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16話。暗殺集団を蹴散らして奴隷にする
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「……ちょうど良い。【水の聖女】も始末するぞ」
「何んですって?」
意外な発言に、私は驚嘆した。
す、スゴイ。
元々、この私──【水の聖女】を始末するつもりでいたなんて……これは背後に相当な大物がいるようね。
私は、じ~んと感動した。
こんなレベルの高い殺し屋集団と遭遇できたなんて……
「神様、彼らと出会わせてくれたことを感謝します!」
私は思わず、神様に感謝を捧げてしまった。
むふふっ、これは奴隷にしがいがあるわ。
「なに……?」
「まさか、我らの襲撃を予見していた?」
「その上で、勝てると……何か魂胆が?」
微笑む私に、殺し屋たちは、一瞬かなり動揺していた。
「動じるな。【灼熱息吹】!」
しかし、彼らはすぐに手をかざして、一斉に視界を埋め尽くすほどの火炎を放つ。
私はロイドの首根っこを掴んで、後ろに飛び退いた。猛火を浴びた街路樹が、一瞬で炭化する。
かすりでもしたら、私はともかくロイドは火傷じゃ済まなかった筈よ。
「……助かりました! こいつら、1人1人がSランク冒険者級の実力者ですぜ」
「へぇ……」
確かに今のは、ゲーム後半に登場する上位魔法の【灼熱息吹】だった。
これ程の魔法を瞬時に、しかも一糸乱れぬ統率の元に発動できるなんて、かなりの訓練を積んでいると思われるわ。
「その身のこなし。貴様、人間か……?」
奴らに人間かと問われて、内心、ギクッとなる。
氷で造った青のカラーコンタクトで変装しているけど、私が魔族だとバレたらマズイわ。
「これこそ、私が神様より授かった聖女の力よ!」
とりあえず、全力で胸を張って主張しておく。
「あなたたち、今すぐ降参して、私の下僕になると誓えば、痛い目にあわせないであげるわ」
「笑止。我らに悔い改めろと?」
「そうよ! これからは私の手足となって、働くのよ!」
「貴様の慈善事業の手伝いなど、御免こうむる……!」
男たちは私たちを足早に包囲してきた。
彼らは手際よくボウガンの矢を装填して発射してくる。私の氷の魔剣を警戒して、遠距離攻撃に徹するみたいね。
ロイドを守りながらの戦いは、かなりキツイわ。
「ロイド、離脱よ!」
「はいぃいいッ!?」
私はロイドの首根っこを掴んで、向かいの建物の2階までぶん投げた。ロイドは悲鳴を上げながら、窓を突き破る。
「……あの男を逃がした?」
「しょせんは慈悲深いだけの小娘だな!」
男たちは投擲のポーズの私に、【灼熱息吹】とボウガンの矢を時間差で浴びせてきた。
【氷壁】の防御を炎魔法で撃ち破り、矢で私を射殺しようという魂胆ね。
だけど、甘いわ。
「消滅しなさい!」
【絶対零度剣】を、私は片手で振るった。
絶対零度の魔力が【灼熱息吹】の猛火を掻き消し、矢もことごとく粉砕する。
「……バカな!?」
ちょっと防御がギリギリで焦ったけど、私は涼しい笑みを浮かべる。
「ふっ、この程度かしら。じゃあ反撃開始ね。お礼は、たっぷりしてあげるわ」
「……いったん退くぞ、今の戦力では殺しきれん!」
「はっ!」
男たちは素早い身のこなしで、全員がバラバラの方向に向かって逃げ出した。
「えっ!? ちょ、ちょっと、待って……!?」
まさか、一転して逃げるとは思わず、私は焦った。
これから、魔王の力を見せつける筈が、不完全燃焼じゃないの。
せっかく強くてカッコいい暗殺者の奴隷を手に入れようと思ったのに!
