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しおりを挟む「あれは…嘘の情報だったのですか?」
そんな馬鹿な。一体何の為に…?
「仲が良いっていうのは本当だよ。彼女とオレは幼なじみであり協力関係にあるからね」
協力…?なんの?
「ん~、ではまず順を追って話しをしようか」
「はあ…」
「オレ達の結婚式が半年後。君はタイムリミットが残りわずかな事に焦りだし、聖女試験を受けるか受けまいかをダラダラと悩んでいたよね?」
ダラダラ…まあ否定は出来ないわね。
「泳がせていた君の情報屋が、きっとオレには有益な情報だからと教えてくれたよ」
アイツ(情報屋)…!有り得ないわ…信じてたのに!!
簡単に買収されたあげく人の情報売って、ガセネタ流して…一体どれだけ稼いだのか今度聞かなくてはね!
でも今は冷静さを失っては駄目よ。
「コホン…それで?」
「うん、それと同時にね、カミラには気の進まない結婚話が浮上していて、どうにかそれを阻止したいと相談されたんだ」
まあ…まるで自分の話しのようで身につまされるようだわ…。カミラ様、お可哀想に…。
「それで…どうされたのです?」
もちろん助けて差し上げたのですよね?
「聖女試験の話しをすすめ、公爵家からの推薦状を出したよ」
「は」
「知ってるかい?聖女の増えすぎで、今年から志願者枠がかなり絞られていた事を。カミラはその最後の数人にギリギリで入り込めた」
そんなの知らなかった…パンフレットに書いてあった??分からない…だってそんな隅々まで読まなかったもの!
「その後、情報屋にカミラとの嘘の情報を君に渡すようにと命じた。
そしてオレに恋人がいると知り油断した君は、聖女試験のパンフレットでゴミ箱を作りデスクの上に置いた」
「…っっ!!!!」
だって便利じゃない!エコじゃない!
もう婚約解消は、ほぼ確定ねってなるじゃない!
本当にくだらい情報まで垂れ流して…!
アイツ(情報屋)!次会ったらただじゃおかないんだからっ!
「えっ?」
気付けばスタンリー様は私の隣に座っていた。
綺麗な指先で私の長い髪を人束掴み、ちゅっと口付けをする。
「ちょっ…!」
「まあ良かったよ。ようやく枠も埋まりきったみたいだし、あの聖女試験だけはどんな高位貴族や家族であろうと、志願してしまえば本人の意思以外干渉できないからね」
…要は…タイミングよくカミラ様に聖女の話をふり、偽の恋人としてカミラ様の名前を使用し、私に情報を入れ油断させたという事ね。
ふぅ…どうしたものかしら…。
スタンリー様の顔が更に近くなり、鼻先と鼻先が触れる。
「スタンリー様…!」
「聖女になって3年後、その辺の並みの貴族の男と結婚する?」
そして優しい微笑みのまま、甘くしびれるような声で囁いた。
「そんなの許すわけないだろう?」
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