5 / 13
夜の散歩道。
しおりを挟む
日曜日は朝から慌しかった。明日は平日、ハナちゃんは一人でお留守番をしなければならない。その為の予行演習をする。
一番の難関は電話、何かあったら私かナツに連絡できる様に教えたのだが、中々電話という概念が理解できずに苦労した。その他にも食事の事や、ヒマの潰し方、絶対に他人には会わない、などなど考えうる全ての事をハナちゃんに教えた。
たった一日で理解しろと言われても難しいだろうが、ハナちゃんは懸命に長い耳で聞いてくれるので、こちらも必死になって教える。
「そんな詰め込みすぎても覚えきれないって、何とかなるなるぅ」
とナツが言う、あくまでもマイペース。でも右も左もわからない純真無垢な幼女を、一人でお留守番させる様なものだ。そんな危ない事を明日から始めないといけないのだから、気が気ではない。ハナちゃんは少し疲れていたが、私は構わずアレやコレや教えていく。
あっという間に昼過ぎ、私はナツの作ったランチを食べながら、あとは何を教えれば良いか頭をグルグル回転させる。そんな事はどこ吹く風、ナツはハナちゃんと楽しそうにおしゃべりしながらランチ、全く危機感のカケラもない。
「お姉ちゃん、全然食べてないじゃん。お口にあいませんでしたかな?」
「…え?ああ、食べるよ」
「ハナちゃんはどう?超ありあわせ簡単炒め物定食だけど」
「ふ、ふぁい、おいふぃいでふぅ」
ハナちゃんは口にいっぱいゴハンを詰め込んで答える、私もナツも思わず笑ってしまった。そんなハナちゃんを見ていると、何だか肩の力が抜けて、何とかなりそうに思えてくる。とりあえずランチを終えたら、昼寝して休んでから再開だな。
私がリビングのソファーで昼寝をしていると、ハナちゃんが横に座ってきた。
「一緒にお昼寝してもいいですか?」
「ん…いいよ」
するとハナちゃんはあっという間に眠りに落ちてしまった。そりゃあんだけいっぱい頭に詰め込んで、ついでにランチも胃袋にいっぱい詰め込んだんだから、すぐに寝ちゃうよね。
私はハナちゃんの頭をそっと自分の肩に寄せてあげる。ハナちゃんのカワイイ寝息と体温が伝わってくる、もちろん大きくて柔らかいオッパイも腕にむにゅっと当たる、はぁ…幸せだ。私は今までノーマルで生きて来た、彼氏だっていた時もある。でもハナちゃんを彼女にしたら幸せだろうなぁ~なんて想像をする。おっといかんいかん、下心でハナちゃんを助けている訳ではないのだ。
私も色々考えを巡らせていたらいつの間にか眠ってしまった。ハッと目を覚ますと、いつの間にかハナちゃんは私の膝の上で寝ていた。サラサラの長い金髪と長い耳が私の膝に当たる。そろそろ起きて続きを始めたい所なのだが、ハナちゃんの気持ちよさそうなカワイイ寝顔を見ていると、起こす気にはまったくなれない。何ならずっと愛でていたいものだ。
「おっハナちゃんを膝枕とはお姉ちゃんモテモテだねぇ~」
「いや気づいたらこうなってたの、別に私が誘導したわけじゃないんだからね!」
「お姉ちゃん、声が大きい」
「あっごめん…ってそろそろ続きを教えたいだけどなぁ」
「いいじゃん、もうちょっとだけ愛でてよっ」
ナツはハナちゃんの頭をまるで猫を撫でるかの様に、優しく撫でる。ハナちゃんは相変わらず気持ち良さそうに寝ている。それから小一時間ほどしてから、ハナちゃんが目覚めたので続きを始める。
よし!こんなもんか。外では夕方のチャイムが鳴っている、ハナちゃんはもう頭がパンク寸前だけど何とかやり切った。これで明日からの生活も、イレギュラーな事がない限り何とかなりそうだ。
「2人ともご苦労様ぁ!晩御飯も私が作るから、先にお風呂入ってきちゃってよ」
「ありがと、んじゃお言葉に甘えるね」
ナツは適当でマイペースだけど、なんだかんだ好きな人には献身的に尽くすタイプでもある。だけどその性格が仇となって、恋愛ではけっこう失敗しているみたいだけど。いいお嫁さんになると思うんだけどな、周りには見る目のない男が多いのだろう。