だけど、男の1人が、ロイドを投げ込んだ建物に入るのを見て、すべきことを決める。
「……まさかロイドを始末していく気!?」
私の配下を殺そうなんて、絶対に許せないわ。
私は一足飛びで、その男に追いつくと、背中に手を当てて、その身体に直接【氷結】の魔法を注ぎ込んだ。
これなら、どんなに魔法防御の高い装備をしていようと効く筈よ。
「あっ、赤い目だと!?」
振り返った男は、私の目を見て驚愕した。
その瞬間、男の全身が凍りつき、生きたまま氷塊に閉じ込められる。
「ヤバッ!? 炎で、カラコンが溶けた!?」
思わず慌てふためく。
高熱の火炎を連続で浴びせられて、変装用の極薄氷レンズが溶けてしまったんだわ。
すぐさま、予備のカラーコンタクトを保冷ケースから取り出して、瞳に装着する。万が一の時に備えて、予備を用意していて本当に助かったわ。
……もう予備は無いけど。
今後は火の魔法には気をつけなくちゃだわ。
敵地で魔族だとバレたら、最悪よ。
「ふぅ~……この男には見られちゃったけど、奴隷契約を結べば大丈夫よね」
私は氷漬けにした男に、奴隷契約を強要する呪いをかける。男の手に、私の奴隷であることを示す刻印が浮かんだ。
「よし、奴隷ゲット!」
「アンジェラ様、奴らを我が下僕の犬たちに追跡させております。吉報をお待ちくだされ」
腰袋に入れた通信魔導具の小型水晶玉からワイズおじいちゃんの声が聞こえてきた。
私を見守るべく、彼が使役する犬たちが、私の後を付いてきてくれていた。頼もしいわね。
「ありがとう。じゃあ、よろしくね。あの男たちの潜伏先を徹底的に探って頂戴。全員、奴隷にしたいから」
「御意!」
まさか、【水の聖女】と思われている私を殺そうとしてくるなんて……
目的不明、正体不明の暗殺集団の出現は燃えるけど、【大地の聖女】を手に入れるための障害になるかも知れないから、早めに対処しなくちゃね。
「何んですって?」
意外な発言に、私は驚嘆した。
す、スゴイ。
元々、この私──【水の聖女】を始末するつもりでいたなんて……これは背後に相当な大物がいるようね。
私は、じ~んと感動した。
こんなレベルの高い殺し屋集団と遭遇できたなんて……
「神様、彼らと出会わせてくれたことを感謝します!」
私は思わず、神様に感謝を捧げてしまった。
むふふっ、これは奴隷にしがいがあるわ。
「なに……?」
「まさか、我らの襲撃を予見していた?」
「その上で、勝てると……何か魂胆が?」
微笑む私に、殺し屋たちは、一瞬かなり動揺していた。
「動じるな。【灼熱息吹】!」
しかし、彼らはすぐに手をかざして、一斉に視界を埋め尽くすほどの火炎を放つ。
私はロイドの首根っこを掴んで、後ろに飛び退いた。猛火を浴びた街路樹が、一瞬で炭化する。
かすりでもしたら、私はともかくロイドは火傷じゃ済まなかった筈よ。
「……助かりました! こいつら、1人1人がSランク冒険者級の実力者ですぜ」
「へぇ……」
確かに今のは、ゲーム後半に登場する上位魔法の【灼熱息吹】だった。
これ程の魔法を瞬時に、しかも一糸乱れぬ統率の元に発動できるなんて、かなりの訓練を積んでいると思われるわ。
「その身のこなし。貴様、人間か……?」
奴らに人間かと問われて、内心、ギクッとなる。
氷で造った青のカラーコンタクトで変装しているけど、私が魔族だとバレたらマズイわ。
「これこそ、私が神様より授かった聖女の力よ!」
とりあえず、全力で胸を張って主張しておく。
「あなたたち、今すぐ降参して、私の下僕になると誓えば、痛い目にあわせないであげるわ」
