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第68話 光と絶望①
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「おいっ! あおを返せ!」
「葵大丈夫!?」
葵の目の前に現れたのは──龍華だった。
数十人と戦ったであろう菖人と桃李は息も切らさずドアの前に立っていた。
菖人と桃李はそのまま葵に駆け寄る。
そんな2人を阻まもうとする男達は菖人と桃李の後ろにいた桔平を含む3人によりボコボコにされた。
「なんで……?」
葵は自分の手首のロープを解く菖人に問いかける。
その声は切なく今にも消えてしまいそうだ。
「なんでって電話かけたら呼び出されたから?」
菖人はそう言うと安心させるかのように笑って見せた。
「え、待って……龍華じゃん」
ボコボコにされた黒蛇の1人がそう口にする。
「白狼はどこだ!」
床に寝転んだままの蛇塚が血相を変え怒鳴り散らす。
「呼んだか?」
声のする方を見ると、ドアの前には竜達がいた。
「え……。みんな……」
「(無事でよかった)」
竜達の姿を確認した葵は安堵の表情を浮かべる。
「え、なんで龍華がいるの!?」
日向は驚き声をあげると竜に視線を移す。
「なんでいる?」
竜はそう言うと菖人をじっと睨みつけた。
「こいつと知り合いで、電話かけたら呼び出されたからここにいる。あおが白狼のお姫様だっていうのは知ってたからちゃんと電話しただろ?」
「電話?」
「理事長から連絡あったのがそうなんじゃないっすか?」
眉間に皺を寄せる竜に後方から蓮が口を挟む。
「あれか……」
「白狼の連絡先なんて知らねぇからな」
あの時、電話を終えた菖人はすぐさま萩人に連絡をした。
そして、萩人から白狼に連絡が行き、竜達が来たというわけだ。
「な、なんで龍華がいんだよ!!」
応援にでも来たのだろうか。
まだ元気な様子の男が竜達を押しのけドアから顔を出す。
「結紫(ユウシ)?」
床でくたばる金髪は突然現れた茶髪の男を見上げる。
息を切らした様子の男、その口元には銀色のピアスが付いていた。
「おい! 龍華の総長は誰だ?」
「俺だ」
菖人はそう言うと葵の前に立つ。
その隣には桃李がいて、2人で葵を隠した。
「お前じゃない! いただろ黒猫に攻めて来た時にフードを被った奴が!」
男の返答に菖人と桃李が互いの顔を見合わせる。
「(黒猫……っ! なんで、黒蛇が龍華の総長だったあたしを探してるんだ?)」
わけがわからない葵はただ目の前に立つ2人を見上げることしかできなかった。
膝の上に置かれた両手はきつく握りしめられていた。
「黒猫……俺の前にやってた総長か?」
「そうだ! どこ行った! なんでお前が総長なんだ!」
「(菖人が総長やってるのはあたしが指名したからなんだけど……酷い言われようだな)」
「どこ行ったかは俺も知らない……。急に辞めちまったから」
「なんだよそれッ……! お前たちの……お前たちのせいで! 凌駕(リョウガ)は死んじまったんだよ!」
「……!」
菖人と桃李は驚きのあまり声が出ないでいた。
その後ろには青ざめた顔をした葵がいた。
「葵大丈夫!?」
葵の目の前に現れたのは──龍華だった。
数十人と戦ったであろう菖人と桃李は息も切らさずドアの前に立っていた。
菖人と桃李はそのまま葵に駆け寄る。
そんな2人を阻まもうとする男達は菖人と桃李の後ろにいた桔平を含む3人によりボコボコにされた。
「なんで……?」
葵は自分の手首のロープを解く菖人に問いかける。
その声は切なく今にも消えてしまいそうだ。
「なんでって電話かけたら呼び出されたから?」
菖人はそう言うと安心させるかのように笑って見せた。
「え、待って……龍華じゃん」
ボコボコにされた黒蛇の1人がそう口にする。
「白狼はどこだ!」
床に寝転んだままの蛇塚が血相を変え怒鳴り散らす。
「呼んだか?」
声のする方を見ると、ドアの前には竜達がいた。
「え……。みんな……」
「(無事でよかった)」
竜達の姿を確認した葵は安堵の表情を浮かべる。
「え、なんで龍華がいるの!?」
日向は驚き声をあげると竜に視線を移す。
「なんでいる?」
竜はそう言うと菖人をじっと睨みつけた。
「こいつと知り合いで、電話かけたら呼び出されたからここにいる。あおが白狼のお姫様だっていうのは知ってたからちゃんと電話しただろ?」
「電話?」
「理事長から連絡あったのがそうなんじゃないっすか?」
眉間に皺を寄せる竜に後方から蓮が口を挟む。
「あれか……」
「白狼の連絡先なんて知らねぇからな」
あの時、電話を終えた菖人はすぐさま萩人に連絡をした。
そして、萩人から白狼に連絡が行き、竜達が来たというわけだ。
「な、なんで龍華がいんだよ!!」
応援にでも来たのだろうか。
まだ元気な様子の男が竜達を押しのけドアから顔を出す。
「結紫(ユウシ)?」
床でくたばる金髪は突然現れた茶髪の男を見上げる。
息を切らした様子の男、その口元には銀色のピアスが付いていた。
「おい! 龍華の総長は誰だ?」
「俺だ」
菖人はそう言うと葵の前に立つ。
その隣には桃李がいて、2人で葵を隠した。
「お前じゃない! いただろ黒猫に攻めて来た時にフードを被った奴が!」
男の返答に菖人と桃李が互いの顔を見合わせる。
「(黒猫……っ! なんで、黒蛇が龍華の総長だったあたしを探してるんだ?)」
わけがわからない葵はただ目の前に立つ2人を見上げることしかできなかった。
膝の上に置かれた両手はきつく握りしめられていた。
「黒猫……俺の前にやってた総長か?」
「そうだ! どこ行った! なんでお前が総長なんだ!」
「(菖人が総長やってるのはあたしが指名したからなんだけど……酷い言われようだな)」
「どこ行ったかは俺も知らない……。急に辞めちまったから」
「なんだよそれッ……! お前たちの……お前たちのせいで! 凌駕(リョウガ)は死んじまったんだよ!」
「……!」
菖人と桃李は驚きのあまり声が出ないでいた。
その後ろには青ざめた顔をした葵がいた。
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