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ケダモノのように愛して.75
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「今から桔平の所へ行こう。咲那も一緒に」
「うん…」
頼んでもいないのに、洋平が動いてくれたことに、咲那は内心期待していた。
自分が行っても桔平は相手にしてくれないことは分かっている。
だけど、洋平が行けばそういう訳にはいかなくなるだろう。
ズルいかもしれない。
でも、桔平を繋ぎとめるためなら何だってする。
洋平の車で桔平の家にはあっという間に到着した。
いつも気軽に訪れている桔平の家が、今日は何だか違う家の様に感じられる。
お父さんはいったい何て言うんだろう。
ただ、自分の気持ちと、桔平とセックスをしたことを伝えただけでここへ来てしまった。
「桔平、入るぞ~」
洋平と咲那が家の中に入ると、桔平はリビングのソファでうたた寝中だった。
「ん?兄貴…、咲那も一緒か。そこ、座れよ」
桔平はむっくりと起き上がると、お茶でも入れるつもりなのか、キッチンに向かってフラフラと歩き始めた。
「いいから、お前も座れ」
洋平の雰囲気がいつもと違うことに桔平はまだ気づいていない様だ。
「なんだよ、ひとんちに来て座れって」
ブツブツ言いながらも、桔平は言われるままにソファに腰をおろした。
「咲那から全部聞いた…」
洋平は前置きもなく、いきなり核心へと話を進めた。
「全部って何を」
「お前たちが、その…、身体の関係があるってことだ」
「な、なんだよそれ…」
寝ぼけた脳みそに降って湧いたような話をされて、桔平の答えは意味不明なものになる。
「おまけに、咲那はお前のことが好きだそうだ」
「咲那、お前…」
桔平は嫌でも目を覚まさざるを得ない状況に追い込まれた。
「どうりでおかしいと思ったんだよ。お前みたいな引きこもり画家が、海外に行きたいだなんて」
「そ、それは別に…」
「別にじゃないだろう…、むしろそれしか理由がないだろう」
このまま二人の話をただ見守っていればいいのだろうか。
それすら咲那には分からなかった。
ただ、自分が何か言ってもまるで相手にしてくれなかった桔平も、洋平につかまってはそういう訳にはいかないことだけは確かだった。
「俺なりに真剣に考えた結果だ」
「咲那はどうするんだ。こいつは真剣だぞ」
「そ、それは…」
桔平は、まだ身体の関係のことも認めた訳じゃない。
それに咲那が桔平に自分の気持ちを直接伝えたことすら無い。
それなのに、この状況って飛躍し過ぎだろ…。
だけど、咲那の父親である洋平にそんなことが通用するはずもなくて…。
「あとは二人で話せ」
そう言うと、洋平は一人で家に帰ってしまった。
「うん…」
頼んでもいないのに、洋平が動いてくれたことに、咲那は内心期待していた。
自分が行っても桔平は相手にしてくれないことは分かっている。
だけど、洋平が行けばそういう訳にはいかなくなるだろう。
ズルいかもしれない。
でも、桔平を繋ぎとめるためなら何だってする。
洋平の車で桔平の家にはあっという間に到着した。
いつも気軽に訪れている桔平の家が、今日は何だか違う家の様に感じられる。
お父さんはいったい何て言うんだろう。
ただ、自分の気持ちと、桔平とセックスをしたことを伝えただけでここへ来てしまった。
「桔平、入るぞ~」
洋平と咲那が家の中に入ると、桔平はリビングのソファでうたた寝中だった。
「ん?兄貴…、咲那も一緒か。そこ、座れよ」
桔平はむっくりと起き上がると、お茶でも入れるつもりなのか、キッチンに向かってフラフラと歩き始めた。
「いいから、お前も座れ」
洋平の雰囲気がいつもと違うことに桔平はまだ気づいていない様だ。
「なんだよ、ひとんちに来て座れって」
ブツブツ言いながらも、桔平は言われるままにソファに腰をおろした。
「咲那から全部聞いた…」
洋平は前置きもなく、いきなり核心へと話を進めた。
「全部って何を」
「お前たちが、その…、身体の関係があるってことだ」
「な、なんだよそれ…」
寝ぼけた脳みそに降って湧いたような話をされて、桔平の答えは意味不明なものになる。
「おまけに、咲那はお前のことが好きだそうだ」
「咲那、お前…」
桔平は嫌でも目を覚まさざるを得ない状況に追い込まれた。
「どうりでおかしいと思ったんだよ。お前みたいな引きこもり画家が、海外に行きたいだなんて」
「そ、それは別に…」
「別にじゃないだろう…、むしろそれしか理由がないだろう」
このまま二人の話をただ見守っていればいいのだろうか。
それすら咲那には分からなかった。
ただ、自分が何か言ってもまるで相手にしてくれなかった桔平も、洋平につかまってはそういう訳にはいかないことだけは確かだった。
「俺なりに真剣に考えた結果だ」
「咲那はどうするんだ。こいつは真剣だぞ」
「そ、それは…」
桔平は、まだ身体の関係のことも認めた訳じゃない。
それに咲那が桔平に自分の気持ちを直接伝えたことすら無い。
それなのに、この状況って飛躍し過ぎだろ…。
だけど、咲那の父親である洋平にそんなことが通用するはずもなくて…。
「あとは二人で話せ」
そう言うと、洋平は一人で家に帰ってしまった。
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