「笑止。我らに悔い改めろと?」
「そうよ! これからは私の手足となって、働くのよ!」
「貴様の慈善事業の手伝いなど、御免こうむる……!」
男たちは私たちを足早に包囲してきた。
彼らは手際よくボウガンの矢を装填して発射してくる。私の氷の魔剣を警戒して、遠距離攻撃に徹するみたいね。
ロイドを守りながらの戦いは、かなりキツイわ。
「ロイド、離脱よ!」
「はいぃいいッ!?」
私はロイドの首根っこを掴んで、向かいの建物の2階までぶん投げた。ロイドは悲鳴を上げながら、窓を突き破る。
「……あの男を逃がした?」
「しょせんは慈悲深いだけの小娘だな!」
男たちは投擲のポーズの私に、【灼熱息吹】とボウガンの矢を時間差で浴びせてきた。
【氷壁】の防御を炎魔法で撃ち破り、矢で私を射殺しようという魂胆ね。
だけど、甘いわ。
「消滅しなさい!」
【絶対零度剣】を、私は片手で振るった。
絶対零度の魔力が【灼熱息吹】の猛火を掻き消し、矢もことごとく粉砕する。
「……バカな!?」
ちょっと防御がギリギリで焦ったけど、私は涼しい笑みを浮かべる。
「ふっ、この程度かしら。じゃあ反撃開始ね。お礼は、たっぷりしてあげるわ」
「……いったん退くぞ、今の戦力では殺しきれん!」
「はっ!」
男たちは素早い身のこなしで、全員がバラバラの方向に向かって逃げ出した。
「えっ!? ちょ、ちょっと、待って……!?」
まさか、一転して逃げるとは思わず、私は焦った。
これから、魔王の力を見せつける筈が、不完全燃焼じゃないの。
せっかく強くてカッコいい暗殺者の奴隷を手に入れようと思ったのに!
だけど、男の1人が、ロイドを投げ込んだ建物に入るのを見て、すべきことを決める。
「……まさかロイドを始末していく気!?」
私の配下を殺そうなんて、絶対に許せないわ。
私は一足飛びで、その男に追いつくと、背中に手を当てて、その身体に直接【氷結】の魔法を注ぎ込んだ。
これなら、どんなに魔法防御の高い装備をしていようと効く筈よ。
「あっ、赤い目だと!?」
振り返った男は、私の目を見て驚愕した。
その瞬間、男の全身が凍りつき、生きたまま氷塊に閉じ込められる。
「ヤバッ!? 炎で、カラコンが溶けた!?」
思わず慌てふためく。
高熱の火炎を連続で浴びせられて、変装用の極薄氷レンズが溶けてしまったんだわ。
すぐさま、予備のカラーコンタクトを保冷ケースから取り出して、瞳に装着する。万が一の時に備えて、予備を用意していて本当に助かったわ。
……もう予備は無いけど。
今後は火の魔法には気をつけなくちゃだわ。
敵地で魔族だとバレたら、最悪よ。
「ふぅ~……この男には見られちゃったけど、奴隷契約を結べば大丈夫よね」
私は氷漬けにした男に、奴隷契約を強要する呪いをかける。男の手に、私の奴隷であることを示す刻印が浮かんだ。
「よし、奴隷ゲット!」
「アンジェラ様、奴らを我が下僕の犬たちに追跡させております。吉報をお待ちくだされ」
腰袋に入れた通信魔導具の小型水晶玉からワイズおじいちゃんの声が聞こえてきた。
私を見守るべく、彼が使役する犬たちが、私の後を付いてきてくれていた。頼もしいわね。
「ありがとう。じゃあ、よろしくね。あの男たちの潜伏先を徹底的に探って頂戴。全員、奴隷にしたいから」
「御意!」
まさか、【水の聖女】と思われている私を殺そうとしてくるなんて……
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