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1 順応しましょう
お出かけしよう 2
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結論から行くと。
初めてのお出かけは、10メートルも進まずに、引き返すことになった。
喫茶店の店内までは、良かった。むしろその空間をヴィルは興味深げに見回していたほどだった。その好奇心をたたえた目のまま、一歩外の道に出た瞬間、無意識に眉間にシワが寄る。悪寒がし、全身が緊張で強張った。総毛立つ想いで、それでも、その様子に気づいた栞里が気遣わしげな目を向けるのに、まだ大丈夫だと言える気がして言おうとしたとき、耳を覆いたくなるような、聞いたことのない轟音が近づいてくる。外は、騒音にあふれていた。
扉を開けて出た途端の音の洪水。ヴィルの聴覚は聞いたことのない様々な音を拾ってしまい、なんだか分からない音だからこそ神経を無意識のうちに使ってしまう。
そして、轟音を上げて近づいてきたもの。恐ろしい速さで動く何かは、吐き気を催す異臭を振りまいて通り過ぎた。
外に出た途端、気分が悪そうなヴィルに、これはダメだと戻ろうと言おうとした。栞里がそう言おうとしたとき、背後から車が坂を登ってくる。急勾配にふかし気味になる車が多く、時折アクセルを踏み直しているような音がする。最近は、排気ガスの匂いがきついと思うことも滅多に無くなっていたが、それはこの世界に慣れた人間の感覚なのだと、ヴィルを見て思い知った。
通り過ぎた車の排気ガスを浴びるような位置関係のとき、それまでもよくなかった顔色が、一気に真っ白になる。倒れてしまうのではないかと言う様子に、慌てて手を差し出した。この大柄な人を、栞里が支え切れるはずもないのだが。
「ヴィル、一度帰ろう」
気遣う声が耳元で何度も言う。背をさする手は優しい。見た目に反し、鍛えられたヴィルの体は厚みがあり、栞里の手は十分に背中に回らないが、届くところをじっと撫でていた。
支えるようにしているが、しゃがみ込みそれ以上動けない栞里の肩に、ヴィルは顔を埋めている。
心地よい香りが鼻腔をくすぐる。上がりすぎた心拍と、一気に引いた血の気が正常に戻っていくようだ。
「立てる?」
しばらくして栞里の声に促され、立ち上がる。その間、人通りがなくて良かったと栞里は思う。あれほどに具合の悪そうな人がいて、しかも助けに入ったと思しき栞里が身動きが取れない状況に陥っているのを見かけたら、躊躇わずに救急車でも呼ばれてしまっただろう。
医者が必要になった時。どうしよう、とそれもまた、考えなければいけない。獣医じゃないよね、と言う疑問は浮かんでしまったけれど許してもらおう。
ゆっくりと店内に入った瞬間、驚くほどに呼吸が楽になる。
この空間が、特殊なのだとヴィルは悟った。外の空気の悪さと音の洪水、異臭、体が取り込んだことのない吐き気を催す何か。そういったものが一切、遮断されているように思えた。
だが、そんな違いは栞里には分からない。
もう一つ。栞里も、この空間と同じだった。栞里が触れた瞬間に体が楽になり始めた。
ヴィルの疑念。庭の小さな泉と、大きな木。あれがヴィルの傷を癒したのではないか、と。魔力の回復も助けるのではないかと、試そうとしていたが。
それどころではなかった。栞里が住むこの空間の中では、魔法を使うのにこれまでと変わらず支障ない。だが、外に出た瞬間、幻惑の魔法を維持することが危険なほどに魔力を失っていった。
栞里にわかるのは、外の空気が、ヴィルに合わなかったと言うこと。ただ、彼の人よりはるかに優れた嗅覚と聴覚が耐えられなかったのだろうと想像するまでだけれど。それも間違ってはいない、が。
「ヴィル、辛そうだから。留守番していて?わたし、すぐに買い物行ってくるから…え、うひゃっ」
栞里がそう言った瞬間、想いに沈んでいたようなヴィルが驚くほどの速さで顔をあげた。そのまま、支えるように入ってきたときのまま至近距離にいた栞里を両腕でしっかり抱き抱え、あまつさえ、ふさふさとした尻尾まで巻きつけて逃したくない思いを溢れさせる。
