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【16歳】
【16歳】19 クロバイ・精霊の樹ver.
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《クロバイver.》
___おはよう、クロバイ___
早朝の凛とした空気の中…
誰もいない場所で私に呼び掛ける1本の大樹。
「あぁ…おはよう。」
あの時から眠っていた精霊の樹は杖の授与の儀式で目を覚ました。
精霊はまだ生み出すことは難しいだろうが、徐々に他の樹々達も目を覚すことだろう。
___最近、カヤが変わってきたわね___
「そうだな…表情が豊かになってきたな。」
精霊王にしては表情のある方だと思っていたのだが、シオン様のお世話を通じ王子と出会いお互い同じ者に惹かれて色々な感情を引き出されている様だ。
「フフッ…」
___あら、思い出し笑い?___
「まぁ…そんなところだ。」
私の時は相手をこちらに向かせたいがどうすれば良いのか分からず、ただただ思うだけだった。
しかしカヤはそうではない。
人間の様に日に日に表情が豊かになっていく。
王子も最初こそシオン様に相応しいとは思えず、カヤに向くように阻止していたが努力をしたのだろう…面白い人間に育ったものだ。
___貴方も変わって来たわね____
「私がか?」
そんなつもりはないのだが…
___そうよ。表情が出てきたわ___
私も…か。
それはきっと今のローズウッド家のお陰なのだろう。
___そうそう、クロバイ。ローズウッド家では年が変わる時に大切な人に贈り物をする習慣があるんですって?___
そう、精霊の樹が眠っている間…
シオン様が転生者としての記憶が戻られた時、転生前の習慣で「くりすます」という祝の事だと最近聞いたのだが、幼い頃に「新しい年に大好きな人へ新しい物を贈りたい。」という提案にアッシュ様達も賛同して贈り物交換として定着したのだ。
____大切な貴方に……妹達も起き始めているから…年が明けてからとは思うけど、近々母や妹達と力を合わせて大切な贈り物をするわ___
母…私やカヤを生んだ精霊の森にそびえ立つ大樹。
その後に生まれた王宮の樹やその他の場所に生まれた精霊の樹は妹なのだろう。
「私は…何を返せば良い?」
___貴方は精霊王として十分頑張ったわ。残りの人生を幸せに過ごす事が私達へのお返しよ___
残りの人生…
次代の精霊王は生まれた。
私は、それなりに最近は楽しんでいるのだが……更に楽しい事が待っているのか。
___貴方の新たな愛し子…運命の紐を繋げるわ。ただ昔の様に苦しい思いをして欲しくはないし…フフッ、私達もちょっと楽しませてちょうだい♪すぐには気付かないかも。貴方も宝探しの様に楽しんでちょうだい___
「愛し子ね…私以外にまた繋がるのなら」
___大丈夫♪今度は絶対貴方だけだから___
「私…だけ…ね。」
___あとね、贈り物を子ども達にもあげようと思うの___
「良いんじゃないか?」
___まずはシオンの夢の中にお話に行かなきゃねぇ♪___
その後精霊の樹は大人しくなった。
宝探しの様に…
「宝」なら今十分にもらっているのだが。
まぁ…流されてみるのも面白いか。
あぁ……日が登って来たな。
今日は王子達がこちらにお泊りになるから準備をせねば。
やる事が山積みだ。
私は屋敷へ足を向ける。
今日もローズウッド家の1日が始まる。
《精霊の樹ver.》
───その日の夜───
___シ…オン、シオン…___
「ん……あれ?貴女、誰?………ん?でも、この声??」
『フフフッ、こんにちは。う~ん、今はこんばんわ…かしら。』
う~ん…人の形は1000年振りなのよねぇ…
ちゃんと「人」になってるかしら?
