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【17歳】
【17歳】34 カヤver.
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「………はぁ………」
「シオン…大丈夫?」
「……ん~……ちょっと眠いんだよねぇ。」
最近シオンがよく眠る。
ただ眠るだけなら良いんだが……どうも魔力も不安定だ……
「ご飯は部屋で食べる?」
「…うん…その方が良いかなぁ。」
学園から戻ってフラフラしているシオンを早々に眠らせ、今日はこちらに来ると聞いていたオーク様を廊下で待っているとオーク様がやって来た。
「あ、カヤ。シオン……また寝たのか?」
「はい……ちょっと魔力も不安定ですね。」
「……そうか……お前はどう思う?」
「……今の俺の口からは何とも……取り敢えずはクロバイに相談してみます。」
「分かったら教えてくれ……で、お前は今からシオンの食事か?」
「えぇ。貴方がこちらに来るとヒイラギから伺ってましたので…貴方がいるなら少しエンジュとも相談がありますので…戻るまでシオンのそばに……」
「あぁ、そのつもりだ。」
今日はこちらに配置されている騎士の強化を兼ねての剣術訓練の視察と言っていたからクロバイへの相談は今は難しい。
取り敢えずはエンジュの元へ行き、ユズ様が収穫したものを調理してもらってテーブルトレイに乗せた。
___コンコン___
「じゃぁ、俺は部屋に戻る……また明日な…チュッ。」
シオンの頬にキスをしてオーク様が「頼む。」と囁いて部屋を出ていった。
「……よく眠れた?」
「うん、最近どうも眠くて…何でだろう?」
「クロバイに聞いてみるね。何か分かるかもしれない……それより今は……こっちかな。」
最近調子の悪いシオン様を心配してユズ様が「身体に良さそうなものを。」と、カイエに相談して育てた野菜をサンドイッチにしてもらった。
今回はサクラ様も頑張ったようだ。
「トマトやキュウリはユズ様が収穫したやつだよ。今回の果物はサクラ様も初めて挑戦したみたいだね。……早く元気になって欲しいって2人が頑張って収穫したらしいよ。」
「まぁ…学園に通えるくらいだから…大丈夫とは思うんだけど…あ、美味い♪」
美味いと言いながら食べているシオンだけど……いつもより食べるスピードは遅いし…少し身体はダルそうだった。
「なぁ……カヤも……一緒に食べよ?」
「うん。」
俺はベッドに上がってシオンの横に座る。
ふとシオンを見ると少し考え事をしている感じで食べる手が止まっていた。
「シオン…?」
「……あ……ゴメン、考え事してた。」
「お腹空いてなかった?」
「いや……そういう訳でもなかったんだけど……」
やはり…眠気の方が強いんだろうか……
「じゃぁ、下げてくるね。」
食事を下げに行って、戻ってきたらシオンは寝息を立てていた。
規則正しい呼吸に身体の辛さは感じないが……
やはりよく眠るという事はどこかに負担はあるのだろう。
その日の閨は俺の日だったので、警護という名目も兼ねて俺はそばで眠る事にした。
翌日朝……俺は少し早めに目が覚めた。
最近のシオンはふいに遠くへ行ってしまうのではないかと思う事が多い。
俺の元からいなくなる………いや…そんな事はさせない……俺は少し不安に駆られ、隣のシオンを引き寄せて腕にシオンの頭を乗せるとふにゃりと笑ったシオンがこちらに擦り寄って再び眠った。
ずっと……このままなら良いのに……
「……ん…シオン…起きた?」
暫くシオンを眺めていたら薄っすらと目を開けた。
「あれ……カヤ…何で?」
「警護も兼ねて……だけど……昨日の閨は俺だったでしょ?」
「……ぁ…俺……寝てた……」
「……一緒に眠るだけでも嬉しい………そばに……いさせて……」
こちらへ引き寄せるとシオンが目を瞑ったのでキスをする。
「……ん……」
小鳥の啄むようなキスにシオンは擽ったそうに笑った。
「……シオン……大好き…」
「……ん……俺も…好き……」
……大好き………愛してる………
何度も何度も愛を囁く。
シオンの口から紡ぐ「好き」がどんなに俺を舞い上がらせているか…分かってる?
キスだけでこんなに愛おしくなるの……分かってる………?
