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ホストと女医は診察室で.59
しおりを挟む「先にシャワーを浴びて来て。俺は下で脱いだ服を取ってくるよ」
慶子は聖夜が一階に降りていくと、ベッドから抜け出し浴室へと向かった。
慶子がバスタオルを巻いて浴室から出てくると、聖夜は裸のままベッドに腰掛けていた。
「聖夜さんも、ど、どうぞ…」
慶子は聖夜を直視できない。
熱いシャワーを浴び、少しだけ正気を取り戻した慶子の目に、裸の聖夜の姿はより刺激的だった。
「ありがとう」
聖夜は慶子からバスタオルを受け取ると、大事な部分を隠すこともせずスタスタと浴室へと向かった。
本当は聖夜さんのこともっと見たい…。
こんなに自分という人間はスケベだったのだろうか?
それとも聖夜だから特別なのだろうか…。
服を着ていようが裸だろうが、聖夜の放つ色香に慶子はメロメロだった。
ついついボーっと妄想にふけりそうになるのを振り払い、慶子は服を着た。
シャワーを浴びて出てきた聖夜の体はまだうっすらと濡れている。
腰にバスタオルを巻いただけのその姿を本当は目に焼き付けたいのに…、やっぱり恥ずかしくてそんなことは出来そうもなかった。
「お水飲みますか」
「ああ、ありがとう」
聖夜は慶子から水を受け取るとゴクゴクと一気に飲み干した。
喉仏が動くのさえも色っぽくて…、本当に自分はおかしくなってしまったのかと戸惑う。
「聖夜さん…服を…」
「こういうだらしないのは嫌い?」
聖夜はイタズラっぽい表情で言った。
「そ、そういう訳じゃないけど…」
いつまでも聖夜が裸でいると、自分のこの変な気持ちがいつまでも収まらなくて困るからだ…。
そんなことは聖夜には言えないけれど…。
聖夜はクスッと笑うと、服を着た。
「もう少し一緒にいたいところだけど、そろそろ行かないと…。ゆっくりしていられなくて残念だ…」
聖夜はそう言うと慶子の頬にキスをした。
「…っ!」
それだけで顔を真っ赤にするウブな慶子が可愛い。
「ああ…もう、行きたくないな!」
聖夜は慶子のことを抱きしめた。
そんな甘い時間に浸っていると、突然インターフォンの音が静かな部屋に鳴り響いた。
「ちょっと待ってて」
慶子がモニターを覗くと、そこに映っていたのは、今ここにいいる聖夜と同じ顔をした和希だった。
「どうしよう…、和希さんが…」
慶子は完全にパニックになる。
「久しぶりの再会がこんな形になるとはね…。なかなか面白いじゃないか」
聖夜はのん気に言った。
「で、でも…」
「いいじゃない、向こうから来てくれるなんて手間が省けて」
「そ、そうだけど…」
この間の和希の常軌を逸した態度から、ここで二人が顔を合わせて何もなく終わるとは思えない。
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