乙女ゲームの攻略対象に転生したのは良いが、相手は聖女ではなくイケメンに成長した神子でした

mana.

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卒業してからのランディは。

「アドル。」

「お~、ランディ。」

___次の日___

「アドル~。」

「お~、ランディ。」

___また次の日___

「アドルッ。」

「お~…ランディ…」

……来すぎじゃね?もう1ヶ月よ⁉
毎日通って学園より通ってんじゃねぇかっ。

「はい、アドル。休憩したら?お水持ってきた。」

「おぅ、ありがとな。」

俺に渡したマグカップ…お前が持参して置いてったヤツだよね?…何気にこれカップルマグだよな?
何か気が付いたら俺の部屋にランディの物が侵食されてんだけど。

「アドル、今日は何を作ってるの?」

「あ、これか?」

ゲームでは無かったものだけど、俺はここに来てから家庭内菜園にハマッていて色々と育てている。
薬草のハーブもあるけど今回のは…

「フフフ…トマトだ。」

「トゥマトゥ?」

「トマトな、ト・マ・ト。赤い実で生でも焼いても煮ても美味い。」

「へぇ…」

トマトに似たの苗を偶然手に入れ、リナルドと一緒に改良をして転生前の味に近付けたはず。
バジルは既に育てているし、あとはチーズをどうやって手に入れるかだが。

「カルロも食べたがってるからなぁ、出来たら一緒にピザを作って食べようかと思って。」

「ピザ…カルロと?」

「あぁ、アイツこういう料理が好きだから。」

カルロは夏の守護なせいか、夏の料理を特に好む。
ゲームの俺も設定では冬の料理が好きだったが、転生した俺なので四季折々を楽しみたい。
一緒に食べる相手がいると楽しいし、カルロは飲みっぷりも良いのでピザを作ったらエールで飲みながら話すのも良いな。
……あ、ならリナルドにピザ窯の設計図頼まなきゃな。

「俺は?」

「ランディも食べるのか?」

神子がこんなジャンクなのを食べても良いのか…ま、ランディが食べたいと言ってるなら大丈夫か。

「ピザって食べ物知らないし…美味しそうだし……それに、カルロと2人だけなんて…ズルい。」


……ズルい……


___ピーーーン☆___


「あ、食べてみたいなら挑戦するか。それにお前も学園を卒業して酒が飲めるしな。酒も限界を知っておこうか。」

「良いの?」

ランディはカルロ狙いか。
そっかぁ、将を射とする者は…ってヤツだな。
うんうん、喜んで馬になってやるぜ☆

「あぁ、カルロとはいつも2人で食べる時は酒も飲むからな。ただ2人の時は結構下町な食事だぞ?上品じゃないけど大丈夫か?」

「クスクス、何言ってんの?俺、元々孤児院育ちだよ?手掴みとか普通にあったし、街のお祭りとかも連れて行ってもらった時の串物とかもあったから食べ歩きも経験済だよ。」

「あっ、そうだった。」

ウッカリ忘れてた。
そうだったよな、俺よりしっかりここの一般市民を知ってんじゃん。

「でも、トゥマ…トマトは知らない。遠い国の物なの?」

「いや、あまり出回って無い物なんだよ。国の特産品になればと思ってな。ピザは……あ、そうそう。文献で見ていつかは作ってみたいと思ってたんだよ。」

この世界のトマトは転生前のトマトより青臭い物もあり、今回の品種改良を加えた物を活かせれば今後流通に乗せれるばず。
ピザはこの世界にはなかったみたいだから抱き合わせで売るのも良いだろう。

「守護者の仕事じゃない気がするけど。」

「まぁ、趣味の一環だよ。俺は野菜を美味しく食べたいの。」

この世界はどれも見栄えは良いけど味がイマイチなんだよなぁ。
婆ちゃんが農家だった知識を活かして改良をしていけば、金属しか輸出のないこの国の特産品もできるはず。

「ふ~ん…」

「あ、こんな話してもつまんねぇよな。」

「ううん、アドルの話はいつも勉強になるよ。」

うんうん、カルロの為に仲の良い俺に気に入られようと頑張ってんな。
じゃあ、俺も頑張ってサポートしなきゃな。

「カルロは夏の野菜が好きだからキュウリやピーマンも育てるんだけど、今から一緒に種を撒いてみるか?」

「うんっ。」

不思議な事に二十日大根並に早く育つんだよな。
リナルドに作ってもらった栄養剤の成分が恐ろしくて聞けないけど、人体に影響ないから大丈夫なんだろう。

「ねぇ、アドル。」

「ん~、何だ。」

「カルロとだけじゃなくて、俺とも食事…してよね。」

___キュンッ___

俯きつつ拗ねた顔をして呟くその姿。
妹じゃなくてもキュンッて、なるな。

「おぅ、任せとけ。」

久々に兄ちゃん魂に火が吹くぜっ!
頑張ってお前とカルロと引っ付けるからなっ!


*************


「……おまへぇ~…ホントに…初めて飲んだのかぁ?」

「強ぇ~…」

「クスクス、そうかなぁ。」

リナルドにピザ窯の設計図を作って貰い、カルロと俺で設置。
その後で仕事の後の1杯と、カルロとエールを飲んでいたらランディがやって来て自分も飲みたいと話すから飲ませたらとんでもなかった。
コイツ、俺達より強い。
水の様に読むから俺達もつられて飲んでしまい、気が付いたらこの状態。
…空きっ腹に一気飲みはいけないって転生前に学習してたはずなのに…
いつもの半分の量で酔ってしまった。
ここのエール、アルコール度数高いんだよな。

「アドルゥ~俺、今日は帰るう~。」

「大丈夫かぁ~泊まってくかぁ?」

「いやぁ~、明日はリナルドと用事があるからさぁ~近いとはいえ自分の部屋で寝たい~。」

そう言うとフラフラしながらカルロは帰り…

「あ~、じゃあランディも…」

「あ…俺、少し酔っちゃったかも…泊まって…良い?」

フラリとふらついて俺の肩に頭を乗せた。
頬をピンクに染めて潤んだ瞳。
やっぱり酔ってたのか。顔に出にくいタイプかもな。
初めての酒だからなぁ…何かあっては危険だ。

「分かった。」

「うん♡」

その後しっかりとした足取りだった気もするけど、それは俺の気のせいだったかもしれない。
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