13 / 67
ホストと女医は診察室で.13
しおりを挟む
同じころ、聖夜は着信の音で目を覚ました。
なんだ、店からか?
スマホを手に取ると、そこに表示されている名前は母親の美也子だった。
「なに?」
「孝ちゃん?もう、やっと繋がったわ。いつも出てくれないんだもの」
「しょうがないだろ、仕事が忙しいんだよ」
「ねえ、来週家に帰って来られない?お父さんがうるさくって」
「またその話?俺が行ってどうなるの。和希がいるだろ」
「それがダメなのよ。やっぱりもう一度あなたに直接会って話さないと気が済まないらしいの」
「なんでだよ。和希は十分優秀だろ?親父の跡継ぎとして何の不足もないじゃないか」
「私も何度もそう言うんだけど、お父さんはあなたの野心的なところを買ってるのよ」
「もう、勘弁してくれよ。何度言われても俺の気持ちは変わらないから」
そう言うと聖夜は勝手に電話を切ってしまった。
電話の向こうで美也子が怒っているのが目に浮かぶが、いくら話しても話は平行線を辿るだけで時間の無駄だ。
聖夜の父親はコンサルティング会社を経営している。
聖夜と弟の和希は幼い頃から跡継ぎとして様々な教育を受けてきた。
しかし、先ほど母の美也子が言った様に聖夜はその自由を好む性格から、跡継ぎという道を拒絶してホストという職業を選んだ。
一方聖夜とは違い、慎重で従順な性格の和希は親の望む優秀な跡継ぎ候補に育った。
今年、聖夜は25歳、弟の和希は23歳になる。
和希はこの春大学を卒業し、今は父親のもとで勉強中といったところだ。
親の言うことをすんなりと聞く和希という存在がいるのに、なぜ父親の文則はいつまでも自分に執着するのか…。
聖夜には理解できない。
嫌な電話で起こされ、目覚めの悪かった聖夜は、くさくさした気持ちのまま店へと向かった。
「聖夜さん、聖夜さん!あの後どうなったんですか?」
真也はあのお堅い慶子がどうなったのか興味津々だ。
「野暮なこと聞くなよ」
「ええ~、それって、まさか…」
「うっせえな、俺に落ちない女なんていないってこと」
「ひゃ~、やっぱナンバーワンは違うっすね。どうやって口説いたんですか、ねえ、教えてくださいよ聖夜さ~ん」
「バ~カ、それは自分で考えてこそ意味があるの」
「ええ~、そんなケチくさいこと言わないで、ねえお願いしますよ」
「くだらないことしゃべってないで、お前、髪直して来いよ。何か今日ダサいぞ」
「え、マジっすか?おかしいな、いつもと同じにしたつもりなんだけどな」
真也はブツブツ言いながらバックに引っ込んだ。
「はぁ~…」
どいつもこいつも、俺を頼るんじゃないよ。
自分の道は自分で切り開いてきた聖夜からすると、そういう発想自体が信じられなかった。
なんだ、店からか?
スマホを手に取ると、そこに表示されている名前は母親の美也子だった。
「なに?」
「孝ちゃん?もう、やっと繋がったわ。いつも出てくれないんだもの」
「しょうがないだろ、仕事が忙しいんだよ」
「ねえ、来週家に帰って来られない?お父さんがうるさくって」
「またその話?俺が行ってどうなるの。和希がいるだろ」
「それがダメなのよ。やっぱりもう一度あなたに直接会って話さないと気が済まないらしいの」
「なんでだよ。和希は十分優秀だろ?親父の跡継ぎとして何の不足もないじゃないか」
「私も何度もそう言うんだけど、お父さんはあなたの野心的なところを買ってるのよ」
「もう、勘弁してくれよ。何度言われても俺の気持ちは変わらないから」
そう言うと聖夜は勝手に電話を切ってしまった。
電話の向こうで美也子が怒っているのが目に浮かぶが、いくら話しても話は平行線を辿るだけで時間の無駄だ。
聖夜の父親はコンサルティング会社を経営している。
聖夜と弟の和希は幼い頃から跡継ぎとして様々な教育を受けてきた。
しかし、先ほど母の美也子が言った様に聖夜はその自由を好む性格から、跡継ぎという道を拒絶してホストという職業を選んだ。
一方聖夜とは違い、慎重で従順な性格の和希は親の望む優秀な跡継ぎ候補に育った。
今年、聖夜は25歳、弟の和希は23歳になる。
和希はこの春大学を卒業し、今は父親のもとで勉強中といったところだ。
親の言うことをすんなりと聞く和希という存在がいるのに、なぜ父親の文則はいつまでも自分に執着するのか…。
聖夜には理解できない。
嫌な電話で起こされ、目覚めの悪かった聖夜は、くさくさした気持ちのまま店へと向かった。
「聖夜さん、聖夜さん!あの後どうなったんですか?」
真也はあのお堅い慶子がどうなったのか興味津々だ。
「野暮なこと聞くなよ」
「ええ~、それって、まさか…」
「うっせえな、俺に落ちない女なんていないってこと」
「ひゃ~、やっぱナンバーワンは違うっすね。どうやって口説いたんですか、ねえ、教えてくださいよ聖夜さ~ん」
「バ~カ、それは自分で考えてこそ意味があるの」
「ええ~、そんなケチくさいこと言わないで、ねえお願いしますよ」
「くだらないことしゃべってないで、お前、髪直して来いよ。何か今日ダサいぞ」
「え、マジっすか?おかしいな、いつもと同じにしたつもりなんだけどな」
真也はブツブツ言いながらバックに引っ込んだ。
「はぁ~…」
どいつもこいつも、俺を頼るんじゃないよ。
自分の道は自分で切り開いてきた聖夜からすると、そういう発想自体が信じられなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる