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兄と妹のイケナイ関係.39
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その日の夜は、二人の合格を祝って久しぶりに家族で食卓を囲んだ。
「みのりが、あんなレベルの高い学校を受けたいって言った時は、正直どうなることかと思ったけど、ほんとによく頑張ったわね。」
「う、うん。ありがとう、お母さん。」
みのりはちょっぴり後ろめたい気分を隠しながら、笑顔で答える。
そんなみのりの様子を見ていた将貴がいつになく硬い表情で話し出す。
「あのさ、この際だから父さんと母さんに聞いてもらいたいことがあるんだけど、いいかな。」
将貴のただならぬ雰囲気に、みのりは何を言い出すのかと固唾を呑んで見守る。
「俺とみのりは4月から、東京で一緒に暮らすことになるんだけど、俺達、実は半年くらい前からつきあってる。だから、兄妹としてじゃなく、恋人どうしとして同棲するつもりだから、それを許してもらいたい。」
一瞬、その場の空気が固まった。
その沈黙を破ったのは意外にも父だった。
「まあ、そんなことだろうと思ったよ。なあ、母さん。」
「ええ。」
「僕達は、お前達がそういう関係になってくれたらいいな、なんて話してたくらいだから。」
「ええ~っ!」
みのりはつい大声を出してしまった。
堅物の父さんの口からそんな言葉を聞くなんて夢にも思わなかったからだ。
「ほんとにいいの、お母さん。」
「ええ。あなたたちは血がつながってないんだし、好きな二人を別れさせる権利なんて親にだって無いでしょう。」
あまりの物分りのよさに、うちの両親はどこかずれているのではないかと、みのりは逆に心配になってきた。
しかし、みのりのそんな心配をよそに、将貴はすっきりとした表情で二人と話している。
「よかった~。父さんと母さんなら、分かってくれると思ってたよ~。」
(うそでしょ~。何、この家族~。絶対普通じゃないよ。)
みのりは一人、取り残された気分でみんなの話を聞いていた。
何だか、両親のとんでもない部分を垣間見てしまったけれど、結果は二人のことも許してくれて、とりあえず大きな障害が無くなったのだから、これでよかったのだろう、そうみのりは自分に言い聞かせた。
残る障害は、黒木君と高梨さんだ。
いよいよ、二人にちゃんと話さなければならない。
二人にそれぞれ連絡をとり、会う日時を決めた。
将貴は俺もついて行くと言って聞かなかったが、将貴がついてくると話が余計にややこしくなりそうなので、何とか説得してみのり一人で行くことにした。
みのりの進学する高校が将貴の付属校だということ、春からは二人で東京に行き一緒に暮らすことを告げ、二人の気持ちには応えられないことを告げた。
黒木君も、高梨さんも将貴に対するみのりの気持ちが本物であると認めてくれたようで、最後にはあきらめると言ってくれた。
ようやく全ての悩みから開放されて、みのりはこれから始まる新生活に胸を膨らませていた。
新居となるアパートも決まり、引越しを明日に控えた夜、将貴はめずらしく父に呼ばれていた。
「将貴、いよいよ明日から東京だな。」
「ああ。」
「お前とみのりの事は基本的に賛成だが、まだ学生なんだから学業を第一にして欲しい。つまり、その、子作りは卒業してからにしてくれよ。」
「っ!なんつーこと言うんだよ、うちの親父は。」
「お前はいざとなると見境が無くなるからな。」
「親父の息子だからしかたねーじゃん。」
「なんだと、俺はそんな節操なしじゃないぞ!」
「はい、はい。分かってますよ。孫の顔を見るのは4年後ってことで、男同士の約束だな。」
「4年後ねって、おいおい、俺はもうおじいちゃんになるのか…。」
嬉しいような悲しいような複雑な心境になる父であった。
