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エルフのおるすばん。
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ついに月曜日がやってきた、ハナちゃんは夜中に私のベッドに潜り込んできて、スヤスヤと幸せそうに眠っている。くっ、チューしたくなる寝顔だなぁ。私はいつもより早めに起きて、朝食とハナちゃんの昼ごはんを作る。
ハナちゃんを起こさないようにそっとベッドから起きて台所へ、すると同じタイミングでナツも部屋から出て来た。
「お姉ちゃんおはよ、ゴハン作るんでしょ?私も手伝うよ」
いつもは騒々しい妹だが、何かあればこれほど頼りになる妹はいないと私は誇らしく思う。
「じゃあ朝ごはんよろしく」
「ほいよ!」
ナツは慣れた手つきで朝ごはんを作っていく、私もあらかじめメニューは決めていたので、ササっとハナちゃんの昼ごはんを作っていく。妹以外の誰かにゴハンを作るなんて、何だかお母さんになった気分だ。お母さんか…私もいつかはなれるのだろうか。今のところ彼氏はいないし、好きな人もいない。今一番私が心躍る人、いやエルフはハナちゃんだ。でもハナちゃんは女の子だしエルフだし、世の中うまく行かないなぁ。
ゴハンの用意が出来たところでハナちゃんが起きて来た。
「おはようございまふぅ」
ハナちゃんは寝ぼけ眼で目を擦っている。着ているパジャマが寝相の悪さからはだけて、かなりエッチな感じになっている。朝からこれでは刺激が強すぎて思わずクラっとしてしまう。っと時計に目をやるともう出勤時間が近づいていた。私はハナちゃんを着替えさせて、朝ごはんを食べて会社に向かう。
「いってらっしゃい、お姉ちゃん」
「いってらっしゃい、トウコさん」
私の家は田舎にあるので、会社までは車で通勤している。約30分の道のり、私は仕事の事よりハナちゃんの事で頭がいっぱいだ。普段なら仕事に行きたくないなぁ、とか休みたいなぁなんて事ばかり考えていた30分が、ハナちゃんのおかげで仕事のしの字も頭に浮かばなかった。仕事自体は嫌いではないし、先輩や後輩にも恵まれている。ただ上司の課長だけクソ、この一点さえなければ満点なのだが、やはり世の中うまく行かない。
「おはようございます!」
会社に着くと、さっそく後輩の田坂くんが元気よく挨拶してくれる。入社して一年目の新人くん、ヤル気はあるのだが、いかんせん要領があまりよろしくないので、失敗が多い。
「おはよ!」
私が自分の席に着くと、先輩の加藤さんがやってきた。先輩は私と気が合うので、よく飲みにいったり休日には買い物に一緒に行く仲だ。とても仕事のできる先輩で、いつも頼りにしている。
「おはよー」
っげ…課長だ。山村課長、私を目の敵にしている天敵で、とにかく何か細かいミスを見つけてはネチネチと口撃してくる。とは言えこのご時世、セクハラやパワハラが問題になる事もあるので、あくまでもギリギリの所を攻めてくる。私の仕事に行きたくない理由のほぼ全てを担う人物である。
山村課長が席に着くなりさっそく私を呼び出して、昨日の企画書についてあーだこーだ始める。全く朝っぱらからこれだから、たまったものではない。話が終わり、席に戻ると加藤先輩がコーヒーを用意して渡してくれた。ちなみに加藤先輩は女性で、男性ならとっくにプロポーズしているくらい好きだ。
「朝からご苦労様、そろそろ裁判所にいく?」
「そうしたいところなんですけどねぇ~」
課長の口撃も加藤先輩がいるから、何とか耐えられる。コーヒーで一息つくと、ふとハナちゃんが気になりだした。電話して様子をうかがってもいいのだが、まだ電話にも慣れていないし困惑させてしまうのも悪いので辞めといた。
この日は一日中うわの空で、課長の口撃も聞き流せるくらいだった。とにかく早く帰って、ハナちゃんの無事を確認したい。あまりにも私がボーッとしているので、加藤先輩はもちろんのこと、頼りない田坂くんにまで心配されてしまった。
「すいません、僕が不甲斐ないから先輩もお疲れですよね…」
「あ!いや、別にそんなんじゃないよ、気にしないで、ありがとね」
やっと終業時間、私は課長に見つからない様に素早く会社を出た。車に乗り込み、一目散に家へと向かった。頭の中は困った顔をしたハナちゃんでいっぱいだ、いつもより車を飛ばしたので半分の時間で家に到着。カギを開けてリビングに飛び込む。
「ハナちゃん!!」
するとハナちゃんはリビングのソファーにちょこんと座っていた。私を見るやまるで花が咲いたかのような笑顔でコチラにやってきた。
「お帰りなさい!トウコさん!」
「大丈夫だった?何か困った事はなかった?」
ハナちゃんは首を横に振って、私に抱きついて来た。
「何もありませんでした…ただ…」
「ただ?」
「ちょっと…寂しかったです…」
「そっか、ごめんね…」
私はハナちゃんをギュッと抱きしめる、するとまたクーっとかわいいお腹の音がする。
「ゴハンにしよっか」
「はい!私も手伝います」
「うん、よろしくね」