思いがけないスキンシップに動揺した栞里はそのまま硬直したが、小刻みにこの、大きな体の凶器になりそうなくらい美しい人が震えていることに気づく。
背後から抱きこまれてしまえば、目に入ると動揺してしまうあの顔も体も見えないのだからちょっとは気楽だ。まあ、その逞しい体も腕も密着しているので、大差はないが。
腕と同じように巻きついてゆらゆら揺れる尻尾。とっくに、ヴィルの魔法は切れている。よく、この建物の中まで我慢したというくらいに、入った瞬間に解除されてしまった。その尻尾を不意打ちでギュッと掴む。
びくり、と大きく背後の体が揺れたなと思えば、痛いくらいに栞里の肩に額を擦り付けてくる。
大型犬に駄々捏ねられている気分だ、と思うが、買い物は行かなければならない。なぜなら、食べ物がないから。
「あの、すぐ帰ってくるから。行かないと、食べるものないんだよ」
「俺もいく」
「いや、無理しないで」
「もう大丈夫だ」
確かにもう大丈夫そう、には見えるが。
「シオリが触れてくれたら、大丈夫になった。だから、触れていてくれれば、外に出られる」
「ぅえ!?」
変な声、出ました。が、許してほしい。
こんな見た目の人と、そんな状態で外出?確実に注目を浴びる。と言うか、何こいつ、の視線、集めてしまう。と言うか、触れてるってどうやって?ずっと手を繋いでいるのか?などと、飽和状態になりかけ。
一周回って、ため息をつく。
行けるものなら、行ってもらいたいのだ。服、なんとかしないといけないし。足元も、適当なサンダルをシャツと一緒に買っただけ。
「本当に平気?」
「大丈夫だ」
「…外に出た途端、具合悪そうだったけど、ここは大丈夫なの?」
「ああ」
外に出た瞬間、音が溢れた。なぜか、この中にはヴィルにとって不快な音が入ってこない。栞里の耳には、当たり前に外の喧騒も壁を隔てた向こうという距離感で聞こえてきているのだけれど。
「ヴィル、ちょっと離れて」
「…動いて良い。ついて行くから」
なんでこの人、こうなった?と思うが、まあ、ようやく外に出てみたら自由に動けないような劣悪な環境だったとなれば、そしてそこから楽になれるとなれば、自然な結果か?と栞里は強引に自分を納得させる。
抱きこまれて、尻尾でも抑えられているのは流石に動けないと伝えると、渋々体を離したヴィルが大きなごつごつした手を栞里の手に重ねてきた。やっぱり手を繋ぐのか、と思いながら、そこはもう、生存のために必要な条件なのだと飲み込んだ。
「坂の下に降って買い物しようと思ったんだけど。下の方が街中だから、登ろう。途中で今日、マルシェやっているはずだから、そこで調達する」
「マルシェ?」
「いろんなお店が一ヶ所に出ているの。ヴィルは食べ物はなにが好き?お肉?」
「…まあ、肉は好きだが」
話しながら栞里は手を動かしている。知り合いが出店しているはずなのだ。ちょうど、服飾を扱っているし。ついでに相談をしよう。どう見てもヴィルは日本人には見えない外見だし、飛行機のバゲッジトラブルで荷物がないから一通りとりあえず揃えたいのだと相談しよう。本人に聞いても遠慮して答えないが、男の人に必要なもの教えてと言ってみれば、教えてくれる気がしてきた。
差し入れのコーヒーを持って行きながらお願いしようと決めていると、隣で手元をのぞいているヴィルの尻尾が見るからに幸せそうに揺れている。この香りは、気に入ったらしい。
ヴィルは、後でゆっくり一緒に飲もうね、と伝えて、ホットとアイス、両方用意して持とうとすると、自然にヴィルが受け取ってくれる。
さすが、王子。と、勝手に王子認定しながら栞里はもう一つ、棚の中から木彫りのペンダントを取り出す。男性がつけても大丈夫なシンプルなデザインで、革紐になっているからなおさら抵抗はないだろう。
屈んで、とお願いをすると、なぜか何の疑いもなく屈んでくれる。無防備な人だなぁと思いながら、それを首からかけた。
「これは?」
「庭の木が前に少し枝が折れたことがあって。それを使って作ったの。この家のお守りの木だから、この家の中が大丈夫なら、ちょっとしたお守りにはなるかもしれない。ずっと、手を繋いでいるのは、無理だと思うのよね」
言った瞬間、栞里を握っている手に力が込められた。咎めるように。
いや。だって。服買うし。試着してもらうし。
