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しおりを挟む「カミラ?」
あらまあ、呼び捨て?もしかして呼び捨てし合う中ですの?まあまあ、お熱いこと。
「スタンリー様とカミラ様は、それはそれは仲睦まじい恋仲だとお聞きしますわ」
「へえ、嫉妬かい?」
「…そう見えますか?」
「拗ねてるの?」
「(゜д゜)?」
しまった、すぐあちらのペースに巻き込まれてしまいそうになるっ!負けてはダメよ、アデリナ!
「…拗ねてはおりません。これは私の正直な気持ちなのです。スタンリー様?カミラ様とご婚約ご結婚なされてはいかがですか?」
私は恨み辛みなく身を引きます。心から祝福しますわ…と慈愛を滲ませ微笑んだ。
「なぜ?」
「……なぜ、とは?」
「オレの婚約者は君、妻になる人も君だ」
は?そんでカミラ様を愛人にって?戯けたことを…!
この男…女の敵ね!
「あの、カミラ様の事愛していらっしゃるんですよね?だとしたら私でなくて良いではないですか」
先代公爵様はすでにお亡くなりになっているし、私と結婚しようが、カミラ様と結婚しようがスタンリー様の自由だわ。
何を躊躇しているの?
そもそも酒の入った席で、何を思ったか私とスタンリー様の婚約を結ばせた先代公爵様。
そこに大切な意味も理由もない。なんならノリしかない。
政略的な事を言えば、私なんかよりふさわしいご令嬢は山程いるわ。もしくは王族とかね。
「それでは聞くけど、オレとカミラが仲睦まじくどんな風に過ごしているのか、その目で見たことある?」
「…!!」
ん?と頭を傾け、おしげもなく白い首筋を見せつけてくるスタンリー様。
こんなの刺激が強すぎだわ。まるでお嬢様達シリーズ成人版じゃない!
その目もやめなさいよ。スッとした切れ長の目で私を見ないで。
ふんっ!目尻で女を落とすと言われているだけあるわね、全く。まあ私は落ちないけどね。
「アデリナ、聞いてるのか?」
「き、聞いています!!…確かにこの目でお二人が一緒にいらっしゃる所を見たことはありませんが、確かな情報のはずですわ」
「ねえアデリナ?君が雇っている情報屋の雇い主は?」
「………」
スタンリー様でした。
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