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おかしくなりそう
恋って、どうしようもない
しおりを挟むやれやれ。やっと静かになった。
好きな相手の恋の愚痴を聞かされ続けるのは、さすがにきつい。本心から、やれやれ、という気持ちだ。
やれやれついでに、言ってやろうか。
「そんなに片想いがつらいなら、もう諦めるか?」
俺は、ばかだ。この問いに相手がどう返してくるか、わかっているのに聞いている。
「やだ。諦めない。五歳からずっと好きなんだから、まだ好きでいる」
ほら、予想通りの返事だ。
「俺さ。あの人のことを考えるだけで胸の中がぐちゃぐちゃに掻きむしられるようで。ドロドロの甘い感情を持て余して、毎日おかしくなりそうなんだけど、そういう自分が嫌いじゃないんだ。それくらい、好きなんだよ。だから、絶対、諦めない」
ほら、余計なことを言ったから、こんな言葉を聞かされる羽目になる。
「そうか。じゃあ、今まで通り、頑張れ」
「あっ、この頑張りは認めてくれるんだ。嬉しいなぁ。京介さん、俺が高校入学してからずっと塩対応だから、今の『頑張れ』がめっちゃ沁みるぅ。次の試合も頑張るから、勝ったら今度こそ褒めてくれよっ」
「お前の部活での頑張りと活躍は、いつも認めてる。部の顧問として、敢えて口に出さないだけだ。というか、京介さんじゃなくて先生と呼べ。ここは生徒指導室だぞ」
「はーい、橘せんせー。じゃあ、俺、帰る。そんで、『五歳から恋してる、あの人』への好きと鬱憤と好きが溜まりまくってどうしようもなくなったら、また吐き出しにくるから、よろしく!」
「当分、来るな。生徒指導室は恋愛相談所じゃないぞ……気をつけて帰れよ」
お前が教え子じゃなくなる日まで、あと二年。精いっぱいの自制心で我慢を重ねてるというのに、無邪気に「好き」を連発してくる年齢差十四歳の生徒。
罪作りな片恋の相手に、俺こそがおかしくなりそうだ。
【了】
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