OLさんとエルフちゃん

おんきゅう

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夜の散歩道。

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日曜日は朝から慌しかった。明日は平日、ハナちゃんは一人でお留守番をしなければならない。その為の予行演習をする。

一番の難関は電話、何かあったら私かナツに連絡できる様に教えたのだが、中々電話という概念が理解できずに苦労した。その他にも食事の事や、ヒマの潰し方、絶対に他人には会わない、などなど考えうる全ての事をハナちゃんに教えた。

たった一日で理解しろと言われても難しいだろうが、ハナちゃんは懸命に長い耳で聞いてくれるので、こちらも必死になって教える。

「そんな詰め込みすぎても覚えきれないって、何とかなるなるぅ」

とナツが言う、あくまでもマイペース。でも右も左もわからない純真無垢な幼女を、一人でお留守番させる様なものだ。そんな危ない事を明日から始めないといけないのだから、気が気ではない。ハナちゃんは少し疲れていたが、私は構わずアレやコレや教えていく。

あっという間に昼過ぎ、私はナツの作ったランチを食べながら、あとは何を教えれば良いか頭をグルグル回転させる。そんな事はどこ吹く風、ナツはハナちゃんと楽しそうにおしゃべりしながらランチ、全く危機感のカケラもない。

「お姉ちゃん、全然食べてないじゃん。お口にあいませんでしたかな?」

「…え?ああ、食べるよ」

「ハナちゃんはどう?超ありあわせ簡単炒め物定食だけど」

「ふ、ふぁい、おいふぃいでふぅ」

ハナちゃんは口にいっぱいゴハンを詰め込んで答える、私もナツも思わず笑ってしまった。そんなハナちゃんを見ていると、何だか肩の力が抜けて、何とかなりそうに思えてくる。とりあえずランチを終えたら、昼寝して休んでから再開だな。

私がリビングのソファーで昼寝をしていると、ハナちゃんが横に座ってきた。

「一緒にお昼寝してもいいですか?」

「ん…いいよ」

するとハナちゃんはあっという間に眠りに落ちてしまった。そりゃあんだけいっぱい頭に詰め込んで、ついでにランチも胃袋にいっぱい詰め込んだんだから、すぐに寝ちゃうよね。

私はハナちゃんの頭をそっと自分の肩に寄せてあげる。ハナちゃんのカワイイ寝息と体温が伝わってくる、もちろん大きくて柔らかいオッパイも腕にむにゅっと当たる、はぁ…幸せだ。私は今までノーマルで生きて来た、彼氏だっていた時もある。でもハナちゃんを彼女にしたら幸せだろうなぁ~なんて想像をする。おっといかんいかん、下心でハナちゃんを助けている訳ではないのだ。

私も色々考えを巡らせていたらいつの間にか眠ってしまった。ハッと目を覚ますと、いつの間にかハナちゃんは私の膝の上で寝ていた。サラサラの長い金髪と長い耳が私の膝に当たる。そろそろ起きて続きを始めたい所なのだが、ハナちゃんの気持ちよさそうなカワイイ寝顔を見ていると、起こす気にはまったくなれない。何ならずっと愛でていたいものだ。

「おっハナちゃんを膝枕とはお姉ちゃんモテモテだねぇ~」

「いや気づいたらこうなってたの、別に私が誘導したわけじゃないんだからね!」

「お姉ちゃん、声が大きい」

「あっごめん…ってそろそろ続きを教えたいだけどなぁ」

「いいじゃん、もうちょっとだけ愛でてよっ」

ナツはハナちゃんの頭をまるで猫を撫でるかの様に、優しく撫でる。ハナちゃんは相変わらず気持ち良さそうに寝ている。それから小一時間ほどしてから、ハナちゃんが目覚めたので続きを始める。

よし!こんなもんか。外では夕方のチャイムが鳴っている、ハナちゃんはもう頭がパンク寸前だけど何とかやり切った。これで明日からの生活も、イレギュラーな事がない限り何とかなりそうだ。

「2人ともご苦労様ぁ!晩御飯も私が作るから、先にお風呂入ってきちゃってよ」

「ありがと、んじゃお言葉に甘えるね」

ナツは適当でマイペースだけど、なんだかんだ好きな人には献身的に尽くすタイプでもある。だけどその性格が仇となって、恋愛ではけっこう失敗しているみたいだけど。いいお嫁さんになると思うんだけどな、周りには見る目のない男が多いのだろう。

ハナちゃんとの幸せお風呂タイムから上がると、食卓からスパイシーで良い匂い、今夜はカレーか。ハナちゃんもこの匂いに食いしん坊レーダーが反応したのか、見事な食いっぷりでカレーを完食した。

夜になり、あたりは暗くなった。田舎なので街灯はほとんど無い、私とハナちゃんは夜の散歩に出かける事にした。耳はパーカーを着せて、フードをかぶって隠す事にした。とは言っても多少耳の部分が膨れているが、あたりは暗いし人通りもほとんど無いから何とかなるだろう。

この世界で始めて外に出るハナちゃん、多少緊張しているみたいなので、手をつないで歩く。私は懐中電灯を持って、ハナちゃんの足元を照らしてあげる。最初だしとりあえず歩いて20分のコンビニまで行って、アイスでも買って帰るか。

最初は緊張していたハナちゃんも徐々に目が慣れて来たのか、周りをキョロキョロ見ながら歩く。あれは何か?と質問に答えたり、今日教えた事を復習したり、気づけばあっという間にコンビニまで着いた。

ハナちゃんには外で待ってもらって、私はサッと買い物を済ませる。待っている間にナンパでもされないかドキドキしていたが、何事もなく買い物を終わらせて帰路につく。

「あぁ~なんでハナちゃんだけ高いアイスなの?」

ナツがブーブー文句を言う。

「だって始めて食べるアイスなんだから、美味しいやつの方がいいじゃん」

「お姉ちゃんわかってないなぁ、最初は安いアイスを食べて、次に高いアイスを食べた方が絶対感動するじゃん!」

「そうなの?どう?ハナちゃん、アイスは美味しい?」

「ほ…ほいひいでふぅ~」

ハナちゃんはまた口いっぱいにアイスを方張って、とろける様な顔をして幸せそうに食べる。どうやらアイスもかなりお気に入りの様だ、姉妹は顔を見合わせて微笑む。

さていよいよ明日からが勝負だ。私は安いアイスをパパッと食べて、明日に備えて早く寝る準備にとりかかった。




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