___コンコン___
「失礼致します。シオン様……学園へ向かうお時間ですが……」
「……あっ!本当だ!!」
「すみません!すぐに準備をします!」
2人で起き上がって急いで準備を行う。
その日も学園は通常通りこなせたようだが、シオンは眠いと帰宅後早々に眠ってしまった。
今日はオーク様の閨の日だ。
警護を兼ねてベッドへ一緒に眠る様だが………
「オーク様……くれぐれも……シオン様の眠りの妨げになる様なご無体は働かないようにお願いしますよ。」
「………お前なぁ…俺を何だと思ってんだ。しねぇよっ………それより……」
「えぇ……明日はクロバイと今回の件の相談をしますので少し時間が掛かるかと思います。昼までには戻りますので……シオンをよろしくお願いします。」
「分かった。」
俺はそのままクロバイと共に精霊の森へ行った。
「シオン…大丈夫?」
「……ん~……ちょっと眠いんだよねぇ。」
最近シオンがよく眠る。
ただ眠るだけなら良いんだが……どうも魔力も不安定だ……
「ご飯は部屋で食べる?」
「…うん…その方が良いかなぁ。」
学園から戻ってフラフラしているシオンを早々に眠らせ、今日はこちらに来ると聞いていたオーク様を廊下で待っているとオーク様がやって来た。
「あ、カヤ。シオン……また寝たのか?」
「はい……ちょっと魔力も不安定ですね。」
「……そうか……お前はどう思う?」
「……今の俺の口からは何とも……取り敢えずはクロバイに相談してみます。」
「分かったら教えてくれ……で、お前は今からシオンの食事か?」
「えぇ。貴方がこちらに来るとヒイラギから伺ってましたので…貴方がいるなら少しエンジュとも相談がありますので…戻るまでシオンのそばに……」
「あぁ、そのつもりだ。」
今日はこちらに配置されている騎士の強化を兼ねての剣術訓練の視察と言っていたからクロバイへの相談は今は難しい。
取り敢えずはエンジュの元へ行き、ユズ様が収穫したものを調理してもらってテーブルトレイに乗せた。
___コンコン___
「じゃぁ、俺は部屋に戻る……また明日な…チュッ。」
シオンの頬にキスをしてオーク様が「頼む。」と囁いて部屋を出ていった。
「……よく眠れた?」
「うん、最近どうも眠くて…何でだろう?」
「クロバイに聞いてみるね。何か分かるかもしれない……それより今は……こっちかな。」
最近調子の悪いシオン様を心配してユズ様が「身体に良さそうなものを。」と、カイエに相談して育てた野菜をサンドイッチにしてもらった。
今回はサクラ様も頑張ったようだ。
「トマトやキュウリはユズ様が収穫したやつだよ。今回の果物はサクラ様も初めて挑戦したみたいだね。……早く元気になって欲しいって2人が頑張って収穫したらしいよ。」
「まぁ…学園に通えるくらいだから…大丈夫とは思うんだけど…あ、美味い♪」
美味いと言いながら食べているシオンだけど……いつもより食べるスピードは遅いし…少し身体はダルそうだった。
「なぁ……カヤも……一緒に食べよ?」
「うん。」
俺はベッドに上がってシオンの横に座る。
ふとシオンを見ると少し考え事をしている感じで食べる手が止まっていた。
「シオン…?」
「……あ……ゴメン、考え事してた。」
「お腹空いてなかった?」
「いや……そういう訳でもなかったんだけど……」
やはり…眠気の方が強いんだろうか……
「じゃぁ、下げてくるね。」
食事を下げに行って、戻ってきたらシオンは寝息を立てていた。
規則正しい呼吸に身体の辛さは感じないが……
やはりよく眠るという事はどこかに負担はあるのだろう。
その日の閨は俺の日だったので、警護という名目も兼ねて俺はそばで眠る事にした。
翌日朝……俺は少し早めに目が覚めた。
最近のシオンはふいに遠くへ行ってしまうのではないかと思う事が多い。
俺の元からいなくなる………いや…そんな事はさせない……俺は少し不安に駆られ、隣のシオンを引き寄せて腕にシオンの頭を乗せるとふにゃりと笑ったシオンがこちらに擦り寄って再び眠った。
ずっと……このままなら良いのに……
「……ん…シオン…起きた?」
暫くシオンを眺めていたら薄っすらと目を開けた。
「あれ……カヤ…何で?」
「警護も兼ねて……だけど……昨日の閨は俺だったでしょ?」
「……ぁ…俺……寝てた……」
「……一緒に眠るだけでも嬉しい………そばに……いさせて……」
こちらへ引き寄せるとシオンが目を瞑ったのでキスをする。
「……ん……」
小鳥の啄むようなキスにシオンは擽ったそうに笑った。
「……シオン……大好き…」
「……ん……俺も…好き……」
……大好き………愛してる………
何度も何度も愛を囁く。
シオンの口から紡ぐ「好き」がどんなに俺を舞い上がらせているか…分かってる?
キスだけでこんなに愛おしくなるの……分かってる………?
___コンコン___
「失礼致します。シオン様……学園へ向かうお時間ですが……」
「……あっ!本当だ!!」
「すみません!すぐに準備をします!」
2人で起き上がって急いで準備を行う。
その日も学園は通常通りこなせたようだが、シオンは眠いと帰宅後早々に眠ってしまった。
今日はオーク様の閨の日だ。
警護を兼ねてベッドへ一緒に眠る様だが………
「オーク様……くれぐれも……シオン様の眠りの妨げになる様なご無体は働かないようにお願いしますよ。」
「………お前なぁ…俺を何だと思ってんだ。しねぇよっ………それより……」
「えぇ……明日はクロバイと今回の件の相談をしますので少し時間が掛かるかと思います。昼までには戻りますので……シオンをよろしくお願いします。」
「分かった。」
俺はそのままクロバイと共に精霊の森へ行った。
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