『ごめんなさい、今ここは貴方の夢の中なのよ。はじめまして。私は貴方のお家の精霊の樹です♪』
「あ…じゃぁ、あの時の声は…」
『フフッ、聞こちゃった?今日はお話したくて来たの。』
たくさんお話したいけど…
今日は時間がないわねぇ。
『貴方は…「転生者」よね?』
「え!?えっと…その…あ…クロバイは知ってるから…良いのか?」
『そうそう、愛し子の魂を引き寄せてるのは母だからね。あ、母は精霊王を生む樹ね。でね、貴方が定着させた贈り物の交換なんだけど…』
「あぁ、クリスマス…じゃない、新年の贈り物ですか?」
『そう♪私もカヤやオークに贈り物をしたいのよ。貴方…まだ決まってないんでしょ?』
「うっ!確かに…そう…ですけど…」
フフフッ、貴方こないだ私の所で悩んでたものねぇ♪
『でね、提案があるのよ~。カヤとオークの夢の中に貴方が入って欲しいのよ。』
「2人の夢の中に?」
『そう。同時に夢を見せるわ。貴方には2日に分かれた感覚よ。だって後に見た方が可哀想でしょ?』
「………嫌な予感がして来た……その夢って………」
『そう!閨♪エッチな夢よ~』
「お姉さんの言うセリフじゃないっしょ?!何言ってんの⁉」
え~、だって2人が今一番喜びそうなのってこれなんだもの。
『夢だから…身体に負担は無いと思ったけど…現実で…頑張る?』
「ヒュッ!」
あ、想像したわね。
「……俺は…何をすれば……」
『カヤとオークの趣旨をちょっと取り込んで、貴方の転生前の記憶をちょっと借りるわ。だから貴方は何も考えなくて大丈夫。2人にはクロバイから話をする様に頼んでおくから。頑張れ♪』
「……アンタもか……」
『ん?なぁに?』
渋い顔をしたシオンの視界が歪む。
あら、夢が覚めるわね。
シオンには…何をあげようかしら。
フフフッ楽しみが増えるわ。
あぁ…私も眠くなっちゃった。
まだまだ力を取り戻してないわね。
ちょっと寝ましょ……
___おはよう、クロバイ___
早朝の凛とした空気の中…
誰もいない場所で私に呼び掛ける1本の大樹。
「あぁ…おはよう。」
あの時から眠っていた精霊の樹は杖の授与の儀式で目を覚ました。
精霊はまだ生み出すことは難しいだろうが、徐々に他の樹々達も目を覚すことだろう。
___最近、カヤが変わってきたわね___
「そうだな…表情が豊かになってきたな。」
精霊王にしては表情のある方だと思っていたのだが、シオン様のお世話を通じ王子と出会いお互い同じ者に惹かれて色々な感情を引き出されている様だ。
「フフッ…」
___あら、思い出し笑い?___
「まぁ…そんなところだ。」
私の時は相手をこちらに向かせたいがどうすれば良いのか分からず、ただただ思うだけだった。
しかしカヤはそうではない。
人間の様に日に日に表情が豊かになっていく。
王子も最初こそシオン様に相応しいとは思えず、カヤに向くように阻止していたが努力をしたのだろう…面白い人間に育ったものだ。
___貴方も変わって来たわね____
「私がか?」
そんなつもりはないのだが…
___そうよ。表情が出てきたわ___
私も…か。
それはきっと今のローズウッド家のお陰なのだろう。
___そうそう、クロバイ。ローズウッド家では年が変わる時に大切な人に贈り物をする習慣があるんですって?___
そう、精霊の樹が眠っている間…
シオン様が転生者としての記憶が戻られた時、転生前の習慣で「くりすます」という祝の事だと最近聞いたのだが、幼い頃に「新しい年に大好きな人へ新しい物を贈りたい。」という提案にアッシュ様達も賛同して贈り物交換として定着したのだ。
____大切な貴方に……妹達も起き始めているから…年が明けてからとは思うけど、近々母や妹達と力を合わせて大切な贈り物をするわ___
母…私やカヤを生んだ精霊の森にそびえ立つ大樹。
