楽君!信楽君がいなかったらどうなってたかと思うと、本当に不安で・・・」

 美緒は涙ぐんでいる。

「いいですよ、このくらい。よくあることです」

「そ、そうなの?」

 美緒は自分のPCを持っていないため、そういうことはよく分からない。

 時刻はすでに八時を回っていた。



「あ、あの、よかったら家でご飯食べてく?」

「え、いいんですか?」

「うん、今日のお礼。私、そんなことくらいしかできないから。だけど、お料理そんなに得意じゃないから、あんまり期待しないでね」

「い、いえ、そんな。お招きいただけるだけで、嬉しいです」

 信楽は本当にそう思っていた。

 二人はオフィスの電気を消して施錠すると、そのまま狭い階段をあがり、美緒の住む部屋へと向かった。
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