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第一章
十七話
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十六年前、魔物に殺されたルーナ姉さん。
最後に見た少女の姿のままで彼女は大人になったレン兄さんに抱き締められていた。
その華奢な背にナイフが突き立てられているのを見て小さく悲鳴を上げる。血は流れていなかった。
「ルーナ姉さん!」
私は思わず叫んだ。その声に反応したのはレン兄さんの方だった。
来るなと強い声で言われて私は自分が二人に駆け寄ろうとしていたことに気づく。
「これはルーナじゃない!……生きた人間じゃないんだ!!」
「ルーナの一部は使ってるけどねぇえ」
必死なレン兄さんを嘲笑うようにリンナが口を挟む。
先程私の家にいた時と同じように濃く派手な化粧をしたままの彼女はこの墓地に酷く不似合いだった。
「もう少し時間と材料があればちゃんと声までつけられたのにぃ……ライル君のせいだよぉ?」
「うるせぇ、ブス。死にたくなきゃさっさと下らねぇ真似止めろ!!」
「えー……そゆこというなら殺してみればぁ?」
死んじゃうのは私だけじゃないけど。そう唇を吊り上げてリンナが言う。
先程まで彼女に毒づいていたライルは何故か悔しそうに相手を睨み付けるだけだった。
『魔物相手に何をぼやぼやしているんですのライル!!』
「うるせぇ!!こいつの足元見ろ脳筋シスター!」
エミリアさんが私を庇いながら檄を飛ばす。
それには大声で怒鳴り返しながらライルはリンナを指差した。
彼の言う通り私とエミリアさんは視線を移す。
リンナは地面に着く程丈の長いスカートをはいていた。そこだけは先程と違っていた。
しかし随分と場違いな服装をしている。
化粧はあんなにしっかりとしている癖に服が土に汚れるのは構わないと言うのだろうか。
そう考えていた私の視線の先でリンナの足元が唐突に盛り上がる。
「じゃじゃーん、パパでーす」
最初は墓場の死体がルーナ姉さんのように蘇ってきたのかと思った。
けれど違った。
それには、首から上がなかった。
だが服装には見覚えがある。リンナの姉エドナが数年前に父に贈った濃い茶色のベスト。
「リンナ!おじさんをあんな風にしたのはやっぱりアンタなの?!」
「あ、やっぱパパの顔と会ってきたんだ。ママを助けてとか言ってなかったぁ?」
墓地のどこかにはいるけどぉ。そう宝物探しを仕掛けるような無邪気さでリンナは言った。
相変わらず質問に対しての答えは返ってこない。けれど自分の最悪の予想が当たっている事は判った
「ママもパパもね、私たちの栄養になってもらっちゃいました。でもまだ殺してないよぉ」
『馬鹿なことを!!人間は首を切り落とされたら死ぬものですわ!!』
「切り落としてなんかないってばぁ、ほらよく見てみ?」
エミリアさんの怒声にリンナが不思議な力で土中から掘り起こした体を指さす。
首の部分を見る様に言われて凝視するが、私には彼女が見せたいものがわからない。
けれどエミリアさんは気づいたようで自分の足元に目をやった後、まさかと彼女らしくないか細い声で呟いた。
私も彼女の真似をして地面を見る。
そこにはここに来るまでに追いかけていた根が二本あった。
全て、リンナの元へと伸びていた。
「首の先からぁ、すっごく細い糸っぽい根が出てるっしょ?これが家にある人面花と繋がってるのよ。文字通り生命線って奴ぅ?」
まあ、私がこれを切ったらすぐ死ぬけど。
そう私達ではなくライルを見てリンナは笑う。
「この村って全員が家族みたいってマジ?じゃあライル君が余計なことしてパパが死んじゃったら……勇者様が家族殺しの大罪人になっちゃうねぇアハハハハ!!」
人殺しはこの村から追い出されちゃうかな?