出発の日、両親に見送られ家を後にする。
「困ったことがあったら、すぐに連絡するのよ。」
母さんは心配そうな顔で言う。
「大丈夫、将兄がいるから。」
「そうね。母さんったら、子離れ出来てないわね。」
「ふふっ、もうお母さんったら。東京まで新幹線で二時間だよ。今度の休みには帰ってくるから、そんな悲しそうな顔しないで。」
「そうそう、みのりは俺が守るから、父さんも母さんも心配するなよ。」
将貴にそう言われ、みのりはポッと顔を赤らめる。
「もう、この子は恥かしげも無く言ってくれるわね。はいはい、アツアツのお二人には何の不安もないでしょうね。」
お母さんは少し拗ねたように言う。
みのりはそんなお母さんがおかしくって、つい吹き出してしまった。
「さあ、冗談ばっかり言ってると夕方になっちまうからそろそろ行くわ。」
将貴はそう言うと、みのりの手を取り家を後にした。
「お父さん、あの子達幸せなのね。」
「そうだな。」
両親は若い二人の幸せを願い後姿を見送った。
電車に乗って一息つくと、やっと実感が湧いてきた。
「将兄、これから二人で暮らすんだね。」
「ああ。」
「嬉しすぎて、夢みたい…。」
「そうか。」
「そうかって、将兄は嬉しくないの?」
みのりは少しムッとして尋ねる。
「そんな風に見える?」
そう言うと将貴はみのりの手を取り、自分の大事な部分に触れさせる。
そこはすでに芯を持ち始めていて、みのりはサッと手を引いた。
「ちょっ、将兄!何するの!」
「だから、そう言うこと。これが俺の今の気持ち。」
(将兄ったら、電車の中なんだよ。誰かに見られたらどうすんのよ!)
「俺、アパートにつく頃にはもう限界だろうから、かんべんな。」
「それって…。」
「そういうこと。」
みのりはこの後にもたらされるであろう将貴からの甘い行為を思わず想像してしまい、一人で勝手に赤くなる。
(最初からこの調子で私の体が持つか心配だよ~。)
みのりは心の中で嬉しい悲鳴をあげながらも、将貴との新生活に胸を膨らますのだった。
「みのりが、あんなレベルの高い学校を受けたいって言った時は、正直どうなることかと思ったけど、ほんとによく頑張ったわね。」
「う、うん。ありがとう、お母さん。」
みのりはちょっぴり後ろめたい気分を隠しながら、笑顔で答える。
そんなみのりの様子を見ていた将貴がいつになく硬い表情で話し出す。
「あのさ、この際だから父さんと母さんに聞いてもらいたいことがあるんだけど、いいかな。」
将貴のただならぬ雰囲気に、みのりは何を言い出すのかと固唾を呑んで見守る。
「俺とみのりは4月から、東京で一緒に暮らすことになるんだけど、俺達、実は半年くらい前からつきあってる。だから、兄妹としてじゃなく、恋人どうしとして同棲するつもりだから、それを許してもらいたい。」
一瞬、その場の空気が固まった。
その沈黙を破ったのは意外にも父だった。
「まあ、そんなことだろうと思ったよ。なあ、母さん。」
「ええ。」
「僕達は、お前達がそういう関係になってくれたらいいな、なんて話してたくらいだから。」
「ええ~っ!」
みのりはつい大声を出してしまった。
堅物の父さんの口からそんな言葉を聞くなんて夢にも思わなかったからだ。
「ほんとにいいの、お母さん。」
「ええ。あなたたちは血がつながってないんだし、好きな二人を別れさせる権利なんて親にだって無いでしょう。」
あまりの物分りのよさに、うちの両親はどこかずれているのではないかと、みのりは逆に心配になってきた。
しかし、みのりのそんな心配をよそに、将貴はすっきりとした表情で二人と話している。
「よかった~。父さんと母さんなら、分かってくれると思ってたよ~。」
(うそでしょ~。何、この家族~。絶対普通じゃないよ。)
みのりは一人、取り残された気分でみんなの話を聞いていた。
