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【21】悪霊令嬢、確認する
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私の台詞に彼は目を見開いた。何かを期待するような、縋りつく様な瞳だった。
今吐き出した言葉が、何を誤解させているかはわかる。
「……ごめんなさい、元のリコリスの性格や記憶が戻ったわけじゃないの」
ハイドラに正体を明かされた途端、ルシウスルートのバッドエンドの光景が頭に浮かんだ。
この世界のリコリスはまだ婚約解消を告げられていない。だからあれはゲーム内の情報の筈だ。
ただ、ゲーム内のリコリスが呼び出した闇の精霊はこの世界にも居て既に繋がりが合った。
ゲームでたまにある「語られなかった設定」というものかもしれない。
プレイヤーである私が詳しく把握していなかっただけでハイドランジアは「闇の精霊」として存在していた。
本人の説明によって「あのキャラクターがそうだったのか」と私は気づき納得した。
それに私の中のリコリスの記憶が反応して言葉が出てきたのだろう。
我ながら面倒くさい伝言ゲームのようだなと思う。
記憶喪失とは本当に記憶を失う訳ではない。
記憶を引き出すことがスムーズにいかなくなることだと前世、ネットで見たことがある。
その説明は確かに今の私の状態に合致している気がした。
今考えたことをハイドラにも語る。彼は真剣な顔でそれを聞き、わかったと笑顔で頷いた。
「別にオレは今のアンタも嫌いじゃないよ、魂の底にある色は変わらないと思うし」
何よりルシウスのバカに全く興味なさそうだしね。
ストーカー悪霊令嬢と本質は同じだと嬉しそうに言われて、断固否定したかったが思いやりで飲み込む。
ここまでのやりとりで推測すると、彼は悪霊令嬢だったリコリスを慕っているようだ。
彼女からハイドラに対する感情は思い出せない。
どういう関係性だったかさえわからない。自分が彼のことをほぼ全く覚えていない事実。
そのことを本人に話せばハイドラは傷ついてしまうかもしれない。
リコリスを最初から毛嫌いしていたルシウスにはそのような気遣いは必要なかったのだけれど。
そうだ、ルシウスとキスしたことについてハイドラは気になることを言っていた。
リコリスは婚約者にベタ惚れしている筈なのに彼とのキスは拒むのが前提であること。
そして彼女とキスした人間はまるで死ぬのが当たり前のような台詞だった。
この件については絶対聞き出さないといけない気がする。意図せず殺人者になりかねない。
自分から誰かにキスする予定はないが今日のルシウスのように脈絡なく唇を奪ってくる輩はいるかもしれない。
その時に相手が死んだら被害者の立場が即加害者に変わってしまうだろう。
本当にルシウスに何事もなくて良かった。
そういえばあれほど躊躇いなくキスしてきたということは彼はその危険性を知らされてなかったのだろうか。
ルシウスは不気味な婚約者を毛嫌いしていた。そんな相手にキスなんて絶対しないだろう。
だからリコリスも説明は不要と判断したのかもしれない。
「……あれ?」
何か引っかかりを感じて首を傾げる。しかし何がおかしいのか明確化はできなかった。
とりあえず、今のルシウスは私にキスしてくる可能性がある。
既に廊下でされたし今後も襲ってくるかもしれない。
勝手に死ねと割り切れる程私は物騒でも潔くもない。キスしてきた相手話殺すのはそれこそ過剰防衛だ。
だからこの件に関してハイドラに確認する必要がある。リコリスの自衛魔法の一つなら無効化したい。
無理やりキスしてきた相手の唇が腫れあがったり、金色に光り輝く程度だったら寧ろ大歓迎なのだけれど。
私は少しだけ間を置いてハイドラに話しかけた。
今吐き出した言葉が、何を誤解させているかはわかる。
「……ごめんなさい、元のリコリスの性格や記憶が戻ったわけじゃないの」
ハイドラに正体を明かされた途端、ルシウスルートのバッドエンドの光景が頭に浮かんだ。
この世界のリコリスはまだ婚約解消を告げられていない。だからあれはゲーム内の情報の筈だ。
ただ、ゲーム内のリコリスが呼び出した闇の精霊はこの世界にも居て既に繋がりが合った。
ゲームでたまにある「語られなかった設定」というものかもしれない。
プレイヤーである私が詳しく把握していなかっただけでハイドランジアは「闇の精霊」として存在していた。
本人の説明によって「あのキャラクターがそうだったのか」と私は気づき納得した。
それに私の中のリコリスの記憶が反応して言葉が出てきたのだろう。
我ながら面倒くさい伝言ゲームのようだなと思う。
記憶喪失とは本当に記憶を失う訳ではない。
記憶を引き出すことがスムーズにいかなくなることだと前世、ネットで見たことがある。
その説明は確かに今の私の状態に合致している気がした。
今考えたことをハイドラにも語る。彼は真剣な顔でそれを聞き、わかったと笑顔で頷いた。
「別にオレは今のアンタも嫌いじゃないよ、魂の底にある色は変わらないと思うし」
何よりルシウスのバカに全く興味なさそうだしね。
ストーカー悪霊令嬢と本質は同じだと嬉しそうに言われて、断固否定したかったが思いやりで飲み込む。
ここまでのやりとりで推測すると、彼は悪霊令嬢だったリコリスを慕っているようだ。
彼女からハイドラに対する感情は思い出せない。
どういう関係性だったかさえわからない。自分が彼のことをほぼ全く覚えていない事実。
そのことを本人に話せばハイドラは傷ついてしまうかもしれない。
リコリスを最初から毛嫌いしていたルシウスにはそのような気遣いは必要なかったのだけれど。
そうだ、ルシウスとキスしたことについてハイドラは気になることを言っていた。
リコリスは婚約者にベタ惚れしている筈なのに彼とのキスは拒むのが前提であること。
そして彼女とキスした人間はまるで死ぬのが当たり前のような台詞だった。
この件については絶対聞き出さないといけない気がする。意図せず殺人者になりかねない。
自分から誰かにキスする予定はないが今日のルシウスのように脈絡なく唇を奪ってくる輩はいるかもしれない。
その時に相手が死んだら被害者の立場が即加害者に変わってしまうだろう。
本当にルシウスに何事もなくて良かった。
そういえばあれほど躊躇いなくキスしてきたということは彼はその危険性を知らされてなかったのだろうか。
ルシウスは不気味な婚約者を毛嫌いしていた。そんな相手にキスなんて絶対しないだろう。
だからリコリスも説明は不要と判断したのかもしれない。
「……あれ?」
何か引っかかりを感じて首を傾げる。しかし何がおかしいのか明確化はできなかった。
とりあえず、今のルシウスは私にキスしてくる可能性がある。
既に廊下でされたし今後も襲ってくるかもしれない。
勝手に死ねと割り切れる程私は物騒でも潔くもない。キスしてきた相手話殺すのはそれこそ過剰防衛だ。
だからこの件に関してハイドラに確認する必要がある。リコリスの自衛魔法の一つなら無効化したい。
無理やりキスしてきた相手の唇が腫れあがったり、金色に光り輝く程度だったら寧ろ大歓迎なのだけれど。
私は少しだけ間を置いてハイドラに話しかけた。
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