いつも、ずっと君だけを

冴月希衣@商業BL販売中

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いつも、ずっと君だけを

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「おー、やっぱ、ここは誰もいねぇな」

 連れられてきたのは御堂の裏手にある庭園。

 小さな池があって、水辺の一角に池に張り出すように正方形の露台がかかっている。

「さーて、食うか。涼も座れよ」

 パッと腰から手が離れて、ドカッと露台に竜が座った。

 食べ物の袋を横に並べて、浴衣の襟元をくつろげ始めている。

 ……だよねー。ここで心置きなく食べまくるつもりなんだよねー、きっと。

 仕方ない。私もつき合うか。

 こんな食欲魔人を好きになったのは、私だ。

 竜はお隣さんで幼なじみ。そして、弟の敦の同級生。

 小さな頃からふたりの面倒を見てきた私は、ずっと竜が好きだった。

 けど竜にとっては恋愛対象じゃないと、諦めてもいた。

 それが、去年のこの夏祭りで竜から告白されて、本当に嬉しかった。

 〝涼ねぇちゃん〟じゃない私を『好きだ』って言ってくれた竜のこと、私も本当に大好きなの。




 だから、どれだけ振り回されても諦めるしかない。

 あ、そうだ。私もあんず飴、食べよっと。

 ふぅ、と溜め息をついて、置いた袋の横に竜が座った。

「ちげーよ。涼が座るのは、ここだって」

「きゃっ!」

「んー。相変わらず軽いな」

 座った途端、腕を掴まれて引き寄せられた先は、胡座をかいた竜の膝の上。

「ちょ、何すっ……」

「何って、飯食うんだよ。腹ペコだっつったろ?」

「だからっ」

「もう、黙れよ。どんな食いもんよりも先に、涼を食いたいんだって」

「んっ」

 うなじを強く支えてる指が、熱い。

「涼が一番旨いってこと、俺、知ってんだよ」

 竜が満足するまでは逃がしてもらえそうにないって、その熱が私に教えてくれる。

「浴衣、めちゃめちゃ似合ってる。他のヤツに見せたくないから、ここに連れてきたんだ。お前は、俺だけの涼だから。——綺麗だよ、涼」

 私を蕩かす言葉が、吐息とともに首筋におりてきた。








―Fin―
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