と、気付かぬふりをしながら、自分の手を握り込む大きな手をまじまじと見た。長い指。骨張った大きな手。掌は硬くて、マメがあるのはきっと、剣を振るっったりしていたからなんだろうな、と。
初めてのお出かけは、10メートルも進まずに、引き返すことになった。
喫茶店の店内までは、良かった。むしろその空間をヴィルは興味深げに見回していたほどだった。その好奇心をたたえた目のまま、一歩外の道に出た瞬間、無意識に眉間にシワが寄る。悪寒がし、全身が緊張で強張った。総毛立つ想いで、それでも、その様子に気づいた栞里が気遣わしげな目を向けるのに、まだ大丈夫だと言える気がして言おうとしたとき、耳を覆いたくなるような、聞いたことのない轟音が近づいてくる。外は、騒音にあふれていた。
扉を開けて出た途端の音の洪水。ヴィルの聴覚は聞いたことのない様々な音を拾ってしまい、なんだか分からない音だからこそ神経を無意識のうちに使ってしまう。
そして、轟音を上げて近づいてきたもの。恐ろしい速さで動く何かは、吐き気を催す異臭を振りまいて通り過ぎた。
外に出た途端、気分が悪そうなヴィルに、これはダメだと戻ろうと言おうとした。栞里がそう言おうとしたとき、背後から車が坂を登ってくる。急勾配にふかし気味になる車が多く、時折アクセルを踏み直しているような音がする。最近は、排気ガスの匂いがきついと思うことも滅多に無くなっていたが、それはこの世界に慣れた人間の感覚なのだと、ヴィルを見て思い知った。
通り過ぎた車の排気ガスを浴びるような位置関係のとき、それまでもよくなかった顔色が、一気に真っ白になる。倒れてしまうのではないかと言う様子に、慌てて手を差し出した。この大柄な人を、栞里が支え切れるはずもないのだが。
「ヴィル、一度帰ろう」
気遣う声が耳元で何度も言う。背をさする手は優しい。見た目に反し、鍛えられたヴィルの体は厚みがあり、栞里の手は十分に背中に回らないが、届くところをじっと撫でていた。
支えるようにしているが、しゃがみ込みそれ以上動けない栞里の肩に、ヴィルは顔を埋めている。
心地よい香りが鼻腔をくすぐる。上がりすぎた心拍と、一気に引いた血の気が正常に戻っていくようだ。
「立てる?」
しばらくして栞里の声に促され、立ち上がる。その間、人通りがなくて良かったと栞里は思う。あれほどに具合の悪そうな人がいて、しかも助けに入ったと思しき栞里が身動きが取れない状況に陥っているのを見かけたら、躊躇わずに救急車でも呼ばれてしまっただろう。
医者が必要になった時。どうしよう、とそれもまた、考えなければいけない。獣医じゃないよね、と言う疑問は浮かんでしまったけれど許してもらおう。
ゆっくりと店内に入った瞬間、驚くほどに呼吸が楽になる。
この空間が、特殊なのだとヴィルは悟った。外の空気の悪さと音の洪水、異臭、体が取り込んだことのない吐き気を催す何か。そういったものが一切、遮断されているように思えた。
だが、そんな違いは栞里には分からない。
もう一つ。栞里も、この空間と同じだった。栞里が触れた瞬間に体が楽になり始めた。
ヴィルの疑念。庭の小さな泉と、大きな木。あれがヴィルの傷を癒したのではないか、と。魔力の回復も助けるのではないかと、試そうとしていたが。
それどころではなかった。栞里が住むこの空間の中では、魔法を使うのにこれまでと変わらず支障ない。だが、外に出た瞬間、幻惑の魔法を維持することが危険なほどに魔力を失っていった。
栞里にわかるのは、外の空気が、ヴィルに合わなかったと言うこと。ただ、彼の人よりはるかに優れた嗅覚と聴覚が耐えられなかったのだろうと想像するまでだけれど。それも間違ってはいない、が。
「ヴィル、辛そうだから。留守番していて?わたし、すぐに買い物行ってくるから…え、うひゃっ」
栞里がそう言った瞬間、想いに沈んでいたようなヴィルが驚くほどの速さで顔をあげた。そのまま、支えるように入ってきたときのまま至近距離にいた栞里を両腕でしっかり抱き抱え、あまつさえ、ふさふさとした尻尾まで巻きつけて逃したくない思いを溢れさせる。
思いがけないスキンシップに動揺した栞里はそのまま硬直したが、小刻みにこの、大きな体の凶器になりそうなくらい美しい人が震えていることに気づく。