何だか、両親のとんでもない部分を垣間見てしまったけれど、結果は二人のことも許してくれて、とりあえず大きな障害が無くなったのだから、これでよかったのだろう、そうみのりは自分に言い聞かせた。
残る障害は、黒木君と高梨さんだ。
いよいよ、二人にちゃんと話さなければならない。
二人にそれぞれ連絡をとり、会う日時を決めた。
将貴は俺もついて行くと言って聞かなかったが、将貴がついてくると話が余計にややこしくなりそうなので、何とか説得してみのり一人で行くことにした。
みのりの進学する高校が将貴の付属校だということ、春からは二人で東京に行き一緒に暮らすことを告げ、二人の気持ちには応えられないことを告げた。
黒木君も、高梨さんも将貴に対するみのりの気持ちが本物であると認めてくれたようで、最後にはあきらめると言ってくれた。
ようやく全ての悩みから開放されて、みのりはこれから始まる新生活に胸を膨らませていた。
新居となるアパートも決まり、引越しを明日に控えた夜、将貴はめずらしく父に呼ばれていた。
「将貴、いよいよ明日から東京だな。」
「ああ。」
「お前とみのりの事は基本的に賛成だが、まだ学生なんだから学業を第一にして欲しい。つまり、その、子作りは卒業してからにしてくれよ。」
「っ!なんつーこと言うんだよ、うちの親父は。」
「お前はいざとなると見境が無くなるからな。」
「親父の息子だからしかたねーじゃん。」
「なんだと、俺はそんな節操なしじゃないぞ!」
「はい、はい。分かってますよ。孫の顔を見るのは4年後ってことで、男同士の約束だな。」
「4年後ねって、おいおい、俺はもうおじいちゃんになるのか…。」
嬉しいような悲しいような複雑な心境になる父であった。
出発の日、両親に見送られ家を後にする。
「困ったことがあったら、すぐに連絡するのよ。」
母さんは心配そうな顔で言う。
「大丈夫、将兄がいるから。」
「そうね。母さんったら、子離れ出来てないわね。」
「ふふっ、もうお母さんったら。東京まで新幹線で二時間だよ。今度の休みには帰ってくるから、そんな悲しそうな顔しないで。」
「そうそう、みのりは俺が守るから、父さんも母さんも心配するなよ。」
将貴にそう言われ、みのりはポッと顔を赤らめる。
「もう、この子は恥かしげも無く言ってくれるわね。はいはい、アツアツのお二人には何の不安もないでしょうね。」
お母さんは少し拗ねたように言う。
みのりはそんなお母さんがおかしくって、つい吹き出してしまった。
「さあ、冗談ばっかり言ってると夕方になっちまうからそろそろ行くわ。」
将貴はそう言うと、みのりの手を取り家を後にした。
「お父さん、あの子達幸せなのね。」
「そうだな。」
両親は若い二人の幸せを願い後姿を見送った。
電車に乗って一息つくと、やっと実感が湧いてきた。
「将兄、これから二人で暮らすんだね。」
「ああ。」
「嬉しすぎて、夢みたい…。」
「そうか。」
「そうかって、将兄は嬉しくないの?」
みのりは少しムッとして尋ねる。
「そんな風に見える?」
そう言うと将貴はみのりの手を取り、自分の大事な部分に触れさせる。
そこはすでに芯を持ち始めていて、みのりはサッと手を引いた。
「ちょっ、将兄!何するの!」
「だから、そう言うこと。これが俺の今の気持ち。」
(将兄ったら、電車の中なんだよ。誰かに見られたらどうすんのよ!)
「俺、アパートにつく頃にはもう限界だろうから、かんべんな。」
「それって…。」
「そういうこと。」
みのりはこの後にもたらされるであろう将貴からの甘い行為を思わず想像してしまい、一人で勝手に赤くなる。
(最初からこの調子で私の体が持つか心配だよ~。)
みのりは心の中で嬉しい悲鳴をあげながらも、将貴との新生活に胸を膨らますのだった。
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