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第一章
五十四話 ※ある魔物視点
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父親を醜悪な鉢植えにして暫く弄んでいたかと思うと、リンナは話し相手を求めるようになった。
話し相手と言っても彼女が一方的に下らないことを話し続けるので、役割は聞き手のみだ。
当初は彼女の母親が怯えながらもその役割をしていたが、己の配偶者が娘に壊されて以降は難しいようだった。
恐らくは僅かに残っていた身内意識が完全に消え、リンナを魔物だと改めて認識したのだろう。
魔物と認識した上で今まで通り仕えさせるにしても多少の沈静時間は必要のようだった。
しかし、それで割を食ったのは双子草である。
彼女は自分自身と会話するのは嫌らしく、外見の変化をこちらに強制してきた。
最初に変えられた姿は地味な大人の女だった。よく勇者が入り浸っている家の娘だ。
完成した瞬間に製作者であるリンナ自身に頭部を潰された。植物でなければ即死だっただろう。
しかし惨たらしくひしゃげた顔をリンナは気に入ったらしく、暫くはその姿で居させられて閉口した。
双子草は損壊した己の姿が気に入らなかったのではない。
その姿を見て笑う女の表情がひたすらに醜くて目にしたくなかったのだ。
暫くするとこの姿に飽きたのか、他の姿にすると言ってきた。
そして双子草の疑似頭部を無断で吹き飛ばすと墓場から盗んできたらしい人間の頭蓋骨をそこに乗せた。
鼻歌交じりに上から何かを肉付けしつつ、先日よりは落ち着いてきた母親に時折確認をさせる。
リンナの母親は神に祈りながらも、娘に脅迫されるまま双子草の新しい姿の完成に尽力した。
今度は直後に頭部を潰されることはなかった。整った目鼻立ちの少女だ。
人間の判断基準で考えるならば美しい類に入るだろう。
鼻筋がリンナに潰された娘の顔と似通っていた。
「貴女は今日からアタシのお姉ちゃんね」
一緒に出来損ないなアディーの悪口を言いましょう。
そう嬉しそうに笑いかけられる。リンナの母親は泣いていた。
反応が物足りないと飽きられるまで、双子草はこの悪趣味な人形ごっこに付き合わされ続けたのだった。
話し相手と言っても彼女が一方的に下らないことを話し続けるので、役割は聞き手のみだ。
当初は彼女の母親が怯えながらもその役割をしていたが、己の配偶者が娘に壊されて以降は難しいようだった。
恐らくは僅かに残っていた身内意識が完全に消え、リンナを魔物だと改めて認識したのだろう。
魔物と認識した上で今まで通り仕えさせるにしても多少の沈静時間は必要のようだった。
しかし、それで割を食ったのは双子草である。
彼女は自分自身と会話するのは嫌らしく、外見の変化をこちらに強制してきた。
最初に変えられた姿は地味な大人の女だった。よく勇者が入り浸っている家の娘だ。
完成した瞬間に製作者であるリンナ自身に頭部を潰された。植物でなければ即死だっただろう。
しかし惨たらしくひしゃげた顔をリンナは気に入ったらしく、暫くはその姿で居させられて閉口した。
双子草は損壊した己の姿が気に入らなかったのではない。
その姿を見て笑う女の表情がひたすらに醜くて目にしたくなかったのだ。
暫くするとこの姿に飽きたのか、他の姿にすると言ってきた。
そして双子草の疑似頭部を無断で吹き飛ばすと墓場から盗んできたらしい人間の頭蓋骨をそこに乗せた。
鼻歌交じりに上から何かを肉付けしつつ、先日よりは落ち着いてきた母親に時折確認をさせる。
リンナの母親は神に祈りながらも、娘に脅迫されるまま双子草の新しい姿の完成に尽力した。
今度は直後に頭部を潰されることはなかった。整った目鼻立ちの少女だ。
人間の判断基準で考えるならば美しい類に入るだろう。
鼻筋がリンナに潰された娘の顔と似通っていた。
「貴女は今日からアタシのお姉ちゃんね」
一緒に出来損ないなアディーの悪口を言いましょう。
そう嬉しそうに笑いかけられる。リンナの母親は泣いていた。
反応が物足りないと飽きられるまで、双子草はこの悪趣味な人形ごっこに付き合わされ続けたのだった。
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