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【22】悪霊令嬢、家出される
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「それは闇の精霊と契約したからだね」
ハイドラの言葉に私は無言で彼を指さす。
お前の仕業かと突っ込みたくなるのを必死で抑えた結果だ。
ただそれでもこちらの指摘は伝わったらしく彼も首を振るジェスチャーで否定を示した。
「オレじゃないよ。以前リコリスが死の接吻の契約をしたのは別の闇精霊だし」
「……もしかして闇の精霊って、沢山いるの?」
「闇に限った話じゃないさ、闇とか火とかそういうのは大雑把な分類でしかない」
黒薔薇も黒百合も黒い花として一括りにできるように。
ハイドラの言葉に私は考える。成程、つまり各属性から更に細かく枝分かれしているのか。
「それで私の唇に呪いをかけたのは闇族のどの精霊さんなの」
「さあ?闇の精霊って基本秘密主義なんだよね。正体や名前を隠したがるんだ」
火や水は暖炉の精霊とか井戸の精霊とか気軽に名乗るらしいけど。そうハイドラは言った。
ネットに平気で顔や実名を出せるタイプと、絶対そんなこと出来るかというタイプ。
前世で私は断然後者だった。何となく闇精霊たちに親近感を抱く。
ハイドラは口調だけで言うなら陽の者に近い気がするけれど。
「でも今までリコリスに憑いていた闇精霊は殆どどっか行ったみたいだよ」
「えっ、なんで」
「さあ……あいつらが気に入らない行動でもしたんじゃないの。光属性と仲良くするとか」
「光属性……? あっ」
ヒロインの事か。いや別に仲良くはしてないけれど。
そうか、闇の精霊たちはあの程度の関わりでもアウトなのか。面倒、いや繊細な性質だなと感じる。
でもそれでキスの呪いが発動しなくなったなら有難い。
他にリコリスが闇の精霊たちとしていた契約があるか念の為ハイドラに確認しておこう。
「でも今は拗ねてるだけで少ししたら又戻ってくると思うけど」
「……親と喧嘩して家出した子供かな」
「だって全員リコリスが学園卒業するまでの契約みたいだし」
精霊たちの方が優位な契約でも一方的な破棄は出来ない筈だよ。
美少年の姿をした闇精霊の言葉に私は首を傾げる。
「学園を卒業するまで?どうしてそんな条件をつけたのかしら」
「期限をつけたのは精霊たちとの契約条件がきついからだと思うけど」
キスした相手が死んだり、髪を指定の長さ以上切ることを許さなかったり。
ハイドラが上げる条件に私はドキリとする。保健室で少しだけとは言え前髪を切ってしまった。
もしかしてルシウス相手に魔法が発動しなかったのはそのペナルティだろうか。
「そして学園を卒業するまでなのは、大切なものを奪われないようにだったかな」
自分一人の魔力で対抗できない。だから闇の精霊たちの加護が欲しい。
少女は過去にそう願い、興味を持った精霊たちは彼女と契約を結んだ。
肉体と精神に干渉し時に弄ぶ条件付きで。
「でも最近のリコリスは狂気に呑まれて、そのことさえ忘れていたみたいだったけど」
せめて敵の名前だけでもオレに教えてくれれば良かったのに。
少し寂しそうな表情で言うハイドラに私は心当たりの人物の名を話すことは出来なかった。
ルシウスルートの末路を、もし幼い頃のリコリスが何かの理由で知っていたのなら。
きっと彼女が闇の精霊に頼ってでも勝ちたかったのはヒロインになのだ。
でもそれが原因でリコリスは変わりルシウスの心は彼女から離れ、やがてヒロインに移った。
誰かの企みならぶん殴って怒鳴りつけてやりたいぐらい悪趣味だ。私は唇を噛んだ。
ハイドラの言葉に私は無言で彼を指さす。
お前の仕業かと突っ込みたくなるのを必死で抑えた結果だ。
ただそれでもこちらの指摘は伝わったらしく彼も首を振るジェスチャーで否定を示した。
「オレじゃないよ。以前リコリスが死の接吻の契約をしたのは別の闇精霊だし」
「……もしかして闇の精霊って、沢山いるの?」
「闇に限った話じゃないさ、闇とか火とかそういうのは大雑把な分類でしかない」
黒薔薇も黒百合も黒い花として一括りにできるように。
ハイドラの言葉に私は考える。成程、つまり各属性から更に細かく枝分かれしているのか。
「それで私の唇に呪いをかけたのは闇族のどの精霊さんなの」
「さあ?闇の精霊って基本秘密主義なんだよね。正体や名前を隠したがるんだ」
火や水は暖炉の精霊とか井戸の精霊とか気軽に名乗るらしいけど。そうハイドラは言った。
ネットに平気で顔や実名を出せるタイプと、絶対そんなこと出来るかというタイプ。
前世で私は断然後者だった。何となく闇精霊たちに親近感を抱く。
ハイドラは口調だけで言うなら陽の者に近い気がするけれど。
「でも今までリコリスに憑いていた闇精霊は殆どどっか行ったみたいだよ」
「えっ、なんで」
「さあ……あいつらが気に入らない行動でもしたんじゃないの。光属性と仲良くするとか」
「光属性……? あっ」
ヒロインの事か。いや別に仲良くはしてないけれど。
そうか、闇の精霊たちはあの程度の関わりでもアウトなのか。面倒、いや繊細な性質だなと感じる。
でもそれでキスの呪いが発動しなくなったなら有難い。
他にリコリスが闇の精霊たちとしていた契約があるか念の為ハイドラに確認しておこう。
「でも今は拗ねてるだけで少ししたら又戻ってくると思うけど」
「……親と喧嘩して家出した子供かな」
「だって全員リコリスが学園卒業するまでの契約みたいだし」
精霊たちの方が優位な契約でも一方的な破棄は出来ない筈だよ。
美少年の姿をした闇精霊の言葉に私は首を傾げる。
「学園を卒業するまで?どうしてそんな条件をつけたのかしら」
「期限をつけたのは精霊たちとの契約条件がきついからだと思うけど」
キスした相手が死んだり、髪を指定の長さ以上切ることを許さなかったり。
ハイドラが上げる条件に私はドキリとする。保健室で少しだけとは言え前髪を切ってしまった。
もしかしてルシウス相手に魔法が発動しなかったのはそのペナルティだろうか。
「そして学園を卒業するまでなのは、大切なものを奪われないようにだったかな」
自分一人の魔力で対抗できない。だから闇の精霊たちの加護が欲しい。
少女は過去にそう願い、興味を持った精霊たちは彼女と契約を結んだ。
肉体と精神に干渉し時に弄ぶ条件付きで。
「でも最近のリコリスは狂気に呑まれて、そのことさえ忘れていたみたいだったけど」
せめて敵の名前だけでもオレに教えてくれれば良かったのに。
少し寂しそうな表情で言うハイドラに私は心当たりの人物の名を話すことは出来なかった。
ルシウスルートの末路を、もし幼い頃のリコリスが何かの理由で知っていたのなら。
きっと彼女が闇の精霊に頼ってでも勝ちたかったのはヒロインになのだ。
でもそれが原因でリコリスは変わりルシウスの心は彼女から離れ、やがてヒロインに移った。
誰かの企みならぶん殴って怒鳴りつけてやりたいぐらい悪趣味だ。私は唇を噛んだ。
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