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15・衝撃の新事実です
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私は獣人形態のレックスを通訳にしてオーウェンに事情を話した。
ただし教えた情報は選んでいる。
病気のアミーラさんがベアトリスちゃんの前に一切顔を見せない事。
けれどベアトリスちゃんに長時間ピアノを弾いて欲しいとメイドを通じて頼んできたこと。
そしてベアトリスちゃんが言うとおりにしたらマクシミリアンが怒鳴り込んできたことを話した。
今回の説明では私の前世などについては語らないことにした。
私の生前について話すことでこの世界が乙女ゲーム、いわば架空の世界であるとオーウェンに知られかねないと思ったからだ。
自分が生まれ過ごしている世界が本物ではないなんて、その世界の住人に教えるのは悪趣味すぎる。それに何の益もない。
だからベアトリスちゃんやオーウェンのゲーム時代の性格や状況についても教えていない。
あえて先に伝えておくことで最悪な状況は回避できるかもしれないが、ただ今の時点でベアトリスちゃんやオーウェンの環境はかなり変わっていると思う。
ベアトリスちゃんには私というペットがいるし、オーウェンだってゲームだと死ぬ間際にやっと気づいたレックスの獣人設定を既に受け入れている。
だったら変に暗い未来を告げてぎくしゃくさせるより、このまま子供たちの意志で成長する方がいいと思う。
ただアミーラさんの病死については匂わせる程度に話しておいた。
彼女の死がきっかけでマクシミリアンは今以上にベアトリスちゃんに冷淡に当たり、数年後に妻に似た顔の少女を連れてくることになる。
その間ベアトリスちゃんが闇落ちし悪役令嬢にならない為のフォローを私と協力して婚約者のオーウェンに頼みたいのだ。
勿論デリケートな話題なのでアミーラさんはその内死ぬなんてダイレクトなことは言わない。
部屋から出ることもできないぐらい弱っている程度に留めて置いている。
けれどオーウェンは私のベアトリスちゃんの母親に関する説明を聞いて不思議そうな顔をした。
「……アミーラおばさんが重い病気にだって話、俺父さんたちから一度も聞いてないぞ?」
は? 私は口をあんぐりと開ける。なにその新事実。
じゃあなんで彼女は部屋から一歩も出ず実の娘であるベアトリスちゃんは会う事を許されないのだ。
「あのね、ベロア。ちょっといたい」
知らず私を抱き上げていたレックスの腕に爪を立てていたらしい。
私は彼に謝った。
「うん。大丈夫。ベロアが怒るのはとうぜんだとおもう。ベアトリスのいえの大人たち、ぜんいんおかしい」
「……確かにおかしいよな。だって俺の父さん、ベアトリスの家のかかりつけ医だぜ?」
また新しい重大情報が出てきた。
確かにオーウェンが医者の息子だというのはゲーム時代のプロフィールで知っている。
しかしそんな所でもベアトリスちゃんの家と繋がっているとは。びっくりしたが好都合である。
私はレックスににゃごにゃごと通訳を頼んだ。
「あのねベロア。とーさんにアミーラのシンサツしてほしい、だって」
「……うん。そうだな。俺今日帰ったら父さんに頼んでみるよ。色々な意味で放っとけないもんな!」
あと母さんがアミーラおばさんと友達だから母さんにも話してみる。
そう自分の胸を叩きながら言うオーウェンはまだ子供なのに非常に頼もしく思えた。
ただし教えた情報は選んでいる。
病気のアミーラさんがベアトリスちゃんの前に一切顔を見せない事。
けれどベアトリスちゃんに長時間ピアノを弾いて欲しいとメイドを通じて頼んできたこと。
そしてベアトリスちゃんが言うとおりにしたらマクシミリアンが怒鳴り込んできたことを話した。
今回の説明では私の前世などについては語らないことにした。
私の生前について話すことでこの世界が乙女ゲーム、いわば架空の世界であるとオーウェンに知られかねないと思ったからだ。
自分が生まれ過ごしている世界が本物ではないなんて、その世界の住人に教えるのは悪趣味すぎる。それに何の益もない。
だからベアトリスちゃんやオーウェンのゲーム時代の性格や状況についても教えていない。
あえて先に伝えておくことで最悪な状況は回避できるかもしれないが、ただ今の時点でベアトリスちゃんやオーウェンの環境はかなり変わっていると思う。
ベアトリスちゃんには私というペットがいるし、オーウェンだってゲームだと死ぬ間際にやっと気づいたレックスの獣人設定を既に受け入れている。
だったら変に暗い未来を告げてぎくしゃくさせるより、このまま子供たちの意志で成長する方がいいと思う。
ただアミーラさんの病死については匂わせる程度に話しておいた。
彼女の死がきっかけでマクシミリアンは今以上にベアトリスちゃんに冷淡に当たり、数年後に妻に似た顔の少女を連れてくることになる。
その間ベアトリスちゃんが闇落ちし悪役令嬢にならない為のフォローを私と協力して婚約者のオーウェンに頼みたいのだ。
勿論デリケートな話題なのでアミーラさんはその内死ぬなんてダイレクトなことは言わない。
部屋から出ることもできないぐらい弱っている程度に留めて置いている。
けれどオーウェンは私のベアトリスちゃんの母親に関する説明を聞いて不思議そうな顔をした。
「……アミーラおばさんが重い病気にだって話、俺父さんたちから一度も聞いてないぞ?」
は? 私は口をあんぐりと開ける。なにその新事実。
じゃあなんで彼女は部屋から一歩も出ず実の娘であるベアトリスちゃんは会う事を許されないのだ。
「あのね、ベロア。ちょっといたい」
知らず私を抱き上げていたレックスの腕に爪を立てていたらしい。
私は彼に謝った。
「うん。大丈夫。ベロアが怒るのはとうぜんだとおもう。ベアトリスのいえの大人たち、ぜんいんおかしい」
「……確かにおかしいよな。だって俺の父さん、ベアトリスの家のかかりつけ医だぜ?」
また新しい重大情報が出てきた。
確かにオーウェンが医者の息子だというのはゲーム時代のプロフィールで知っている。
しかしそんな所でもベアトリスちゃんの家と繋がっているとは。びっくりしたが好都合である。
私はレックスににゃごにゃごと通訳を頼んだ。
「あのねベロア。とーさんにアミーラのシンサツしてほしい、だって」
「……うん。そうだな。俺今日帰ったら父さんに頼んでみるよ。色々な意味で放っとけないもんな!」
あと母さんがアミーラおばさんと友達だから母さんにも話してみる。
そう自分の胸を叩きながら言うオーウェンはまだ子供なのに非常に頼もしく思えた。
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