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ケダモノのように愛して.43
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ケンカが強いと聞いて、まりあはの頭の中には別の不安が持ちあがる。
桔平は夫洋平の弟だから、よく知っている。
しかしその友人である銀次とは個人的な付き合いはない…。
だから、そういう人たちに任せていいものかと思うのは当然のことだ。
咲那は、そんなまりあの不安げな表情を見ておかしくなってしまった。
「ねえ、お母さん。ケンカが強いって聞いて、ヤンキーだとか暴走族だとかを想像してない?」
「べ、別にそんなことは…」
母親なのに娘にそんな風に見透かされるのは情けない。
「そういうんじゃなくて、消防士とか、大工さんとか、道場の師範とかそういう系。あと、料理人も結構肉体労働だからみんな力強いんだよ」
「そ、そういうお仕事の人たちのことなのね…。だけど、そう言ったって、やっぱり警察みたいに訓練を受けてる訳じゃないんだから、たとえば水谷くんっていう子が何か武器みたいなもの持ってたらどうなるんだろうって…。もう心配しはじめたらきりがないわ」
そう言えば今日もスタンガンみたいなの持ってたな…。
でも、それは言わないでおこう。
お母さん絶対に心配するし…。
でも、咲那は桔平たちならきっと自分を守ってくれると信じている。
桔平と銀次さんのお店に行くと、銀次さんの人柄を慕って今言った仲間たちが集まっていることが多い。
みんな体育会系だけど優しい人たちばかりだ。
正義感もすごく強い。
銀次さんが水谷くんを犯罪者にしたくないという思いにみんな賛同してくれたのだろうと思うと、自分が狙われているにも関わらず、咲那もその計画に参加している様な感覚になってしまう。
「お母さん、とにかく明日一日やってみよう。それで水谷くんが犯罪者にならずにすんだら立派な人助けだよ」
「それは分かってる。だけど、私は咲那の母親だもの。あ~仕事休みたい。もう、こういう時に私の代わりがいたらいいのに」
まりあは経営者であり責任者であるという立場から、そこで働く人たちに対して常に責任がある。
「やっぱり今から恒川君に電話して事情を話してやすもうかしら…」
まりあの頭の中では不安が勝手に増大してしまっているようだ。
「お母さん、私のこと心配してくれるのは嬉しいよ。でもお母さんが仕事休んで、私のこと守ろうとしても水谷くんからは守れないよ。相手は大人の男の人なんだから。だから、お母さんは仕事に行って。家にいたってずっと心配することしか出来ないんだから、気が変になっちゃうよ」
「そ、そうね…。ちょっと気が動転してるのね。桔平君に任せておけば大丈夫よね」
口ではそう言ってもやはり100%納得できたわけじゃない…。
だが、それはたとえ警察に通報しても同じだろうとまりあは思った。
こんな時、やっぱり夫の洋平がそばにいてくれた多と思う。
「咲那、皆さんが守ってくれるのは分かったけど、あなたもよく注意してね。おかしなことがあったらすぐに近くにいる人に助けを求めるのよ」
「分かってるって。母さんがあんまりそういうこと言うから、余計に怖くなってきちゃったじゃん」
「ごめん、そうだよね」
だからと言って、きっと大丈夫だよとはやはり言えなかった。
「なんだか疲れたわ…。今日はもう早く寝ましょう」
「そうだね…。私も疲れた」
咲那の場合、水谷さんのことより、桔平とのセックスで疲れたのだけれど、そんなことは口が裂けても言えない。
それぞれ疲れた理由は違うけれど、眠れない夜を過ごすことなく深い眠りに落ちていった。
桔平は夫洋平の弟だから、よく知っている。
しかしその友人である銀次とは個人的な付き合いはない…。
だから、そういう人たちに任せていいものかと思うのは当然のことだ。
咲那は、そんなまりあの不安げな表情を見ておかしくなってしまった。
「ねえ、お母さん。ケンカが強いって聞いて、ヤンキーだとか暴走族だとかを想像してない?」
「べ、別にそんなことは…」
母親なのに娘にそんな風に見透かされるのは情けない。
「そういうんじゃなくて、消防士とか、大工さんとか、道場の師範とかそういう系。あと、料理人も結構肉体労働だからみんな力強いんだよ」
「そ、そういうお仕事の人たちのことなのね…。だけど、そう言ったって、やっぱり警察みたいに訓練を受けてる訳じゃないんだから、たとえば水谷くんっていう子が何か武器みたいなもの持ってたらどうなるんだろうって…。もう心配しはじめたらきりがないわ」
そう言えば今日もスタンガンみたいなの持ってたな…。
でも、それは言わないでおこう。
お母さん絶対に心配するし…。
でも、咲那は桔平たちならきっと自分を守ってくれると信じている。
桔平と銀次さんのお店に行くと、銀次さんの人柄を慕って今言った仲間たちが集まっていることが多い。
みんな体育会系だけど優しい人たちばかりだ。
正義感もすごく強い。
銀次さんが水谷くんを犯罪者にしたくないという思いにみんな賛同してくれたのだろうと思うと、自分が狙われているにも関わらず、咲那もその計画に参加している様な感覚になってしまう。
「お母さん、とにかく明日一日やってみよう。それで水谷くんが犯罪者にならずにすんだら立派な人助けだよ」
「それは分かってる。だけど、私は咲那の母親だもの。あ~仕事休みたい。もう、こういう時に私の代わりがいたらいいのに」
まりあは経営者であり責任者であるという立場から、そこで働く人たちに対して常に責任がある。
「やっぱり今から恒川君に電話して事情を話してやすもうかしら…」
まりあの頭の中では不安が勝手に増大してしまっているようだ。
「お母さん、私のこと心配してくれるのは嬉しいよ。でもお母さんが仕事休んで、私のこと守ろうとしても水谷くんからは守れないよ。相手は大人の男の人なんだから。だから、お母さんは仕事に行って。家にいたってずっと心配することしか出来ないんだから、気が変になっちゃうよ」
「そ、そうね…。ちょっと気が動転してるのね。桔平君に任せておけば大丈夫よね」
口ではそう言ってもやはり100%納得できたわけじゃない…。
だが、それはたとえ警察に通報しても同じだろうとまりあは思った。
こんな時、やっぱり夫の洋平がそばにいてくれた多と思う。
「咲那、皆さんが守ってくれるのは分かったけど、あなたもよく注意してね。おかしなことがあったらすぐに近くにいる人に助けを求めるのよ」
「分かってるって。母さんがあんまりそういうこと言うから、余計に怖くなってきちゃったじゃん」
「ごめん、そうだよね」
だからと言って、きっと大丈夫だよとはやはり言えなかった。
「なんだか疲れたわ…。今日はもう早く寝ましょう」
「そうだね…。私も疲れた」
咲那の場合、水谷さんのことより、桔平とのセックスで疲れたのだけれど、そんなことは口が裂けても言えない。
それぞれ疲れた理由は違うけれど、眠れない夜を過ごすことなく深い眠りに落ちていった。
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