ハナちゃんとの幸せお風呂タイムから上がると、食卓からスパイシーで良い匂い、今夜はカレーか。ハナちゃんもこの匂いに食いしん坊レーダーが反応したのか、見事な食いっぷりでカレーを完食した。
夜になり、あたりは暗くなった。田舎なので街灯はほとんど無い、私とハナちゃんは夜の散歩に出かける事にした。耳はパーカーを着せて、フードをかぶって隠す事にした。とは言っても多少耳の部分が膨れているが、あたりは暗いし人通りもほとんど無いから何とかなるだろう。
この世界で始めて外に出るハナちゃん、多少緊張しているみたいなので、手をつないで歩く。私は懐中電灯を持って、ハナちゃんの足元を照らしてあげる。最初だしとりあえず歩いて20分のコンビニまで行って、アイスでも買って帰るか。
最初は緊張していたハナちゃんも徐々に目が慣れて来たのか、周りをキョロキョロ見ながら歩く。あれは何か?と質問に答えたり、今日教えた事を復習したり、気づけばあっという間にコンビニまで着いた。
ハナちゃんには外で待ってもらって、私はサッと買い物を済ませる。待っている間にナンパでもされないかドキドキしていたが、何事もなく買い物を終わらせて帰路につく。
「あぁ~なんでハナちゃんだけ高いアイスなの?」
ナツがブーブー文句を言う。
「だって始めて食べるアイスなんだから、美味しいやつの方がいいじゃん」
「お姉ちゃんわかってないなぁ、最初は安いアイスを食べて、次に高いアイスを食べた方が絶対感動するじゃん!」
「そうなの?どう?ハナちゃん、アイスは美味しい?」
「ほ…ほいひいでふぅ~」
ハナちゃんはまた口いっぱいにアイスを方張って、とろける様な顔をして幸せそうに食べる。どうやらアイスもかなりお気に入りの様だ、姉妹は顔を見合わせて微笑む。
さていよいよ明日からが勝負だ。私は安いアイスをパパッと食べて、明日に備えて早く寝る準備にとりかかった。
一番の難関は電話、何かあったら私かナツに連絡できる様に教えたのだが、中々電話という概念が理解できずに苦労した。その他にも食事の事や、ヒマの潰し方、絶対に他人には会わない、などなど考えうる全ての事をハナちゃんに教えた。
たった一日で理解しろと言われても難しいだろうが、ハナちゃんは懸命に長い耳で聞いてくれるので、こちらも必死になって教える。
「そんな詰め込みすぎても覚えきれないって、何とかなるなるぅ」
とナツが言う、あくまでもマイペース。でも右も左もわからない純真無垢な幼女を、一人でお留守番させる様なものだ。そんな危ない事を明日から始めないといけないのだから、気が気ではない。ハナちゃんは少し疲れていたが、私は構わずアレやコレや教えていく。
あっという間に昼過ぎ、私はナツの作ったランチを食べながら、あとは何を教えれば良いか頭をグルグル回転させる。そんな事はどこ吹く風、ナツはハナちゃんと楽しそうにおしゃべりしながらランチ、全く危機感のカケラもない。
「お姉ちゃん、全然食べてないじゃん。お口にあいませんでしたかな?」
「…え?ああ、食べるよ」
「ハナちゃんはどう?超ありあわせ簡単炒め物定食だけど」
「ふ、ふぁい、おいふぃいでふぅ」
ハナちゃんは口にいっぱいゴハンを詰め込んで答える、私もナツも思わず笑ってしまった。そんなハナちゃんを見ていると、何だか肩の力が抜けて、何とかなりそうに思えてくる。とりあえずランチを終えたら、昼寝して休んでから再開だな。
私がリビングのソファーで昼寝をしていると、ハナちゃんが横に座ってきた。
「一緒にお昼寝してもいいですか?」
「ん…いいよ」
するとハナちゃんはあっという間に眠りに落ちてしまった。そりゃあんだけいっぱい頭に詰め込んで、ついでにランチも胃袋にいっぱい詰め込んだんだから、すぐに寝ちゃうよね。