初日でこれでは先が思いやられるが、何とか一日無事に過ごせた。これを続けていけば、いずれは何とかなるんじゃないかと思えてくる。私はハナちゃんと台所へ向かい、一緒に料理を始める。
ハナちゃんを起こさないようにそっとベッドから起きて台所へ、すると同じタイミングでナツも部屋から出て来た。
「お姉ちゃんおはよ、ゴハン作るんでしょ?私も手伝うよ」
いつもは騒々しい妹だが、何かあればこれほど頼りになる妹はいないと私は誇らしく思う。
「じゃあ朝ごはんよろしく」
「ほいよ!」
ナツは慣れた手つきで朝ごはんを作っていく、私もあらかじめメニューは決めていたので、ササっとハナちゃんの昼ごはんを作っていく。妹以外の誰かにゴハンを作るなんて、何だかお母さんになった気分だ。お母さんか…私もいつかはなれるのだろうか。今のところ彼氏はいないし、好きな人もいない。今一番私が心躍る人、いやエルフはハナちゃんだ。でもハナちゃんは女の子だしエルフだし、世の中うまく行かないなぁ。
ゴハンの用意が出来たところでハナちゃんが起きて来た。
「おはようございまふぅ」
ハナちゃんは寝ぼけ眼で目を擦っている。着ているパジャマが寝相の悪さからはだけて、かなりエッチな感じになっている。朝からこれでは刺激が強すぎて思わずクラっとしてしまう。っと時計に目をやるともう出勤時間が近づいていた。私はハナちゃんを着替えさせて、朝ごはんを食べて会社に向かう。
「いってらっしゃい、お姉ちゃん」
「いってらっしゃい、トウコさん」
私の家は田舎にあるので、会社までは車で通勤している。約30分の道のり、私は仕事の事よりハナちゃんの事で頭がいっぱいだ。普段なら仕事に行きたくないなぁ、とか休みたいなぁなんて事ばかり考えていた30分が、ハナちゃんのおかげで仕事のしの字も頭に浮かばなかった。仕事自体は嫌いではないし、先輩や後輩にも恵まれている。ただ上司の課長だけクソ、この一点さえなければ満点なのだが、やはり世の中うまく行かない。
「おはようございます!」
会社に着くと、さっそく後輩の田坂くんが元気よく挨拶してくれる。入社して一年目の新人くん、ヤル気はあるのだが、いかんせん要領があまりよろしくないので、失敗が多い。
「おはよ!」
私が自分の席に着くと、先輩の加藤さんがやってきた。先輩は私と気が合うので、よく飲みにいったり休日には買い物に一緒に行く仲だ。とても仕事のできる先輩で、いつも頼りにしている。
「おはよー」
っげ…課長だ。山村課長、私を目の敵にしている天敵で、とにかく何か細かいミスを見つけてはネチネチと口撃してくる。とは言えこのご時世、セクハラやパワハラが問題になる事もあるので、あくまでもギリギリの所を攻めてくる。私の仕事に行きたくない理由のほぼ全てを担う人物である。
山村課長が席に着くなりさっそく私を呼び出して、昨日の企画書についてあーだこーだ始める。全く朝っぱらからこれだから、たまったものではない。話が終わり、席に戻ると加藤先輩がコーヒーを用意して渡してくれた。ちなみに加藤先輩は女性で、男性ならとっくにプロポーズしているくらい好きだ。
「朝からご苦労様、そろそろ裁判所にいく?」
「そうしたいところなんですけどねぇ~」
課長の口撃も加藤先輩がいるから、何とか耐えられる。コーヒーで一息つくと、ふとハナちゃんが気になりだした。電話して様子をうかがってもいいのだが、まだ電話にも慣れていないし困惑させてしまうのも悪いので辞めといた。
この日は一日中うわの空で、課長の口撃も聞き流せるくらいだった。とにかく早く帰って、ハナちゃんの無事を確認したい。あまりにも私がボーッとしているので、加藤先輩はもちろんのこと、頼りない田坂くんにまで心配されてしまった。
「すいません、僕が不甲斐ないから先輩もお疲れですよね…」
「あ!いや、別にそんなんじゃないよ、気にしないで、ありがとね」
やっと終業時間、私は課長に見つからない様に素早く会社を出た。車に乗り込み、一目散に家へと向かった。頭の中は困った顔をしたハナちゃんでいっぱいだ、いつもより車を飛ばしたので半分の時間で家に到着。カギを開けてリビングに飛び込む。
「ハナちゃん!!」
するとハナちゃんはリビングのソファーにちょこんと座っていた。私を見るやまるで花が咲いたかのような笑顔でコチラにやってきた。
「お帰りなさい!トウコさん!」
「大丈夫だった?何か困った事はなかった?」
ハナちゃんは首を横に振って、私に抱きついて来た。
「何もありませんでした…ただ…」
「ただ?」
「ちょっと…寂しかったです…」
「そっか、ごめんね…」
私はハナちゃんをギュッと抱きしめる、するとまたクーっとかわいいお腹の音がする。
「ゴハンにしよっか」
「はい!私も手伝います」
「うん、よろしくね」
初日でこれでは先が思いやられるが、何とか一日無事に過ごせた。これを続けていけば、いずれは何とかなるんじゃないかと思えてくる。私はハナちゃんと台所へ向かい、一緒に料理を始める。
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