ヤンチャな御曹司の恋愛事情

星野しずく

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御曹司のやんごとなき恋愛事情.16

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「それから、あの女、栗本はいったいどういう素性の女だ」

「お気に召しませんでしたか?」

 すっかり手玉に取られ、あっけなくいかされたなどとは口が裂けても言えない。



「俺が聞いてるのは素性だ!」

「最年少で銀座のクラブのナンバーワンになった女性です。坊ちゃんのためにヘッドハンティングしました」

「ぎ、銀座のクラブのママを俺の秘書に?」

「頭も切れますし、容姿も申し分ありませんでしょ」

 それにあっちの方も素晴らしくて言うことなしのはず・・・。



「お、俺はお前がいいんだ」

「それはありがたいお言葉ですが、社長との約束もありますので」

 そういう大人の事情を振りかざされては反論の余地がなくなる。



「優子、俺は女としてお前のことを愛してる。だから、俺から離れるな」

「そう言われましても・・・。私は、伊波と・・・」

「だから、あいつは俺がぶっ潰してやるって言ってるだろう!!」



「いえ、私から彼に交際を申し込んだんです」

「な、何で・・・」

 嘘だ・・・。

 優子は嘘を言っている。

 優子が愛してるのは俺だ!



「彼と一緒に暮らす予定で、今、家を探しています」

「バ、バッカじゃないのか?お前、自分の言ってること分かってるのかよ!」

「分かっているつもりです」

 優子は顔色を変えることはない。



「優子!お前はずっと、俺のこと何とも思ってなかったのか?あんなに長い間そばにいて、嫌という程愛し合ったのに?」

 俊介は優子に詰め寄った。

「そ、それは・・・。坊ちゃんは可愛くていらっしゃいました・・・」



「嫌だ!俺は絶対諦めないからな!お前がどういうつもりでそんな嘘をついてるのか知らないけど、何をしたって俺の気持ちを止めることは出来ないってことを覚えとけよ」

 俊介は優子に無理やりキスをした。

「んんっ、い、嫌です!・・・や、やめ・・・んんっ!」

 突然頬に痛みが走った。



「坊ちゃん・・・。もうこういうことは終わりにしましょう。社長になるという自覚を持ってください」

「自覚ならとっくの昔にあるさ!それとお前と別れるのとどういう関係があるんだ。説明しろよ!」

「伊波さんとは結婚の約束をしています。私は本気です。坊ちゃんに私の人生の邪魔をする権利はありません!」

「嘘だ!優子が愛してるのは俺だ!」

「だったら、伊波に電話をして確認しますか?」

 優子は俊介の前に自分のスマホを差し出した。



「お、俺は、信じないからな!絶対優子のことを取り戻す!」

 俊介は優子の部屋を飛び出すと路肩に停めておいた車に飛び乗った。

 そのまま帰る気になどとてもなれなくて、高速に乗ると思いきり車を飛ばした。
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