背後から抱きこまれてしまえば、目に入ると動揺してしまうあの顔も体も見えないのだからちょっとは気楽だ。まあ、その逞しい体も腕も密着しているので、大差はないが。
腕と同じように巻きついてゆらゆら揺れる尻尾。とっくに、ヴィルの魔法は切れている。よく、この建物の中まで我慢したというくらいに、入った瞬間に解除されてしまった。その尻尾を不意打ちでギュッと掴む。
びくり、と大きく背後の体が揺れたなと思えば、痛いくらいに栞里の肩に額を擦り付けてくる。
大型犬に駄々捏ねられている気分だ、と思うが、買い物は行かなければならない。なぜなら、食べ物がないから。
「あの、すぐ帰ってくるから。行かないと、食べるものないんだよ」
「俺もいく」
「いや、無理しないで」
「もう大丈夫だ」
確かにもう大丈夫そう、には見えるが。
「シオリが触れてくれたら、大丈夫になった。だから、触れていてくれれば、外に出られる」
「ぅえ!?」
変な声、出ました。が、許してほしい。
こんな見た目の人と、そんな状態で外出?確実に注目を浴びる。と言うか、何こいつ、の視線、集めてしまう。と言うか、触れてるってどうやって?ずっと手を繋いでいるのか?などと、飽和状態になりかけ。
一周回って、ため息をつく。
行けるものなら、行ってもらいたいのだ。服、なんとかしないといけないし。足元も、適当なサンダルをシャツと一緒に買っただけ。
「本当に平気?」
「大丈夫だ」
「…外に出た途端、具合悪そうだったけど、ここは大丈夫なの?」
「ああ」
外に出た瞬間、音が溢れた。なぜか、この中にはヴィルにとって不快な音が入ってこない。栞里の耳には、当たり前に外の喧騒も壁を隔てた向こうという距離感で聞こえてきているのだけれど。
「ヴィル、ちょっと離れて」
「…動いて良い。ついて行くから」
なんでこの人、こうなった?と思うが、まあ、ようやく外に出てみたら自由に動けないような劣悪な環境だったとなれば、そしてそこから楽になれるとなれば、自然な結果か?と栞里は強引に自分を納得させる。
抱きこまれて、尻尾でも抑えられているのは流石に動けないと伝えると、渋々体を離したヴィルが大きなごつごつした手を栞里の手に重ねてきた。やっぱり手を繋ぐのか、と思いながら、そこはもう、生存のために必要な条件なのだと飲み込んだ。
「坂の下に降って買い物しようと思ったんだけど。下の方が街中だから、登ろう。途中で今日、マルシェやっているはずだから、そこで調達する」
「マルシェ?」
「いろんなお店が一ヶ所に出ているの。ヴィルは食べ物はなにが好き?お肉?」
「…まあ、肉は好きだが」
話しながら栞里は手を動かしている。知り合いが出店しているはずなのだ。ちょうど、服飾を扱っているし。ついでに相談をしよう。どう見てもヴィルは日本人には見えない外見だし、飛行機のバゲッジトラブルで荷物がないから一通りとりあえず揃えたいのだと相談しよう。本人に聞いても遠慮して答えないが、男の人に必要なもの教えてと言ってみれば、教えてくれる気がしてきた。
差し入れのコーヒーを持って行きながらお願いしようと決めていると、隣で手元をのぞいているヴィルの尻尾が見るからに幸せそうに揺れている。この香りは、気に入ったらしい。
ヴィルは、後でゆっくり一緒に飲もうね、と伝えて、ホットとアイス、両方用意して持とうとすると、自然にヴィルが受け取ってくれる。
さすが、王子。と、勝手に王子認定しながら栞里はもう一つ、棚の中から木彫りのペンダントを取り出す。男性がつけても大丈夫なシンプルなデザインで、革紐になっているからなおさら抵抗はないだろう。
屈んで、とお願いをすると、なぜか何の疑いもなく屈んでくれる。無防備な人だなぁと思いながら、それを首からかけた。
「これは?」
「庭の木が前に少し枝が折れたことがあって。それを使って作ったの。この家のお守りの木だから、この家の中が大丈夫なら、ちょっとしたお守りにはなるかもしれない。ずっと、手を繋いでいるのは、無理だと思うのよね」
言った瞬間、栞里を握っている手に力が込められた。咎めるように。
いや。だって。服買うし。試着してもらうし。
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