可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

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家に帰ると不機嫌なジルコンが待っていた。

「……ロード様、ベリル様……朝帰りとは……どうなんですかねぇ……」

「だって、ガーネット嬢はお泊りって聞いたし。」
「いやだって、離れたくないって可愛いことを言われたし…」

「……いや、良いんですよ?伴侶として迎えてくれようとしているんですから。でもね……順序ってもんがあるでしょう…特にベリル様。」

いやんっ…ウチの父より怖いっっ!
もう、最近ウチの両親「2人のことはジルコンセキュリティがしっかりしてるから安心」って、仕事増やしたんだよな。
しかも2人の時間も増やしやがった…本当に3人目が…近いっ!

「それは…」
「それは…ジルコン!そのことで…報告があるっ!!」

「あら、言っちゃった。」
「お、早いな。」

ロードとガーネットには朝食で報告済みだ。

「私達は少し席を外すわ。ロード、ベリル様がお話の間にお茶をいかが?御者の方も休憩が必要でしょ?」

「そうだな…君とは離れがたい。」

「あっ!もうっ…!!」

「おかえりなさいませガーネット様!ジルコンさん、お2人は私に任せて…さぁ、ネタを…じゃなかった、事情を聞いてきて下さいね。さぁ、参りましょう。」

コーラルが俺達の間に入って、ロードとガーネットを連れて行き、俺達は客間へと移動した。

「……じゃぁ、言い訳を聞こうか。」

ジルコン、敬語じゃなくなる程怒ってる?

「……ジルコ「リオ、俺が言う。」」

ベリルが手を握って俺を制した。

「…ジルコン、俺は…リオと婚約することを決めた。」

「……」

「俺が隣国の王子で、リオが心配なのは分かる。それに後継者についてもだ。それについては、今日父へ手紙を出して近日中にフォスター公に正式に話し合いの場を持とうと思っている。俺は……リオを、愛している。」

「ベリル…」

「ごめん、リオ。好きじゃ足りない、愛しているんだ。もう、婚約なんて待ってられない…結婚して欲しい。」

「…俺「は~い、待った。行きすぎだ、お子ちゃまっ。」」

ジルコンは俺の目を塞ぐ。
手を握って俺を見る目が熱くて…思わず俺もと、言いそうになった。
…そうだよな、まだ早いよなっ。

「リオは本気の恋愛をしたことがない。今までのご令嬢はお友達止まりだ。お前達の様な駆け引きも経験はない。そんな恋愛初心者相手に結婚は認めない。まずは正式に婚約してお付き合いだ。」

そういや、俺…転生前もまともな恋愛してなかったな。
エッチの経験は女の子とは転生前にあったけど…現世では男どころか女も経験ない。

「ほら、言葉だけでこれだ。しっかりリードしろよ、王子様?」

「じゃぁ…認めて…」

「それだけしっかりとした考えで来てるならな。ダメとは言えないだろ?ただし、リオを泣かせるなら…お前の国をぶっ潰してでもリオを返してもらうからな。」

本当に過保護だよなぁ、ジルコン。
これ、ロードにも言ってたよな?

「当たり前だ。泣かせはしない。」

「…あと…王子への言葉遣いに敬意を示さなくて悪かった。」

王子への言葉遣い。
ロードもベリルとは幼馴染みたいなもんだから、俺達同様敬語は無しで良いと言われている。
普通じゃ不敬罪だ。

「いや…俺もロードの様に話してくれて…嬉しいよ。これからもその話し方にしてくれ。」

しっかりとした目でジルコンを見るベリルは…カッコイイ……俺、やっぱりベリル…好きだ。

「分かった。じゃぁ…俺も、そろそろ子離れだなぁ…」

ベリルが寂しそうに言った。

「でも、新しい出会いはあったんじゃないの?こないだのオニキスとか。」

「バッ…お前なんで知っ…」

「ん、オニキス?何で?そういや、オニキスと酒の勝負したんだって⁉凄いよな~オニキス!ジルコンって、お酒強いのに。」

ベリルに言われてバツの悪そうな顔してるけど…何かあったのか?

「いや…元はと言えば、お前がブレスレットを忘れたから。」

「ジルコン?」

「何でもない。取り敢えず、正式に婚約者となるまではお泊り禁止だ!良いなっ!!」

ジルコンがそう言い切ると、部屋を出ていってしまった。
うん、ますます々お父さんぽいな。

「リオ…離れたくない。」

ジルコンがいなくなったと同時にベリルに抱き締められた。

「…恥ずかしいよ。」

流石に家の中じゃ、誰に見られてるか…
……ハッ!いたじゃん!!

___バッ!___


俺はベリルから離れて周囲を確認した。

「ベリルッ、ここではイチャイチャ禁止っ!」

「何でだよっ!やっと思いが通じ合ったのに!ロード達はイチャイチャしてるじゃないか!」

「いや…っ…その……」

___コンコン ガチャ!___

「失礼致します、そろそろお戻りのお時間で……あっと!失礼っ!!ドアが勝手にぃっっ♡」

そうそう、コイツ。腐女子のパールだよっ!
ノックと開く間が短いんだけど⁉

「……『チッ』………大変失礼致しました、ベリル様。そろそろ王宮にお戻りになるので呼んでくるようにとロード様が。」

ずっと一緒にいたがっているロードが呼ぶわけねぇだろ。
…ジルコンだな。
しかも舌打ちしたよ、この人。

「わざわざありがとう。じゃぁ…リオ…見送ってくれる?」

「うん、もちろんだよ。」

差し出された手を握る。
…横で目が光った人がいるけど…もう、これくらいで狼狽えたり…しない。うん、しないぞっ!
俺達が玄関へ向かうと、ガーネットの部屋の方からロード達も同じように手を繋いでやって来た。

「帰りたくないな。」

「全くだ。」

「帰したくありませんわ。」

ベリルとロードの言葉にガーネットはすぐに反応する…俺は…

「そこは…『帰したくない』…だろ?」

「ぴゃっ!」

寂しくて黙っていたら、こっそりとベリルが囁いた。

「フフッ、じゃぁ…また学園で。」

2人は王宮へと戻って行った。
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