私はハナちゃんの頭をそっと自分の肩に寄せてあげる。ハナちゃんのカワイイ寝息と体温が伝わってくる、もちろん大きくて柔らかいオッパイも腕にむにゅっと当たる、はぁ…幸せだ。私は今までノーマルで生きて来た、彼氏だっていた時もある。でもハナちゃんを彼女にしたら幸せだろうなぁ~なんて想像をする。おっといかんいかん、下心でハナちゃんを助けている訳ではないのだ。
私も色々考えを巡らせていたらいつの間にか眠ってしまった。ハッと目を覚ますと、いつの間にかハナちゃんは私の膝の上で寝ていた。サラサラの長い金髪と長い耳が私の膝に当たる。そろそろ起きて続きを始めたい所なのだが、ハナちゃんの気持ちよさそうなカワイイ寝顔を見ていると、起こす気にはまったくなれない。何ならずっと愛でていたいものだ。
「おっハナちゃんを膝枕とはお姉ちゃんモテモテだねぇ~」
「いや気づいたらこうなってたの、別に私が誘導したわけじゃないんだからね!」
「お姉ちゃん、声が大きい」
「あっごめん…ってそろそろ続きを教えたいだけどなぁ」
「いいじゃん、もうちょっとだけ愛でてよっ」
ナツはハナちゃんの頭をまるで猫を撫でるかの様に、優しく撫でる。ハナちゃんは相変わらず気持ち良さそうに寝ている。それから小一時間ほどしてから、ハナちゃんが目覚めたので続きを始める。
よし!こんなもんか。外では夕方のチャイムが鳴っている、ハナちゃんはもう頭がパンク寸前だけど何とかやり切った。これで明日からの生活も、イレギュラーな事がない限り何とかなりそうだ。
「2人ともご苦労様ぁ!晩御飯も私が作るから、先にお風呂入ってきちゃってよ」
「ありがと、んじゃお言葉に甘えるね」
ナツは適当でマイペースだけど、なんだかんだ好きな人には献身的に尽くすタイプでもある。だけどその性格が仇となって、恋愛ではけっこう失敗しているみたいだけど。いいお嫁さんになると思うんだけどな、周りには見る目のない男が多いのだろう。
ハナちゃんとの幸せお風呂タイムから上がると、食卓からスパイシーで良い匂い、今夜はカレーか。ハナちゃんもこの匂いに食いしん坊レーダーが反応したのか、見事な食いっぷりでカレーを完食した。
夜になり、あたりは暗くなった。田舎なので街灯はほとんど無い、私とハナちゃんは夜の散歩に出かける事にした。耳はパーカーを着せて、フードをかぶって隠す事にした。とは言っても多少耳の部分が膨れているが、あたりは暗いし人通りもほとんど無いから何とかなるだろう。
この世界で始めて外に出るハナちゃん、多少緊張しているみたいなので、手をつないで歩く。私は懐中電灯を持って、ハナちゃんの足元を照らしてあげる。最初だしとりあえず歩いて20分のコンビニまで行って、アイスでも買って帰るか。
最初は緊張していたハナちゃんも徐々に目が慣れて来たのか、周りをキョロキョロ見ながら歩く。あれは何か?と質問に答えたり、今日教えた事を復習したり、気づけばあっという間にコンビニまで着いた。
ハナちゃんには外で待ってもらって、私はサッと買い物を済ませる。待っている間にナンパでもされないかドキドキしていたが、何事もなく買い物を終わらせて帰路につく。
「あぁ~なんでハナちゃんだけ高いアイスなの?」
ナツがブーブー文句を言う。
「だって始めて食べるアイスなんだから、美味しいやつの方がいいじゃん」
「お姉ちゃんわかってないなぁ、最初は安いアイスを食べて、次に高いアイスを食べた方が絶対感動するじゃん!」
「そうなの?どう?ハナちゃん、アイスは美味しい?」
「ほ…ほいひいでふぅ~」
ハナちゃんはまた口いっぱいにアイスを方張って、とろける様な顔をして幸せそうに食べる。どうやらアイスもかなりお気に入りの様だ、姉妹は顔を見合わせて微笑む。
さていよいよ明日からが勝負だ。私は安いアイスをパパッと食べて、明日に備えて早く寝る準備にとりかかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる