40 / 41
番外編
蚊帳の外
しおりを挟む
御調は頭が真っ白になって、そして、そんな自分に驚いていた。
いつからか。彼女、と呼べる相手がいない時間の方が珍しくなった。人当たりの良さと、爽やかな見た目で相手に与える第一印象が良いのは自覚していた。
いない時間の方が珍しい、というよりも、付き合いたい相手ができて、その時に付き合っている彼女と別れることも、何度もあった。
花音は、そんな相手だった。
もともと音楽仲間として知り合って、年が近いことや、その団体に元々の知り合いが少ないという共通点もあって親しくなった。人見知りだという彼女と話すようになったのは、その団体に所属して一年近く経った、定期演奏会の打ち上げだった。
彼女にとって、自分の外見が好みなのだな、というのは感じ取った。ただ、付き合っている彼女がおり、それを聞いた花音は自分を恋愛対象から除外し、親しい友人、という関係だった。彼女の職場と、当時資格を取るために通っていた専門学校が同じターミナル駅にあって、待ち合わせをして食事をして、そのまま同じ路線だから一緒に帰って。あるいは休みの日に2人で出かけたり。
彼女はいいの、と最初のうちは聞かれたけれど、友達と出かけることもあるでしょうと言えば、納得したようだった。男女、という意識なく男友達も多い彼女にとっては、それほど違和感はなかったのだろうけれど。そんな風に接している自分の方はもう、十分、彼女を意識にのぼらせていた。
付き合っていた彼女から、別れを告げられたのはそんな風にし始めて3ヶ月くらいしてから。その間にあった御調の誕生日に2人で過ごした様子を聞いていた花音は驚いた顔をしていたけれど。
恋愛ごとが苦手だという彼女は、なんと言っていいかわからない様子で、そう、とだけ言った。
1月もしないうちに御調は花音に付き合って欲しい、と言われ。恋愛関係への苦手意識が強い花音は一度は断ったけれど。もともと好感を持っていた相手から迫られれば揺らぎもする。
御調が花音を頷かせるのは、それほど時間は必要なかった。
そうして付き合った期間は、7ヶ月程度。
途中、とても自然に一緒にいるようになった花音の地元の同級生の1人に、御調は同調した。苦手意識が消えない花音は、受け身なことが多くて、それなのに、彼女から独占欲のような、依存のようなものを感じる。付き合う前は同じように話して同じように相手の話を聞いていたのに、いつからか彼女は自分の話しかしなくなったように感じた。
花音の友人は、楽しそうに、当たり前のことのように言った。
昔から、自分が注目されないと、周りがいろんなことやってくれないと納得しない顔する子だからー、と。楽しげに。それは友人のことを普通に話すようにしか聞こえなくて、だから、そうなのか、と妙にスルッと、自分の中にその評価は入ってきた。
御調が、自分のことを話さないから、御調の様子がおかしいからとどうしたの、と花音が尋ねても、なんでもない、今は聞かないで、など、彼女の問いを封じて行ったのは、問いかけることを怖いと思わせ、沈黙を避けるために自分のことを話すしかなくしていったのは、そんな自分の態度だったと、思い至ることはなく。
友達に戻りたいと告げれば、悲しげな目をした。
「優美香?」
ただそれだけ言われた。花音にとっては、自分が御調の前の彼女に図らずもしてしまったことが、我が身に返ったのだと受け止めるしかなかったから。
勘がいいな、怖、なんて、冗談のように御調が言えば、花音はなんとも表現し難いかおで笑って。
その後は、御調が告げたとおり、花音は友人ぶった。付き合う前と同じように遊びや食事に誘っただけだけれど、御調にとっては、それは執着の延長にしか感じられず、もういい加減にしてくれと、メールした。
最低限の言葉、いや、挨拶程度を交わすだけだった期間の後、御調が団体の中で他のメンバーと合わず、出ていけなくなり連絡も取れなくなった時期があった。
ある日、心配するメールが花音から入り、花音には、普通に情けないと自分でも思う、その場に出ていく恐怖を伝えられた。
もう一度、そこに出ていくまで毎週連絡を寄越した。きっと、出てこないだろうと思いながらも迎えにもきていた。
やっと、出て行った時。声をかけようとしたら、目を逸らされた。何を言われるかと怯えるような目だったのだけれど、御調には咎められているようにしか感じられなかった。
それが、花音にとっては、また余計なことをしたとお節介を咎められる怯えの結果だったのだけれど。御調が出てこられなくなったのは、そうなるまで放っておいたお前のせいだと言われたことで植え付けられた、無意識の罪悪感だったのだけれど。
団体の指導者は、戻ってきたことを喜んで。
食事に引きずっていかれ、花音とよりを戻さないのかと言われた。御調にとってそれは考えられないことだったけれど。甘えるだけ甘えてしまうが、そういう対象に見るには、花音はコンプレックスを刺激して、口煩くて、自分のことを知ったかぶって、独占しようとして。そんな風に感じてしまうから。
彼は御調に言う。
御調さんが返事をくれたので、連絡を続けますが。また、お節介をしたと怒られそうでちょっと気が進まないんですけど、心配なのも事実なので。でも、この上外野からまで何か言われたらやってられないので、外野がわたしのやることに一切口出さないように、全部止めてください。
それが、花音が御調と連絡を繋ぎ続ける条件だった、と。
そんな花音と、また親しい友人、の距離になったのは、御調が一回り以上も年下の団体の女の子と遊ぶようになってから。その女の子が、花音にも懐いていて、一緒に出かけようと、一緒にご飯に行こうと、時折言うようになったから。
それでも、主には御調とその子2人で出歩いていたのだが。
そんなある日。2人で行ったテーマパーク。離れたところを歩いて通り過ぎる花音を見つけた。花音も、一緒にいる子も気づかなかったけれど。
その日は、花音の誕生日の前日で。御調やその子の誕生日付近にそのテーマパークに3人できていたのに、花音の誕生日付近に、花音に声もかけずに2人でいる変な罪悪感が湧いた。
花音は小さな子を2人、ベビーカーに乗せて歩いていて、その周囲に何人かいる。子供に好かれる花音は、誰か友人の子を連れているのだろう。
花音の隣を歩く、小学生くらいの男の子が、不意に振り返り、御調と目が合った瞬間。
目を見開き、御調に見に覚えのない嫌悪の目を向けられ、すぐに逸らされたその目は、花音を見上げて手を引く。絶対に、御調に合わせないというように。
それから数年。
関係は変わらないまま。
例年通りの定期演奏会の打ち上げ。二次会に行こうと誘われるのを断っている花音を、御調は何気なく横目に捉えていた。そんな御調の周りには若い女の子たちがキャッキャと言って、構ってくれる御調に話しかけながら写真を撮っている。
やはり二次会には行かない御調は、酒も飲めないから車で帰る。駐車場に向かうと、やはり集団から離れた花音が見えた。送ろうか、と声をかける気には、ならない。他の子なら、ためらわずに考えもせずに出てくる言葉なのに。
その花音が、御調も車を止めている駐車場の入り口で、不意に誰かに腕を取られるのが見えた。
「び…っくりしたぁ」
驚いて振り返ろうとした御調は、花音の至って普通なトーンの声に、身を固くする。
「迎えに来たんだよ」
「目立つからいいって言ったのに」
「目立ってないだろ?」
「目立たなすぎてわたしの心臓に悪い」
「どっちだよ」
くすくすと声に笑いを含んだ男の声。
楽しげな気安いやりとりに思わず振り返ってしまえば、少し前、練習の後に花音を迎えにきていた男だった。
掠め取るように、男は花音にキスをする。驚いて何か言おうとする花音をそのまま車の助手席に押し込んだ男が、御調を一瞥した。
気づかれていた。見ていたのを。
でもそんなことよりも。
頭が真っ白になっていた。
そして、花音にそう言う相手がいることにショックを受けている自分に、驚いていた。
いつからか。彼女、と呼べる相手がいない時間の方が珍しくなった。人当たりの良さと、爽やかな見た目で相手に与える第一印象が良いのは自覚していた。
いない時間の方が珍しい、というよりも、付き合いたい相手ができて、その時に付き合っている彼女と別れることも、何度もあった。
花音は、そんな相手だった。
もともと音楽仲間として知り合って、年が近いことや、その団体に元々の知り合いが少ないという共通点もあって親しくなった。人見知りだという彼女と話すようになったのは、その団体に所属して一年近く経った、定期演奏会の打ち上げだった。
彼女にとって、自分の外見が好みなのだな、というのは感じ取った。ただ、付き合っている彼女がおり、それを聞いた花音は自分を恋愛対象から除外し、親しい友人、という関係だった。彼女の職場と、当時資格を取るために通っていた専門学校が同じターミナル駅にあって、待ち合わせをして食事をして、そのまま同じ路線だから一緒に帰って。あるいは休みの日に2人で出かけたり。
彼女はいいの、と最初のうちは聞かれたけれど、友達と出かけることもあるでしょうと言えば、納得したようだった。男女、という意識なく男友達も多い彼女にとっては、それほど違和感はなかったのだろうけれど。そんな風に接している自分の方はもう、十分、彼女を意識にのぼらせていた。
付き合っていた彼女から、別れを告げられたのはそんな風にし始めて3ヶ月くらいしてから。その間にあった御調の誕生日に2人で過ごした様子を聞いていた花音は驚いた顔をしていたけれど。
恋愛ごとが苦手だという彼女は、なんと言っていいかわからない様子で、そう、とだけ言った。
1月もしないうちに御調は花音に付き合って欲しい、と言われ。恋愛関係への苦手意識が強い花音は一度は断ったけれど。もともと好感を持っていた相手から迫られれば揺らぎもする。
御調が花音を頷かせるのは、それほど時間は必要なかった。
そうして付き合った期間は、7ヶ月程度。
途中、とても自然に一緒にいるようになった花音の地元の同級生の1人に、御調は同調した。苦手意識が消えない花音は、受け身なことが多くて、それなのに、彼女から独占欲のような、依存のようなものを感じる。付き合う前は同じように話して同じように相手の話を聞いていたのに、いつからか彼女は自分の話しかしなくなったように感じた。
花音の友人は、楽しそうに、当たり前のことのように言った。
昔から、自分が注目されないと、周りがいろんなことやってくれないと納得しない顔する子だからー、と。楽しげに。それは友人のことを普通に話すようにしか聞こえなくて、だから、そうなのか、と妙にスルッと、自分の中にその評価は入ってきた。
御調が、自分のことを話さないから、御調の様子がおかしいからとどうしたの、と花音が尋ねても、なんでもない、今は聞かないで、など、彼女の問いを封じて行ったのは、問いかけることを怖いと思わせ、沈黙を避けるために自分のことを話すしかなくしていったのは、そんな自分の態度だったと、思い至ることはなく。
友達に戻りたいと告げれば、悲しげな目をした。
「優美香?」
ただそれだけ言われた。花音にとっては、自分が御調の前の彼女に図らずもしてしまったことが、我が身に返ったのだと受け止めるしかなかったから。
勘がいいな、怖、なんて、冗談のように御調が言えば、花音はなんとも表現し難いかおで笑って。
その後は、御調が告げたとおり、花音は友人ぶった。付き合う前と同じように遊びや食事に誘っただけだけれど、御調にとっては、それは執着の延長にしか感じられず、もういい加減にしてくれと、メールした。
最低限の言葉、いや、挨拶程度を交わすだけだった期間の後、御調が団体の中で他のメンバーと合わず、出ていけなくなり連絡も取れなくなった時期があった。
ある日、心配するメールが花音から入り、花音には、普通に情けないと自分でも思う、その場に出ていく恐怖を伝えられた。
もう一度、そこに出ていくまで毎週連絡を寄越した。きっと、出てこないだろうと思いながらも迎えにもきていた。
やっと、出て行った時。声をかけようとしたら、目を逸らされた。何を言われるかと怯えるような目だったのだけれど、御調には咎められているようにしか感じられなかった。
それが、花音にとっては、また余計なことをしたとお節介を咎められる怯えの結果だったのだけれど。御調が出てこられなくなったのは、そうなるまで放っておいたお前のせいだと言われたことで植え付けられた、無意識の罪悪感だったのだけれど。
団体の指導者は、戻ってきたことを喜んで。
食事に引きずっていかれ、花音とよりを戻さないのかと言われた。御調にとってそれは考えられないことだったけれど。甘えるだけ甘えてしまうが、そういう対象に見るには、花音はコンプレックスを刺激して、口煩くて、自分のことを知ったかぶって、独占しようとして。そんな風に感じてしまうから。
彼は御調に言う。
御調さんが返事をくれたので、連絡を続けますが。また、お節介をしたと怒られそうでちょっと気が進まないんですけど、心配なのも事実なので。でも、この上外野からまで何か言われたらやってられないので、外野がわたしのやることに一切口出さないように、全部止めてください。
それが、花音が御調と連絡を繋ぎ続ける条件だった、と。
そんな花音と、また親しい友人、の距離になったのは、御調が一回り以上も年下の団体の女の子と遊ぶようになってから。その女の子が、花音にも懐いていて、一緒に出かけようと、一緒にご飯に行こうと、時折言うようになったから。
それでも、主には御調とその子2人で出歩いていたのだが。
そんなある日。2人で行ったテーマパーク。離れたところを歩いて通り過ぎる花音を見つけた。花音も、一緒にいる子も気づかなかったけれど。
その日は、花音の誕生日の前日で。御調やその子の誕生日付近にそのテーマパークに3人できていたのに、花音の誕生日付近に、花音に声もかけずに2人でいる変な罪悪感が湧いた。
花音は小さな子を2人、ベビーカーに乗せて歩いていて、その周囲に何人かいる。子供に好かれる花音は、誰か友人の子を連れているのだろう。
花音の隣を歩く、小学生くらいの男の子が、不意に振り返り、御調と目が合った瞬間。
目を見開き、御調に見に覚えのない嫌悪の目を向けられ、すぐに逸らされたその目は、花音を見上げて手を引く。絶対に、御調に合わせないというように。
それから数年。
関係は変わらないまま。
例年通りの定期演奏会の打ち上げ。二次会に行こうと誘われるのを断っている花音を、御調は何気なく横目に捉えていた。そんな御調の周りには若い女の子たちがキャッキャと言って、構ってくれる御調に話しかけながら写真を撮っている。
