ケダモノのように愛して

星野しずく

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ケダモノのように愛して.81

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「桔平…好き…」

「そうか…」

 それ以上は言ってくれないの?

 こんなに優しく抱いておいて…。



「桔平…本当に行っちゃうの…?」

「たぶん…」

 最後までハッキリしたことは何も言わないつもり?



「私…、諦めないよ」

「何?」

「だから、桔平のこと」

「バカ…俺なんかやめておけ」



 桔平はまだ優しい表情のまま、沙耶の髪を撫でている。

 言ってることと、やってることがちぐはぐだ。



「どうせ口だけって思ってるんでしょ」

「さあな…」

 あくまでとぼけて、まともに取り合わないつもりのようだ。



「私、お父さんの子だからね。どこへだって行っちゃうんだから」

「何言って…」

「高校卒業したら、桔平のところへ行くから」

「バカなこと言うんじゃない、それじゃあ何のために俺が…」

 桔平はそのまま黙り込んでしまった。



「何のために俺がって…、やっぱり無理に行こうとしてるんでしょ」

 桔平はこうなるのが嫌で、会話を拒んでいたのだろう。

 高校生とは言え、女の子は口が達者だ。

 それ比べて男であることに加え、桔平は口よりは行動で、いや絵描きなのだからそういったもので感情を表現するタイプなのだ。



「もう観念しなよ。私、蛇みたいにしつこいんだからね」

 桔平はふぅ~っと深いため息をついた。

「逃がしてくれないのか…」

「逃がさない」

「じゃあ仕方ないか…」
 


 そう言うと、桔平は再び咲那のことを強く抱きしめて、キスをした。

 額に、鼻先に、ほっぺに、そして唇に…。

 愛しむような優しいキスを…。

 そして、ベッドの上で咲那の身体を横向きにすると後ろから抱きしめた。

 咲那のお尻の辺りに桔平の熱いものを感じて、咲那の身体は再び温度を上げる。



「ねえ、もう一回いい?」

 言うが早いか、桔平の先端が咲那の中に侵入してきた。

「き、桔平?」

 答えを待つことなく、桔平は腰を動かし始める。



「やっ、桔平…、まだ…、話てる…のに、あっ、ああん…」

「だって、我慢できない…」

 耳元でそんなことを囁かれたら、咲那は言いなりになるしかない。

 感じやすい乳房をいじられながら、後ろから力強く腰を打ち付けられた。

 その間も、桔平の熱い吐息が、舌が、咲那の耳朶を、首筋を、肩先を愛撫し続ける。



「はああっ…、あっ、ああんっ…、あっ、あああっ…」

 交わったばかりのその場所は、まだ桔平の精液と咲那の蜜でぐしょぐしょだ。

 そこに再び挿入すれば、さっきにも増して卑猥な音を立てる。

 何とも言えない性交の淫靡な香りが、淫らな気持ちをより掻き立てる。
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