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御曹司のやんごとなき恋愛事情.71
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「海外視察もあっという間だったな・・・」
「そうでございますね」
一方の俊介もアメリカから帰国してからというもの、あまり仕事に身が入らない。
これからの自分の未来が分かりすぎていて、まったく面白味がないからだ。
もちろん一番面白くないのは、優子が伊波と一緒に暮らしていることだけれど・・・。
「なあ、栗本君・・・、俺、社長に向いてると思う?」
「どうでしょうか・・・。そういうものは、段々とそれらしくなっていくのではないでしょうか」
賢い栗本の言うことはもっともだと思う。
俊介は、このままだと、自分は社長になり、優子は専務あたりに落ち着き、それこそ実生活の方も伊波と落ち着くのだと思うと、本当に自分の人生を生きている気がしないのだった。
親父には悪いが、優子が自分の妻というのが無理なら妾でも何でもいいから、とにかく自分のものにしたいのだ。
そうでなければ、社長になろうが、遺産ががっぽり入ろうが、そんなことは何の意味もなかった。
いくら人が羨もうとそんなことは関係ない。
自分の人生には、それくらい優子が大きな存在なのだから。
「社長はさ、やれって言われればやるよ?だけど、一度きりの人生なのにさ、後悔したくないんだよね」
「後悔ですか・・・?」
全ての事情を知っている栗本は、そんな風に言われては、『いい大人なんですから』などという簡単な言葉で片づけるわけにはいかなくなる。
俊介がどれほど優子のことを愛しているか、そばにいる栗本が一番よく分かっているのだから。
「俺さ・・・、社長になる前に一度優子とちゃんと話がしたいと思ってるんだ。だけど、あいつ社内では鬼みたいな顔して俺のこと寄せ付けないし、俺からの電話には絶対でないからさ。栗本君からうまいこと言って、食事の席を設けてもらえないかな」
「そうですね・・・、やってみましょう・・・」
栗本はいったいどうやって優子のことを口説いたのか分からないが、それから一週間もしないうちに、優子と夕食をする約束をとりつけることができた。
「優子はいつも忙しそうだな」
会社では鬼の様な形相(これは俊介の前だけの話なのだが)でいつも足早に目の前を通り過ぎる姿しか見たことがない。
「副社長はいつも余裕がおありで羨ましい限りです」
「嫌味かよ・・・」
「まあいい・・・。飯食いながら話そうぜ」
俊介はオーダーを済ませると、本題に入った。
「俺さ・・・、別に親父の跡をつぐのとか、嫌な訳じゃないんだ。社長っていう職業も向いてないわけじゃないと思う。だけどさ、どうしてもお前のこと考えちゃんだよ」
「副社長・・・」
「なんか、いよいよだなって思ったら、社長になるってことより、優子が俺のものにならないって事の方が俺にはショックでさ・・・。今さらかよって感じなんだけど・・・でも、本当なんだから仕方ないよな」
「そんなこと・・・、今さらおっしゃるなんてどういうおつもりですか?もう何もかも決まっているっていうのに・・・。そんな心構えで社長業が務まると・・・」
「あ~、やっぱいい。それ以上言わなくて。だけどさ、俺、優子が俺のものにならないなら、社長になっても生きてる意味ないなって最近思うんだ」
思いがけない真剣な告白に、優子は何と答えればいいのか分からない。
「副社長らしくありませんね・・・」
「だろ?俺、どうしちゃったんだろうな。らしくないよな~」
自分からそんなことを言うなんて、本当に俊介らしくない。
しかし、そんなことを聞かされた優子の胸は痛いほどに締め付けられる。
俊介が自分のことをそんなにも思ってくれている。
それは女としてこの上ない喜びだった。
だけど、そのせいで社長になることが無意味に思えてしまうとしたら自分はいったいどうすればいいのだろう・・・。
「そうでございますね」
一方の俊介もアメリカから帰国してからというもの、あまり仕事に身が入らない。
これからの自分の未来が分かりすぎていて、まったく面白味がないからだ。
もちろん一番面白くないのは、優子が伊波と一緒に暮らしていることだけれど・・・。
「なあ、栗本君・・・、俺、社長に向いてると思う?」
「どうでしょうか・・・。そういうものは、段々とそれらしくなっていくのではないでしょうか」
賢い栗本の言うことはもっともだと思う。
俊介は、このままだと、自分は社長になり、優子は専務あたりに落ち着き、それこそ実生活の方も伊波と落ち着くのだと思うと、本当に自分の人生を生きている気がしないのだった。
親父には悪いが、優子が自分の妻というのが無理なら妾でも何でもいいから、とにかく自分のものにしたいのだ。
そうでなければ、社長になろうが、遺産ががっぽり入ろうが、そんなことは何の意味もなかった。
いくら人が羨もうとそんなことは関係ない。
自分の人生には、それくらい優子が大きな存在なのだから。
「社長はさ、やれって言われればやるよ?だけど、一度きりの人生なのにさ、後悔したくないんだよね」
「後悔ですか・・・?」
全ての事情を知っている栗本は、そんな風に言われては、『いい大人なんですから』などという簡単な言葉で片づけるわけにはいかなくなる。
俊介がどれほど優子のことを愛しているか、そばにいる栗本が一番よく分かっているのだから。
「俺さ・・・、社長になる前に一度優子とちゃんと話がしたいと思ってるんだ。だけど、あいつ社内では鬼みたいな顔して俺のこと寄せ付けないし、俺からの電話には絶対でないからさ。栗本君からうまいこと言って、食事の席を設けてもらえないかな」
「そうですね・・・、やってみましょう・・・」
栗本はいったいどうやって優子のことを口説いたのか分からないが、それから一週間もしないうちに、優子と夕食をする約束をとりつけることができた。
「優子はいつも忙しそうだな」
会社では鬼の様な形相(これは俊介の前だけの話なのだが)でいつも足早に目の前を通り過ぎる姿しか見たことがない。
「副社長はいつも余裕がおありで羨ましい限りです」
「嫌味かよ・・・」
「まあいい・・・。飯食いながら話そうぜ」
俊介はオーダーを済ませると、本題に入った。
「俺さ・・・、別に親父の跡をつぐのとか、嫌な訳じゃないんだ。社長っていう職業も向いてないわけじゃないと思う。だけどさ、どうしてもお前のこと考えちゃんだよ」
「副社長・・・」
「なんか、いよいよだなって思ったら、社長になるってことより、優子が俺のものにならないって事の方が俺にはショックでさ・・・。今さらかよって感じなんだけど・・・でも、本当なんだから仕方ないよな」
「そんなこと・・・、今さらおっしゃるなんてどういうおつもりですか?もう何もかも決まっているっていうのに・・・。そんな心構えで社長業が務まると・・・」
「あ~、やっぱいい。それ以上言わなくて。だけどさ、俺、優子が俺のものにならないなら、社長になっても生きてる意味ないなって最近思うんだ」
思いがけない真剣な告白に、優子は何と答えればいいのか分からない。
「副社長らしくありませんね・・・」
「だろ?俺、どうしちゃったんだろうな。らしくないよな~」
自分からそんなことを言うなんて、本当に俊介らしくない。
しかし、そんなことを聞かされた優子の胸は痛いほどに締め付けられる。
俊介が自分のことをそんなにも思ってくれている。
それは女としてこの上ない喜びだった。
だけど、そのせいで社長になることが無意味に思えてしまうとしたら自分はいったいどうすればいいのだろう・・・。
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