そう楽し気に笑いながらリンナはライルの唇を奪った。
最後に見た少女の姿のままで彼女は大人になったレン兄さんに抱き締められていた。
その華奢な背にナイフが突き立てられているのを見て小さく悲鳴を上げる。血は流れていなかった。
「ルーナ姉さん!」
私は思わず叫んだ。その声に反応したのはレン兄さんの方だった。
来るなと強い声で言われて私は自分が二人に駆け寄ろうとしていたことに気づく。
「これはルーナじゃない!……生きた人間じゃないんだ!!」
「ルーナの一部は使ってるけどねぇえ」
必死なレン兄さんを嘲笑うようにリンナが口を挟む。
先程私の家にいた時と同じように濃く派手な化粧をしたままの彼女はこの墓地に酷く不似合いだった。
「もう少し時間と材料があればちゃんと声までつけられたのにぃ……ライル君のせいだよぉ?」
「うるせぇ、ブス。死にたくなきゃさっさと下らねぇ真似止めろ!!」
「えー……そゆこというなら殺してみればぁ?」
死んじゃうのは私だけじゃないけど。そう唇を吊り上げてリンナが言う。
先程まで彼女に毒づいていたライルは何故か悔しそうに相手を睨み付けるだけだった。
『魔物相手に何をぼやぼやしているんですのライル!!』
「うるせぇ!!こいつの足元見ろ脳筋シスター!」
エミリアさんが私を庇いながら檄を飛ばす。
それには大声で怒鳴り返しながらライルはリンナを指差した。
彼の言う通り私とエミリアさんは視線を移す。
リンナは地面に着く程丈の長いスカートをはいていた。そこだけは先程と違っていた。
しかし随分と場違いな服装をしている。
化粧はあんなにしっかりとしている癖に服が土に汚れるのは構わないと言うのだろうか。
そう考えていた私の視線の先でリンナの足元が唐突に盛り上がる。
「じゃじゃーん、パパでーす」
最初は墓場の死体がルーナ姉さんのように蘇ってきたのかと思った。
けれど違った。
それには、首から上がなかった。
だが服装には見覚えがある。リンナの姉エドナが数年前に父に贈った濃い茶色のベスト。
「リンナ!おじさんをあんな風にしたのはやっぱりアンタなの?!」
「あ、やっぱパパの顔と会ってきたんだ。ママを助けてとか言ってなかったぁ?」
墓地のどこかにはいるけどぉ。そう宝物探しを仕掛けるような無邪気さでリンナは言った。
相変わらず質問に対しての答えは返ってこない。けれど自分の最悪の予想が当たっている事は判った
「ママもパパもね、私たちの栄養になってもらっちゃいました。でもまだ殺してないよぉ」
『馬鹿なことを!!人間は首を切り落とされたら死ぬものですわ!!』
「切り落としてなんかないってばぁ、ほらよく見てみ?」
エミリアさんの怒声にリンナが不思議な力で土中から掘り起こした体を指さす。
首の部分を見る様に言われて凝視するが、私には彼女が見せたいものがわからない。
けれどエミリアさんは気づいたようで自分の足元に目をやった後、まさかと彼女らしくないか細い声で呟いた。
私も彼女の真似をして地面を見る。
そこにはここに来るまでに追いかけていた根が二本あった。
全て、リンナの元へと伸びていた。
「首の先からぁ、すっごく細い糸っぽい根が出てるっしょ?これが家にある人面花と繋がってるのよ。文字通り生命線って奴ぅ?」
まあ、私がこれを切ったらすぐ死ぬけど。
そう私達ではなくライルを見てリンナは笑う。
「この村って全員が家族みたいってマジ?じゃあライル君が余計なことしてパパが死んじゃったら……勇者様が家族殺しの大罪人になっちゃうねぇアハハハハ!!」
人殺しはこの村から追い出されちゃうかな?
そう楽し気に笑いながらリンナはライルの唇を奪った。
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