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繋がる想い 【2】
しおりを挟む「……ん……ふぁ、っ」
「で? 俺の渾身の告白をあっさりスルー、勝手に迷走した挙げ句、俺に『ふた股疑惑』をかけるところまでいったってことか?」
「あ……んっ……そう、です」
「真南? まだあるだろ? 言ってみろ」
「はんっ……ぁ……あ、ドッキリかなって思って……あと、からかわれてる可能性も」
「ふはっ! マジか! 俺、そこまで信用されてなかったのか。というか俺も、お前の『恋人発言』については今後も追及させてもらうからな」
「あ、そんなっ。ちゃんと謝ったじゃないですか。どうして……あっ、あぁ、ぁん」
どうして、こうなったんだろう。
「ん? それは、俺に謝るお前が可愛いから、だな。仕方ないと思って諦めろ」
「はぁっ、あん……んんっ」
どうして? こんなところで、こんなことに?
先輩から『好き』って言ってもらえて、俺も『好き』って応えて。両想いになれて、それで――。
「あ、先輩。熱い……身体、熱い」
「おかしいな。ちゃんと低めの温度設定にしてるぞ? プールで身体を冷やしてるから、これくらいでちょうど良いはずなんだが」
誰も居ないとはいえ、シャワーブースで抱き合ってキスしてるとか。常識的に考えて、おかしい。でも先輩が……。
俺の告白が本気だとわかってくれた先輩が、当然のようにここに連れてきて俺を可愛がってくれるから。俺は、それに抗ったりはしないんだ。
「よし、もう少しだけ、ぬるくしてやろうな?」
優しく囁いた人の手が背後から伸びてきた。濡れた素肌が触れ合う。先輩が腕を伸ばしてきたことによって、俺の背中と先輩の胸元が、ぴたりと密着した。
必然的に顔も近づき、甘い低音は、俺の耳朶を齧りながら鼓膜に余韻を残す。
はあぁ、好き……この声、好き。
大好きな声をこんなに近くで聞くことが出来るなんて、俺、もしかしなくてもすげぇ幸せなんじゃないか?
「これで、いいか?」
シャワーのコックを調節したその手は俺の腰に再び戻って、突き上げる動きに揺れる身体を支えてくれる。
シャワーブースに入ってすぐ、水着は互いの手で剥ぎ取った。それから抱き合って、キスをして――――立ったまま、バックから貫かれた。
「どうだ? いいなら、可愛い声、また聞かせてくれ」
先輩よりもひと回り身体が小さい俺は、長身の恋人に、いいように揺さぶられ続けてる。
「初めての行為の時の、あの可愛い声。あれを聞きたい。俺、お前の声、すげー好きなんだよ」
腰を支えてくれていた指が、乳首に触れる。
「ああぁぁっ……」
カリッと引っかかれた。いたずらな爪先が左右の乳首に強い刺激をカリカリと与えてくるものだから、声が止まらない。
「あ、先輩、駄目っ……そこ、駄目ぇ、っ」
腰が揺れる。引っかかれ、摘ままれた突起から流れる甘い痺れが、腹の底に溜まる。そこに、とどめのように胸の粒をピンっと引っ張られ、激しくのけぞった。
「キスもしようか。こっち向いて?」
「ふぁ……ぁ……っ」
先輩のキス、気持ちいい。前も思ったけど、生チョコレートみたい。
同じ食感と言っていい。触れたところから、溶けそうな感触なんだ。
熱い舌が与えてくれる快感に、身体を預けて浸ってしまう。
口づけの最中にも、長い指は下腹部の膨らみをなぞり上げたり、きゅっと扱いたり。そうやって俺を悶えさせ続けていたその指は、先端の窪みで円を描いてる途中で不意に止まる。
「気持ちいいか? この後、どうしてほしい?」
「あっ、とめ、ないで? そこ、もっと……もっとっ」
快感だけを追いかけていたのに、急に愛撫を止められて。そんなことをされれば、「もっと弄ってほしい」と身体をくねらせ、ねだってしまう。
「ん、わかった。もっと甘い声、聞かせろよ?」
「あっ、んんっ……やぁっ」
頬に軽いキスが落とされた直後、俺の中にみっちりと埋まっていた熱塊がズルッと引き抜かれる。
突然の淫靡な摩擦と喪失感に打ち震えた俺の前に、静かに先輩が跪く。
刹那、はしたなく揺れていた先端にそっと指が触れ、先輩が口を開く。真上から先輩の朱い舌が見えた。
「んはっ! あっ、せんぱっ……」
俺のモノは、熱い口内に迎え入れられていた。
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