やはり二次会には行かない御調は、酒も飲めないから車で帰る。駐車場に向かうと、やはり集団から離れた花音が見えた。送ろうか、と声をかける気には、ならない。他の子なら、ためらわずに考えもせずに出てくる言葉なのに。
その花音が、御調も車を止めている駐車場の入り口で、不意に誰かに腕を取られるのが見えた。
「び…っくりしたぁ」
驚いて振り返ろうとした御調は、花音の至って普通なトーンの声に、身を固くする。
「迎えに来たんだよ」
「目立つからいいって言ったのに」
「目立ってないだろ?」
「目立たなすぎてわたしの心臓に悪い」
「どっちだよ」
くすくすと声に笑いを含んだ男の声。
楽しげな気安いやりとりに思わず振り返ってしまえば、少し前、練習の後に花音を迎えにきていた男だった。
掠め取るように、男は花音にキスをする。驚いて何か言おうとする花音をそのまま車の助手席に押し込んだ男が、御調を一瞥した。
気づかれていた。見ていたのを。
でもそんなことよりも。
頭が真っ白になっていた。
そして、花音にそう言う相手がいることにショックを受けている自分に、驚いていた。
13
あなたにおすすめの小説
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
溺愛のフリから2年後は。
橘しづき
恋愛
岡部愛理は、ぱっと見クールビューティーな女性だが、中身はビールと漫画、ゲームが大好き。恋愛は昔に何度か失敗してから、もうするつもりはない。
そんな愛理には幼馴染がいる。羽柴湊斗は小学校に上がる前から仲がよく、いまだに二人で飲んだりする仲だ。実は2年前から、湊斗と愛理は付き合っていることになっている。親からの圧力などに耐えられず、酔った勢いでついた嘘だった。
でも2年も経てば、今度は結婚を促される。さて、そろそろ偽装恋人も終わりにしなければ、と愛理は思っているのだが……?
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
半世紀の契約
篠原皐月
恋愛
それぞれ個性的な妹達に振り回されつつ、五人姉妹の長女としての役割を自分なりに理解し、母親に代わって藤宮家を纏めている美子(よしこ)。一見、他人からは凡庸に見られがちな彼女は、自分の人生においての生きがいを、未だにはっきりと見い出せないまま日々を過ごしていたが、とある見合いの席で鼻持ちならない相手を袖にした結果、その男が彼女の家族とその後の人生に、大きく関わってくる事になる。
一見常識人でも、とてつもなく非凡な美子と、傲岸不遜で得体の知れない秀明の、二人の出会いから始まる物語です。
誰にも言えないあなたへ
天海月
恋愛
子爵令嬢のクリスティーナは心に決めた思い人がいたが、彼が平民だという理由で結ばれることを諦め、彼女の事を見初めたという騎士で伯爵のマリオンと婚姻を結ぶ。
マリオンは家格も高いうえに、優しく美しい男であったが、常に他人と一線を引き、妻であるクリスティーナにさえ、どこか壁があるようだった。
年齢が離れている彼にとって自分は子供にしか見えないのかもしれない、と落ち込む彼女だったが・・・マリオンには誰にも言えない秘密があって・・・。
婚約破棄から始まる物語【完】
mako
恋愛
メープル王国王太子であるアレクセイの婚約者である公爵令嬢のステファニーは生まれた時から王太子妃になるべく育てられた淑女の中の淑女。
公爵家の一人娘であるステファニーが生まれた後は子どもができぬまま母親は亡くなってしまう。バーナディン公爵はすぐさま再婚をし新たな母親はルシャードという息子を連れて公爵家に入った。
このルシャードは非常に優秀であり文武両道で背の高い美男子でもあったが妹になったステファニーと関わる事はなかった。
バーナディン公爵家は、今ではメープル王国のエリート一家である。
そんな中王太子より、ステファニーへの婚約破棄が言い渡される事になった。
【完結】記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました
Rohdea
恋愛
誰かが、自分を呼ぶ声で目が覚めた。
必死に“私”を呼んでいたのは見知らぬ男性だった。
──目を覚まして気付く。
私は誰なの? ここはどこ。 あなたは誰?
“私”は馬車に轢かれそうになり頭を打って気絶し、起きたら記憶喪失になっていた。
こうして私……リリアはこれまでの記憶を失くしてしまった。
だけど、なぜか目覚めた時に傍らで私を必死に呼んでいた男性──ロベルトが私の元に毎日のようにやって来る。
彼はただの幼馴染らしいのに、なんで!?
そんな彼に私はどんどん惹かれていくのだけど……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる