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誰かイケメン達を止めてくれませんか!!.24
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「そのおかしなことが始まったのは、高校に入ってからなんだ…。まず、一番最初に現れたのはアイドルの鮫島すばるくん」
「あ、アイドル?鮫島すばる?」
「うん。そのすばるくんが突然うちにやってきて、そのままデートに連れていかれたの」
「え、えっ…」
伊吹が驚くのは想定内だ。
みゆうは構わず話し続ける。
「次に現れたのは俳優の正木祥吾くん。祥吾くんは撮影中だったから水着のまま現れて私の家のお風呂場で私の髪を洗ってくれたの。も、もちろん私は水着来てたよ」
月影さんがお風呂場で水着姿…、相手の男も水着姿で…。
伊吹はその場にいた訳でもないのに、激しい嫉妬心が湧いてくる。
「で、次はアーティストのイザナミジンくんがやってきて、彼の家に連れていかれて目の前でライブをしてくれたの」
つ、次はアーティストの自宅で二人っきり…。
「その次は、料理タレントの峰岸亮くん。彼はうちのキッチンで料理を作って私に食べさせてくれたの」
伊吹はもう相づちをうつことも忘れていた。
「その次は、声優の是沢優くん。彼は私が眠れるようにって添い寝をしてくれたの」
添い寝?いきなり距離が近くないか?
「でも、その時はまだ変なことは何もされてないから」
その時はまだ、ということは今は何かされてるのか?
伊吹はそこをはっきりさせたかったが、グッと我慢した。
「で、次がアイドルグループの藤堂光くん。彼には、その、いきなりキスをされたの」
「き、キス~!!」
伊吹は思わず叫んでしまった。
「ご、ゴメン、続けて」
そう言ったものの、伊吹の心の中は怒りで溢れていた。
アイドルだから、有名人だからって、何をやっても許されるのだろうか。
俺なんて、こんな近くにいるのに指一本触れていないって言うのに。
伊吹はみゆうの話が現実かそうでないかということより、むしろ彼らがみゆうに対して行っている行為の方が気になって仕方がない。
「最後は3Dミュージカルのセシルくん。彼はいつも私をお姫様のようにエスコートしてくれるの。この7人が順番にやってくるようになっちゃったの」
「そ、その7人で全員なんだね」
伊吹はやっとのことで声を絞り出した。
まさか話の内容がそんなものだとは全く想像していなかった。
あまりに奇想天外だ。
だけど、登場人物は現存している人物だ。
「それでね、その7人が最近私のことをまるで恋人のように扱うようになってきて…。スキンシップも結構ギリギリっていうか、光くんとは結構ヤバかったし…」
や、ヤバいってどの程度に?
伊吹は頭の中で繰り広げられる想像が暴走して止まらなくなる。
「さらに全員がプロポーズまでしてくるようになっちゃって…」
「ぷ、プロポーズ?」
「そう。いまのところなんとか誤魔化してるけど、すごく真剣な感じで迫ってくるから、いつまでごまかし続けられるか自信ない…」
今の時点で100%信じるのは難しいけれど、とりあえずみゆうが何に困っているのかは分かった。
というより、伊吹の中には彼らに対するジェラシーがメラメラと燃え上がってしまった。
「やっぱり、こんな話信じられないよね」
みゆうは話終ると、あらためて自分の身に起きたことが非現実的であることを思い知らされた。
伊吹もきっとおかしな夢でも見たのだと思うに違いない。
「ちょっと、パソコン見てもいいかな」
伊吹はそう言うと、リビングの片隅にあるパソコンを立ち上げた。
伊吹はここ最近のニュースサイトや芸能情報サイトをチェックしている。
すると、伊吹の顔色がみるみる変わっていくのが分かった。
「月影さんの話、信じるよ」
「え、ど、どうして?」
伊吹はパソコン画面に開いたいくつものページを見せてくれた。
それは、いつも彼らがみゆうのところにやって来るとき、仕事に穴を空けてしまい、問題になるという例のニュース記事だ。
つまり、彼らが仕事場から急に消えたというニュースがちゃんと現実的な証拠としてあるということを伊吹は言いたいらしい。
だからと言って、彼らが向かった先がみゆうの家だという証拠はどこにもないのだけれど。
「このニュースは、いつも見てた。だって、お仕事の最中なのに大丈夫なのかなって気になったから。それに、本当に自分のところにやってきたのは本物だったのか確かめたかったし」
みゆうは、100%信じてもらえなくても、ほんの少しでもいいからその可能性はあると思ってもらえたらそれでよかった。
「月影さんの話と彼らが突然消えた日時はピッタリ合っている。どうしてそうなったのかは分からないけど、月影さんのところにやって来たのは本物の可能性が高いと思う」
伊吹はかなり興奮していた。
「あ、アイドル?鮫島すばる?」
「うん。そのすばるくんが突然うちにやってきて、そのままデートに連れていかれたの」
「え、えっ…」
伊吹が驚くのは想定内だ。
みゆうは構わず話し続ける。
「次に現れたのは俳優の正木祥吾くん。祥吾くんは撮影中だったから水着のまま現れて私の家のお風呂場で私の髪を洗ってくれたの。も、もちろん私は水着来てたよ」
月影さんがお風呂場で水着姿…、相手の男も水着姿で…。
伊吹はその場にいた訳でもないのに、激しい嫉妬心が湧いてくる。
「で、次はアーティストのイザナミジンくんがやってきて、彼の家に連れていかれて目の前でライブをしてくれたの」
つ、次はアーティストの自宅で二人っきり…。
「その次は、料理タレントの峰岸亮くん。彼はうちのキッチンで料理を作って私に食べさせてくれたの」
伊吹はもう相づちをうつことも忘れていた。
「その次は、声優の是沢優くん。彼は私が眠れるようにって添い寝をしてくれたの」
添い寝?いきなり距離が近くないか?
「でも、その時はまだ変なことは何もされてないから」
その時はまだ、ということは今は何かされてるのか?
伊吹はそこをはっきりさせたかったが、グッと我慢した。
「で、次がアイドルグループの藤堂光くん。彼には、その、いきなりキスをされたの」
「き、キス~!!」
伊吹は思わず叫んでしまった。
「ご、ゴメン、続けて」
そう言ったものの、伊吹の心の中は怒りで溢れていた。
アイドルだから、有名人だからって、何をやっても許されるのだろうか。
俺なんて、こんな近くにいるのに指一本触れていないって言うのに。
伊吹はみゆうの話が現実かそうでないかということより、むしろ彼らがみゆうに対して行っている行為の方が気になって仕方がない。
「最後は3Dミュージカルのセシルくん。彼はいつも私をお姫様のようにエスコートしてくれるの。この7人が順番にやってくるようになっちゃったの」
「そ、その7人で全員なんだね」
伊吹はやっとのことで声を絞り出した。
まさか話の内容がそんなものだとは全く想像していなかった。
あまりに奇想天外だ。
だけど、登場人物は現存している人物だ。
「それでね、その7人が最近私のことをまるで恋人のように扱うようになってきて…。スキンシップも結構ギリギリっていうか、光くんとは結構ヤバかったし…」
や、ヤバいってどの程度に?
伊吹は頭の中で繰り広げられる想像が暴走して止まらなくなる。
「さらに全員がプロポーズまでしてくるようになっちゃって…」
「ぷ、プロポーズ?」
「そう。いまのところなんとか誤魔化してるけど、すごく真剣な感じで迫ってくるから、いつまでごまかし続けられるか自信ない…」
今の時点で100%信じるのは難しいけれど、とりあえずみゆうが何に困っているのかは分かった。
というより、伊吹の中には彼らに対するジェラシーがメラメラと燃え上がってしまった。
「やっぱり、こんな話信じられないよね」
みゆうは話終ると、あらためて自分の身に起きたことが非現実的であることを思い知らされた。
伊吹もきっとおかしな夢でも見たのだと思うに違いない。
「ちょっと、パソコン見てもいいかな」
伊吹はそう言うと、リビングの片隅にあるパソコンを立ち上げた。
伊吹はここ最近のニュースサイトや芸能情報サイトをチェックしている。
すると、伊吹の顔色がみるみる変わっていくのが分かった。
「月影さんの話、信じるよ」
「え、ど、どうして?」
伊吹はパソコン画面に開いたいくつものページを見せてくれた。
それは、いつも彼らがみゆうのところにやって来るとき、仕事に穴を空けてしまい、問題になるという例のニュース記事だ。
つまり、彼らが仕事場から急に消えたというニュースがちゃんと現実的な証拠としてあるということを伊吹は言いたいらしい。
だからと言って、彼らが向かった先がみゆうの家だという証拠はどこにもないのだけれど。
「このニュースは、いつも見てた。だって、お仕事の最中なのに大丈夫なのかなって気になったから。それに、本当に自分のところにやってきたのは本物だったのか確かめたかったし」
みゆうは、100%信じてもらえなくても、ほんの少しでもいいからその可能性はあると思ってもらえたらそれでよかった。
「月影さんの話と彼らが突然消えた日時はピッタリ合っている。どうしてそうなったのかは分からないけど、月影さんのところにやって来たのは本物の可能性が高いと思う」
伊吹はかなり興奮していた。
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