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ケダモノのように愛して.11
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菊池先生は女子高にいたらかなりヤバいくらいのイケメンだ。
共学のおかげで女子の興味はまず男子生徒のイケメンに向かう。
そこからの脱落者が菊池先生のようなイケメン教師のファンへと流れていくのだ。
だから、菊池先生目的で写真部に入部する女子が毎年後をたたない。
しかし、菊池先生は本当に純粋に写真バカで、写真のこととなるとメチャクチャ厳しい。
そのせいで、菊池先生とのラブロマンスを期待して入部したふとどき者は一ヶ月もしないうちに幽霊部員となっていく。
「さてと、じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい。今日は夕飯一緒に食べられるから」
「うん、わかった」
母は母なりに咲那のことを気にかけてくれているのは分かっている。
ただ、母にはとっても好きなものが他にもあるだけなのだ…。
自転車を駐輪場にとめて、集合場所の駅前に行くと数人の生徒と菊池先生が立ち話をしていた。
「あ、咲那、おはよう」
「おはよう」
写真部の同じ学年では一番気の合う閏間ひなただ。
彼女の場合は入部する前から個人的に写真が趣味というガチ勢だったため、入部する動機も例の女子たちのような不純なものではない。
本気で大会の入賞を狙っている写真好きだ。
それに比べると、咲那はそこまで本気になれないなと思ってしまう…。
本気というのが難しいのだけれど、咲那も写真を撮ることは好きで、菊池先生の話を聞くのも好きだ。
「菊池先生おはようございます」
「おはよう。洋平先輩はまだ海外かい?」
「はい」
「そうか~。いいなあ、世界中を駆け回って、その最高の瞬間をフレームに納めるなんて」
菊池先生にとっては父洋平は雲の上の存在らしく、すぐに勝手な妄想が始まってしまうらしい。
「ちょっと、先生、もうすぐ電車来ちゃいますよ」
生徒にたしなめられ、菊池先生はみんなを集めると駅構内へと入っていった。
「今日は隣町の祭りの風景を取る予定だ。現地についたらグループに分かれて時間まで自由に摂ってくること。そのあと集合して駅で解散。プリントアウトは明日学校で行う」
「は~い」
隣町に到着すると、同じグループのひなたと一緒に撮影場所の確認をした。
先週あらかじめ神輿が巡回するルートは下見をしてある。
だけど、祭りの当日は観光客も大勢訪れる。
その観光客たちも風景の一部になるため、撮影場所を決めるにそういった確認も必要になってくる。
見ている人の邪魔にならないように、それでいて祭りの躍動感を感じられる写真を撮るための場所決めは真剣勝負だ。
こういう場合は大抵ひなたが主導権を握る。
彼女の野生の勘とも呼べるその判断力は的確で、誰もそれに反論することはない。
今日もひなたはここしかないという場所をしっかり見つけてくれた。
ひなたと咲那、そして同じく二年の竹中君と一年生の志垣君の4人はそこにスタンバイして神輿が来るのを待った。
もちろんその道すがら、それぞれ気になる被写体を見つけてはシャッターを切った。
いよいよ祭りが始まり、お囃子とともに神輿がどんどんこちらに迫ってきた。
みな一斉にシャッターを切る。
そのあとも次々と神輿が目の前を通り過ぎていった。
共学のおかげで女子の興味はまず男子生徒のイケメンに向かう。
そこからの脱落者が菊池先生のようなイケメン教師のファンへと流れていくのだ。
だから、菊池先生目的で写真部に入部する女子が毎年後をたたない。
しかし、菊池先生は本当に純粋に写真バカで、写真のこととなるとメチャクチャ厳しい。
そのせいで、菊池先生とのラブロマンスを期待して入部したふとどき者は一ヶ月もしないうちに幽霊部員となっていく。
「さてと、じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい。今日は夕飯一緒に食べられるから」
「うん、わかった」
母は母なりに咲那のことを気にかけてくれているのは分かっている。
ただ、母にはとっても好きなものが他にもあるだけなのだ…。
自転車を駐輪場にとめて、集合場所の駅前に行くと数人の生徒と菊池先生が立ち話をしていた。
「あ、咲那、おはよう」
「おはよう」
写真部の同じ学年では一番気の合う閏間ひなただ。
彼女の場合は入部する前から個人的に写真が趣味というガチ勢だったため、入部する動機も例の女子たちのような不純なものではない。
本気で大会の入賞を狙っている写真好きだ。
それに比べると、咲那はそこまで本気になれないなと思ってしまう…。
本気というのが難しいのだけれど、咲那も写真を撮ることは好きで、菊池先生の話を聞くのも好きだ。
「菊池先生おはようございます」
「おはよう。洋平先輩はまだ海外かい?」
「はい」
「そうか~。いいなあ、世界中を駆け回って、その最高の瞬間をフレームに納めるなんて」
菊池先生にとっては父洋平は雲の上の存在らしく、すぐに勝手な妄想が始まってしまうらしい。
「ちょっと、先生、もうすぐ電車来ちゃいますよ」
生徒にたしなめられ、菊池先生はみんなを集めると駅構内へと入っていった。
「今日は隣町の祭りの風景を取る予定だ。現地についたらグループに分かれて時間まで自由に摂ってくること。そのあと集合して駅で解散。プリントアウトは明日学校で行う」
「は~い」
隣町に到着すると、同じグループのひなたと一緒に撮影場所の確認をした。
先週あらかじめ神輿が巡回するルートは下見をしてある。
だけど、祭りの当日は観光客も大勢訪れる。
その観光客たちも風景の一部になるため、撮影場所を決めるにそういった確認も必要になってくる。
見ている人の邪魔にならないように、それでいて祭りの躍動感を感じられる写真を撮るための場所決めは真剣勝負だ。
こういう場合は大抵ひなたが主導権を握る。
彼女の野生の勘とも呼べるその判断力は的確で、誰もそれに反論することはない。
今日もひなたはここしかないという場所をしっかり見つけてくれた。
ひなたと咲那、そして同じく二年の竹中君と一年生の志垣君の4人はそこにスタンバイして神輿が来るのを待った。
もちろんその道すがら、それぞれ気になる被写体を見つけてはシャッターを切った。
いよいよ祭りが始まり、お囃子とともに神輿がどんどんこちらに迫ってきた。
みな一斉にシャッターを切る。
そのあとも次々と神輿が目の前を通り過ぎていった。
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