その後に生まれた王宮の樹やその他の場所に生まれた精霊の樹は妹なのだろう。
「私は…何を返せば良い?」
___貴方は精霊王として十分頑張ったわ。残りの人生を幸せに過ごす事が私達へのお返しよ___
残りの人生…
次代の精霊王は生まれた。
私は、それなりに最近は楽しんでいるのだが……更に楽しい事が待っているのか。
___貴方の新たな愛し子…運命の紐を繋げるわ。ただ昔の様に苦しい思いをして欲しくはないし…フフッ、私達もちょっと楽しませてちょうだい♪すぐには気付かないかも。貴方も宝探しの様に楽しんでちょうだい___
「愛し子ね…私以外にまた繋がるのなら」
___大丈夫♪今度は絶対貴方だけだから___
「私…だけ…ね。」
___あとね、贈り物を子ども達にもあげようと思うの___
「良いんじゃないか?」
___まずはシオンの夢の中にお話に行かなきゃねぇ♪___
その後精霊の樹は大人しくなった。
宝探しの様に…
「宝」なら今十分にもらっているのだが。
まぁ…流されてみるのも面白いか。
あぁ……日が登って来たな。
今日は王子達がこちらにお泊りになるから準備をせねば。
やる事が山積みだ。
私は屋敷へ足を向ける。
今日もローズウッド家の1日が始まる。
《精霊の樹ver.》
───その日の夜───
___シ…オン、シオン…___
「ん……あれ?貴女、誰?………ん?でも、この声??」
『フフフッ、こんにちは。う~ん、今はこんばんわ…かしら。』
う~ん…人の形は1000年振りなのよねぇ…
ちゃんと「人」になってるかしら?
『ごめんなさい、今ここは貴方の夢の中なのよ。はじめまして。私は貴方のお家の精霊の樹です♪』
「あ…じゃぁ、あの時の声は…」
『フフッ、聞こちゃった?今日はお話したくて来たの。』
たくさんお話したいけど…
今日は時間がないわねぇ。
『貴方は…「転生者」よね?』
「え!?えっと…その…あ…クロバイは知ってるから…良いのか?」
『そうそう、愛し子の魂を引き寄せてるのは母だからね。あ、母は精霊王を生む樹ね。でね、貴方が定着させた贈り物の交換なんだけど…』
「あぁ、クリスマス…じゃない、新年の贈り物ですか?」
『そう♪私もカヤやオークに贈り物をしたいのよ。貴方…まだ決まってないんでしょ?』
「うっ!確かに…そう…ですけど…」
フフフッ、貴方こないだ私の所で悩んでたものねぇ♪
『でね、提案があるのよ~。カヤとオークの夢の中に貴方が入って欲しいのよ。』
「2人の夢の中に?」
『そう。同時に夢を見せるわ。貴方には2日に分かれた感覚よ。だって後に見た方が可哀想でしょ?』
「………嫌な予感がして来た……その夢って………」
『そう!閨♪エッチな夢よ~』
「お姉さんの言うセリフじゃないっしょ?!何言ってんの⁉」
え~、だって2人が今一番喜びそうなのってこれなんだもの。
『夢だから…身体に負担は無いと思ったけど…現実で…頑張る?』
「ヒュッ!」
あ、想像したわね。
「……俺は…何をすれば……」
『カヤとオークの趣旨をちょっと取り込んで、貴方の転生前の記憶をちょっと借りるわ。だから貴方は何も考えなくて大丈夫。2人にはクロバイから話をする様に頼んでおくから。頑張れ♪』
「……アンタもか……」
『ん?なぁに?』
渋い顔をしたシオンの視界が歪む。
あら、夢が覚めるわね。
シオンには…何をあげようかしら。
フフフッ楽しみが増えるわ。
あぁ…私も眠くなっちゃった。
まだまだ力を取り戻してないわね。
ちょっと寝ましょ……
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